
【日時】2026.3.29.(日)15:00〜
【会場】ミューザ川崎シンフォニーホール
【指揮】ジョン・アクセルロッド
〈Profile〉
幅広いレパートリー、革新的なプログラミング、そしてそのカリスマ性で世界各国のオーケストラから常に共演を望まれている指揮者のひとり。ルツェルン響・ 歌劇場の音楽監督兼首席指揮者、フランス国立ロワール管音楽監督、王立セビリア響音楽監督、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ響首席客演指揮者、京都市響首席客演指揮者、スイス国立管音楽監督兼首席指揮者を歴任。また、2009年から2011年にはウィーン・コンツェルトハウスでのORFウィーン放送響との映画音楽ガラ・コンサート「ハリウッ ド・イン・ウィーン」の音楽監督も務めた。現在、ブカレスト交響楽団首席指揮これまでにバイエルン放送響、ベルリン放送響、ライプツィヒ・ゲヴァントス管、バリ管、ロンドン・フィル、フィルハーモニア管、ローマ・サンタチェーリア管、トリノ RAI国立響、ロイヤル・ストックホルム管、オスロ・フィル、スウデン放送響、ザルツブルク・モーツァルテウム管、さらにワシントン・ナシル響、ロサンゼルス・フィル、フィラデルフィア管、シカゴ響等、これま 150以上の世界各地のオーケストラを指揮。また、2015年から2018年にか東京芸術劇場が主催する 「N響JAZZ at 芸劇」の指揮を務め、日本の聴衆にフォニック・ジャズの魅力を紹介した。オペラ指揮者としても意欲的な活動を屋ルツェルン、ロワールでの数々のプロダクションはもちろん、パリ・シャトロミラノ・スカラ座、フィレンツェ歌劇場での「キャンディード」の成功は特筆に値する。レコーディングも数多く、グレツキ《悲歌のシンフォニー)、“Bra Beloved” は特に高い評価を得ている。最新盤はシューマン交響曲第4番の改訂稿をカップリングした“シューマン 41/51”。1988年ハーバード大卒業、指揮をレナード・バーンスタインとイリヤ・ム^シンに学んだ。
※演奏者については、末尾「選抜者メンバー」参照
【曲目】
①バーンスタイン:「キャンディード」序曲
(曲について)
20世紀末にカラヤンと人気を二分した偉大な指揮者であり、「ウェスト・サイド・ストーリー』という大ヒットミュージカルを遺した作曲家であるレナード・バーンスタイン (1918~1990)。『ウエスト・ サイド・ストーリー』と同時期に作曲されたのが、全2幕のオペレッタ『キャンディード』で、1956年12月に初演された。原作はヴォルテールの小説『カンディード』で、ウエストファリアの城に暮らす領主の甥キャンディードは、家庭教師パングロス博士が説く楽天主義を信じる青年。領主の娘クネゴンデに恋しているが、それが領主に見つかって城を追放され、そこから奇想天外な世界放浪の旅をする冒険と成長の物語である。
オペレッタの幕を開ける序曲は、劇中のさまざまな場面の音楽で構成されている。華やかなファンファーレで始まる軽快な音楽は、 パングロス博士が“人生のすべての物事は、最善になるようにできている”という哲学を語る場面をベースとしたもの。続いて、ウエストファリアが戦火に包まれる場面を描く打楽器や金管楽器の躍動的な音楽となり、その後、結婚生活を思い描くキャンディードとクネゴンデの二重唱「ああ、幸せな私たち」の伸びやかなメロディが弦楽器によって奏でられる。そして総休止をはさんで、クネゴンデの有名なアリア「着飾って、きらびやかに」に基づく転がるようなパッセージで盛り上がり、いきいきと終わる。
②コープランド:バレエ組曲「アパラチアの春」(管弦楽版)
(曲について)
バレエ『アパラチアの春』の楽器編成は、予算の都合上、また、 上演ツアーに帯同させるため、奏者は13人だけという小編成だった。 それをオーケストラ用に手直しし、さらに音楽の一部をカットして、 1945年春、バレエ組曲 『アパラチアの春』管弦楽版が作られた。『組曲』だが、その中身は切れ目のないひと続きの曲である。
物語の舞台は、19世紀のペンシルヴァニア州の田舎。登場人物は、 結婚する若い男女、開拓村の女、牧師、4人の女性信徒。グラハムは明確なストーリーを示していないものの、“若い男女は結婚するが、 男は出征して戦死し、女はひとりになる、そして実は女は開拓村の女の若い頃で、この物語は開拓村の女の思い出だった”と受け取れる作品になっている。組曲ではバレエ音楽の後半がカットされたため、とても明るい曲想の作品となっている。
曲は、日の出を表現する穏やかな「とてもゆっくりと」で始まり、 ダンサーたちが順に登場。「アレグロ」は、躍動的なアルペッジョと賛美歌風のメロディによる明るい曲で、4人の女性信徒と開拓村の女が踊る。3拍子の「モデラート」は若い男の踊りで始まり、クラリネットが語り掛けるようなソロを奏でる。弦楽器の決然としたフレーズになると、若い男女が歩き、祈り、踊る。オーボエ、フルート、クラリネットが順に軽妙なフレーズを奏でる「速く」では牧師が軽やかに踊り、その後4人の女性信徒たちも踊りに加わる。開拓村の女か踊る堂々とした3拍子の「モルト・モデラート」を経て、「スピト・アレグロ」は弦楽器とハープ、ピアノが呼応して始まる、若い女の踊り、 ヴァイオリンやフルートの軽快なパッセージと共に、結婚の不安と母性を踊りで表現する。ヴァイオリン・ソロのあと、「最初のよ・ に」で作品冒頭の音楽が戻ってきて、牧師のもと2人の結婚式が行われる。「2倍の速さで」では、クラリネットが穏やかなメロディをでるが、これはシェーカー教徒の歌“シンプル・ギフト”の引用で、 ここからこのメロディによる変奏曲風に展開。「モデラート」で楽器は弱音器を付け、昔を懐かしむように静かに終わる。
③ドアティ:ルート66
(曲について)
イリノイ州シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまで、アメリカ大陸を横断する「ルート66」。小説や映画の舞台にもなり、「マザー・ロード」とも呼ばれるアメリカを象徴する国道で、2026年に開通100周年を迎えるという。そんな道路を運転しながらバックミラー越しに見る風景を音で描いたのが、マイケル・ドアティ (1954~)の「ルート66」だ。 ミシガン州のオーケストラ、カラマズー交響楽団の委嘱で作曲され、1998年に初演。本日が日本初演。
《20分の休憩》
④ガーシュウィン:パリのアメリカ人
(曲について)
1928年、ガーシュウィンは自作のミュージカル『オー・ イ!』 ロンドン最終公演を観るためヨーロッパに渡り、再びパリ訪れ、数か月間滞在した。このとき、前回のパリ訪問時に思いつたアイデアをさらに膨らませて、作曲が進められたのが「パリのメリカ人」である。アメリカに帰国してピアノスケッチを完成し、 してオーケストレーションして、その年12月にカーネギーホール初演された。
これまでの作品のような独奏ピアノ・パートを伴わない、ガーシュン初の純粋な管弦楽曲である「パリのアメリカ人」に、彼は“トー ・ポエム (音の詩)”と副題をつけている。音が描く場面についガーシュウィンは詳細な説明はしていないが、あらすじやモチーについてたびたび語っていて、それによれば、“パリを訪れたア Jカ人が街を歩き、カフェでコーヒーを飲みながら通りを眺めてると、アメリカが恋しくなってくる。故郷に想いを馳せつつも、 職は現実に戻り、目の前に広がる美しいパリに魅せられる”といっような物語だ。
【感想】
配布されたプログラムノートが良く出来ているので感心しました。それも参考に、演奏を聴いた様子、感じたことを以下に記します。
①バーンスタイン:「キャンディード」序曲
この短い序曲は、現在ではもう立派なクラシックの❝古典的曲❞と言ってもいいと思われます。弦楽奏と管楽器の速いテンポの掛け合いに、打楽器の囃し音が軽快さをいや増しし、流麗な弦楽奏の中間部と再度アッピビートでlebhaftな曲相に戻り、そのまま簡潔に結ばれる曲を、懸命に演奏する若者の姿を見ていると、将に「春秋に富む」未来に、大きな期待を、この年度末の卒業式の時期に、感ぜざるを得ませんでした。
②コープランド:バレエ組曲「アパラチアの春」(管弦楽版)
曲は、日の出を表現する穏やかな「とてもゆっくりと」で始まり、 ダンサーたちが順に登場。「アレグロ」は、躍動的なアルペッジョと賛美歌風のメロディによる明るい曲で、4人の女性信徒と開拓村の女が踊る、3拍子の「モデラート」は、若い男の踊りで始まり、クラリネットが語り掛けるようなソロを奏でる。弦楽器の決然としたフレーズになると、若い男女が歩き、祈り、踊る。オーボエ、フルート、クラリネットが順に軽妙なフレーズを奏でる「速く」では牧師が軽やかに踊り、その後4人の女性信徒たちも踊りに加わる。開拓村の女が踊る堂々とした3拍子の「モルト・モデラート」を経て、「スピト・アレグロ」は弦楽器とハープ、ピアノが呼応して始まる、若い女の踊り、 ヴァイオリンやフルートの軽快なパッセージと共に、結婚の不安と母性を踊りで表現するのです。ヴァイオリン・ソロのあと、「最初のように」で作品冒頭の音楽が戻ってきて、牧師のもと2人の結婚式が行われる。「2倍の速さで」では、クラリネットが穏やかなメロディをでるが、これはシェーカー教徒の歌“シンプル・ギフト”の引用で、 ここからこのメロディによる変奏曲風に展開。「モデラート」で楽器は弱音器を付け、昔を懐かしむように静かに終わるのでした。
確かにクラリネット奏者のソロ音はあちこちに出て来て、しかも大学生離れしたシックで素朴な味わいのある調べを、丁寧に繰り出していたのが光ります。今度このバレエを見てみたい気がしました。でも上演されることはほとんどないでしょう。
③ドアティ:ルート66
この作品は日本初演ですから、初めて聴く曲でした。曲は、自動車のブレーキの一部を使った打楽器「ブレーキドラム」(今回はドラムセットを使用?) の刻むリズムで、道路のセンターラインを表現する中、トランペッター4人がリズミカルなカノンを繰り広げて開始。そして下行演奏で始まりました。
シンコペーションで動く決然とした主題が登場し、音楽は前進し、 途中、テューバのソロが登場、これは信号機を表わしているそうです。 ここで一旦スピード(曲のテンポ)が落ちます。そして主題が戻ってきて、信号機後は上行の音型となり、付点リズムも加わることで風景が変化していく様が表現されているのです。その後、半音階が繰り返し登場するセクションを経て、カウベルがラテン風のリズムを刻んで速度アップ。セクションごとに呼応しながら音楽は高揚して、ドライブは終わるのでした。
ドラマーの活躍は目を見張るものがありました。

〔前半の演奏者〕

《20分の休憩》
④ガーシュウィン:パリのアメリカ人
曲は、アメリカ人がパリの街を歩く姿を描く軽やかな主題で始まり、 タクシーホーンが鳴るなど、パリの街のにぎやかな様子が表現される。その後、物憂げなフレーズが挟まれたのち、クラリネットの陽気でリズミカルなモチーフがあらわれ、さらに街は賑やかに。金管楽器奏でる力強いモチーフも登場するなど、これまでのモチーフが絡合いながらさまざまな情感が描かれたのち、アメリカ人の郷愁を表す静かな音楽を経てブルース風のセクションに。
その後、 陽気なチャールストン風の音楽となって盛り上がったあと、ヴァイコンやテューバのソロを経て、パリの街を歩く主題に戻り、ブルー風の主題も再現され、壮麗に終わったのでした。
〔後半の奏者〕

《アンコール曲》
ガーシュウィン『パリのアメリカ人』より抜粋
①から④の曲の演奏で、観客の反応が一番大きかった曲を指揮者はアンコール演奏しました。抜粋して結構長い時間演奏していました。観客は誰もがもう言うこと無いといった満足の表情で会場を後にしていました。

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※選抜奏者メンバー
◯コンサートマスター
[前半] 平本 詠音(桐朋)
[後半] 高橋 嬉春(藝大)
◯第1ヴァイオリン
海野智暉(相愛)、小川尚也(東邦)、
勝部小夏(洗足)、勝谷真理奈(東京)、
菅沼星也(東邦)、高瀬雄祐(武蔵野)、
豊田陽太郎(昭和)、峯岸陸(洗足)、
望月崇史(武蔵野)、森本優輝(京都)、
八木奏雅(国立)、除今日香(国立)、
米倉姫華(桐朋)、和田涼音(藝大)、
◯第2ヴァイオリン
東佳菜子(藝大)、池間瑞姫(国立)、
石井彩華(昭和)、加賀竜太郎(東邦)、
木下彩音(東京)、
小林彩(洗足)、四登 結、(桐朋)
島田真衣(東京)、清水千咲(洗足)、
田川ふみ(京都)、平塚珠礼(藝大)、
藤巻陽南(桐朋)、松井琴子(桐朋)、
光元のどか(武蔵野)
◯ヴィオラ
伊藤 聖(昭和)、尾崎 晴野(藝大)、
栗田 智晴(東京) 佐藤杏樹(東京)、
谷垣 琴美(洗足)、西山 京花(国立)、
春名 夏歩(桐朋)、福島知佳(桐朋)、
細田菜々美(桐朋)、丸尾佳帆(国立)、
守屋憧子(桐朋)、山崎健一郎(国立)、
◯チェロ
原一誠(桐朋)、相大沢 倭人(国立)、
河田実聖(桐朋)、川原 潤(武蔵野)、
塩崎 桃子(武蔵野)、高部 漢(藝大)、
中河 心雪(京都)、丸山悦未子(藝大)
山田理子(桐朋)、
◯コントラバス
内山 櫂(藝大)、川名 佑音(洗足)、
小林 俊介(東邦)、
中西 智紀(藝大)、藤原えりい(桐朋)
山田 朱里(国立)、若杉香凛(昭和)、
渡邊陽南子(東京)
◯フルート
[前半]
枝原美嬪(桐朋)、鈴木義了(昭和)
田中澤希(国立)
[後半]
岸田 結花(武蔵野)、玉田 涼華(東京)
山口架歩(国立)
◯オーボエ
[前半]
軍司渚月(昭和)、水間遊来名(東邦)、
[後半]佐々木拓音(国立)、中島悠(藝大)、福田 真弓(洗足)
◯クラリネット
[前半]
小林颯樹(藝大)、長谷川優佳(東京)、
福井太一(昭和)、山口夏那実(桐朋)、
[後半]柿沼星愛(国立)、鎌田こはる(昭和)、田谷萌々子(武蔵野)
◯ファゴット
[前半]
片山 結香(国立)、
小松千隼(東京)
山崎奏羽(昭和)
[後半]
内山 紀佳(東邦)
片山 結香(国立)
満田まはろ(洗足)
◯サクソフォーン
[後半]内田 悠太(東邦)
佐藤歩希(洗足)
谷真之介(藝大)
◯ホルン
[前半]
大谷綾音(洗足)、金子和愛(国立)
黒澤怜衣(昭和)、厚東仁菜(藝大)
渡邊 昂太(東京)
[後半]
下原 琉寧(藝大)、立口奈々佳(洗足)
田中のぞみ(武蔵野)、望月 有悟(東邦)
YOKOTA, Caterina Mayumi(東京)
トランペット
[前半]
及川優羽(洗足)
近藤寧音(国立)
田内遥音(藝大)
[後半]
大竹穂歌(昭和)
島田 翠(武蔵野)
高橋幸之介(東京)
中島実樹也(藝大)
トロンボーン
[前半]
越仲凛久(東邦)
服部希実(藝大)
林智大(東京)
[後半]
伊藤小百波(武蔵野)、岩尾琴羽(洗足)
宮川蒼汰(洗足)
◯テューバ
[前半]
片山 大輝(武蔵野)
[後半]
山田音大(国立)
◯ハーブ
[前半]
岩下柚貴(武蔵野)、尾和枝里香(桐朋)
[後半]岩下柚貴(武蔵野)
◯ピアノ&チェレスタ
[前半]
高橋星花(桐朋)
[後半]
重川美優(東邦)
ティンパニ
[前半]
國分 大悟(東邦)
[後半]
村岡亮弥(昭和)
パーカッション
[前半]
岡本 鈴(武蔵野)、加藤竜弥(昭和)
松野 涼音(東京)、三浦侑晟(国立)
守谷 優花(東邦)
[後半]
井上京(昭和)、榎本 若葉(洗足)
齋藤優多(東京)、星野美咲(東邦)
三浦侑晟(国立)
※インスペクター、中島 大之(昭和)
※ライブラリアン、小川鼓太郎(洗足)、柏木 大輝(東京)、小松美乃里(国立)
※ステージマネージャー本野 正(プランニングオフィスネイチャ)
根本 孝史(NemOwl.)
二瓶優之介(スタッフ)
※舞台スタッフ、青木 彩音(藝大)
染矢涼(東邦)、芳賀 琴音(桐朋)
松谷友里菜(武蔵野)、宮田 柾(洗足)
山本 怜(東京)
(50音順)
【演奏指導】
小森谷巧(昭和/弦分奏指導)
伊藤亮太郎(昭和/弦分奏指導)
中島 大之(昭和/管打分奏指導)
植松 透(昭和/管打分奏指導)
西久保友広(昭和/管打分奏指導)
【宣伝美術】
秋澤一彰(秋澤デザイン室)
※練習会場提供 昭和音楽大学