◉「かわさき市民オーケストラ2025」について
川崎市にある以下の4つのアマチュアオーケストラの合同で構成されたオーケストラです。
●川崎市民交響楽団
●宮前フィルハーモニー交響楽団
●麻生フィルハーモニー管弦楽団
●高津市民オーケストラ
これら4つのオーケストラは、特色をもってそれぞれの地域で熱心に活動してきました。
1997年「かわさき市民第九演奏会」を持ち回りでの演奏を始めたことから、運営面での協力やエキストラの行き来などが始まりました。そんな中、ミューザ川崎シンフォニーホールの開館が現実のものとなり、新しいホールでの演奏に思いを馳せて、2003年3月に 「川崎市アマチュアオーケストラ連盟」を発足。多くあるアマチュアオーケストラの中でも類をみない「同一市内のオーケストラの合同編成」を実現し、ミューザ開館の2004年には「ミューザ川崎市民交響楽祭」、「かわさき市民第九2004」、大晦日の「かわさきジルベスターコンサート2004」の3回にわたる合同演奏会を開催し、大成功を収めました。連盟は、その後も「かわさき市民第九」、「ミューザ川崎市民交響楽祭」の運営で相互に協力をし、日ごろから会合をもって、結びつきを深めながら活動を続けています。
2024年、川崎市市制100周年記念式典で市政功労賞を受賞、今後もさらなる精進を重ね、より一層の努力を続けて参ります。
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【日時】2025.8.31(日) 14:00~
【会場】ミューザ川崎シンフォニーホール
【管弦楽】かわさき市民オーケストラ2025
【指揮】和田一樹(幹事オーケストラ:麻生フィルハーモニー管弦楽団)
〈Profile〉
和田一樹 Kazuki Wada
東京都中野区出身。尚美学園大学作曲コース、東京音楽大学指揮科を卒業。2011 年ブラジルロンドリーナ音楽祭にて優秀賞受賞。2015年ルーマニアで開催された第6 回ブカレスト国際指揮者コンクールにて準優勝。2017年にはヤシ・モルドヴァ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮しヨーロッパデビュー。オーケストラと聴衆から熱狂的に支持され、楽団の総監督より 「最年少最優秀客演指揮者」の称号を受けて以降、毎シーズンの客演を続けている。ドラマ「のだめカンタービレ」、映画「マエストロ!」「くちびるに歌を」「モヒカン故郷に帰る」において指揮指導を担当。CMや劇伴などレコーディング多数。また、京王電鉄・京王ライナーオリジナルBGMを作曲。京王音楽祭にて、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏で初演された。これまでに、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、パシフィックフィルハーモニア東京、東京佼成ウインドオーケストラ、群馬交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、京都市交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ、広島交響楽団、九州交響楽団、ロンドリーナフェスティバルオーケストラ、ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団、ヤシ・モルドヴァ・フィルハーモニー管弦楽団などと共演、国内外で指揮活動を展開している。
【独奏】三舩優子(Pf.)

〈Profile〉
小学校時代をニューヨークで過ごし、7歳より本格的にピアノを始める。市村光子、ジェローム・ローエンタール(英語版)に師事。小学校4年生でショパンのワルツ全曲を勉強し終えた。12歳で帰国後、井口秋子、奥村洋子、安川加寿子に師事。吉祥女子高等学校を経て、桐朋学園大学を首席で卒業。大学在学中の1988年には第57回日本音楽コンクールで優勝。1990年より文化庁派遣研修員としてジュリアード音楽院に留学し、マーティン・キャニン(英語版)に師事。1991年、フリーナ・アワーバック国際ピアノコンクール(Frinna Awerbuch International Piano Competition)で優勝。1992年、ジュリアード・ソリストオーディション優勝。2021年度から京都市立芸術大学准教授。
2003年から2008年まで、NHK-BS2『週刊ブックレビュー』の司会もつとめた。
【曲⽬】
①レスピーギ:ローマの噴水
(曲について)
ローマのサンタ・チェチーリア音楽院作曲科の教授に就任したレスピーギは、1913年に出身地のボローニャから移り住み、そこで受けた刺激を元に「ローマ三部作」を作曲した。その第1作である『ローマの噴水』は1916年に作曲された。演奏時間は約15分、スコアの冒頭の序文には次のような説明がある:
ローマの四つの噴水で、その特徴が周囲の風物と最もよく調和している時刻、あるいは眺める人にとってその美しさが、最も印象深く出る時刻に注目して受けた感情と幻想に、表現を与えようとした。
従来の交響詩の自由な形式ではなく、古典的な交響曲にみられる4楽章構成をとっており、それぞれは「夜明け」、「朝」、「真昼」、「黄昏」の時間帯と、ローマの名所4箇所の噴水が当てはめられている。なお、4つの部分は連続して演奏される。レスピーギはかつてロシア帝国劇場管弦楽団の首席ヴィオラ奏者を務めていた時に、ニコライ・リムスキー=コルサコフから作曲の指導を受けており、この作品にはリムスキー=コルサコフの管弦楽法の影響が見られる。1917年3月11日にアントニオ・グァルニエリの指揮によりローマのアウグスト劇場(英語版、イタリア語版)において行われた初演の際には評論家の嘲笑を買っていたが、その後、1918年2月11日にアルトゥーロ・トスカニーニがミラノにおいて行った再演が大成功し、その後もっとも有名な交響詩の一つとして知られるようになった。
従来の交響詩の自由な形式ではなく、古典的な交響曲にみられる4楽章構成をとっており、それぞれは「夜明け」、「朝」、「真昼」、「黄昏」の時間帯と、ローマの名所4箇所の噴水が当てはめられている。レスピーギはかつてロシア帝国劇場管弦楽団の首席ヴィオラ奏者を務めていた時に、ニコライ・リムスキー=コルサコフから作曲の指導を受けており、この作品にはリムスキー=コルサコフの管弦楽法の影響が見られる。
②ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』
(曲について)
ロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフが作曲した2番目のピアノ協奏曲。
作曲時期は、1900年秋から1901年4月[1]。1900年12月2日に従兄のアレクサンドル・ジロティの指揮、作曲者のピアノで第2楽章と第3楽章が初演された後、1901年11月9日(ユリウス暦 10月27日)に、同じ指揮者・ソリストにより全曲が初演された。その屈指の美しさによって、協奏曲作家としての名声を打ち立てたラフマニノフの出世作である。発表以来、あらゆる時代を通じて常に最も人気のあるピアノ協奏曲のひとつであり、ロシアのロマン派音楽を代表する曲の一つに数えられている。
多くのラフマニノフのピアノ曲と同じく、ピアノの難曲として知られ、きわめて高度な演奏技巧が要求される。たとえば第一楽章冒頭の和音の連打部分において、ピアニストは一度に10度の間隔に手を広げることが要求されており、手の小さいピアニストの場合はこの和音塊をアルペッジョにして弾くことが通例となっている。
③レスピーギ:ローマの祭
(曲について)
ローマ三部作の最後の曲。単一楽章だが以下の四つの部分からなる。各部分は古代ローマ時代、ロマネスク時代、ルネサンス時代、20世紀の時代にローマで行われた祭りを描いたものであり、それぞれレスピーギ自身によるコメント(標題)がつけられている。
第1部 チルチェンセス Circenses
第2部 五十年祭 Il Giubileo
第3部 十月祭 L’Ottobrata
第4部 主顕祭 La Befana
【演奏の模様】
会場に入ると、舞台上には多くの椅子とハープ二台やピアノまで並べられていました。舞台後方の高台には、オルガンの準備もされている模様。かなりの大編成が予想されます。
①レスピーギ:ローマの噴水
〇楽器編成:ピッコロ1 フルート2 オーボエ2 コーラングレ1 クラリネット2 バスクラリネット ファゴット2 ホルン4 トランペット3 ト ロンボーン3 チューバ1 ティンパニ シンバル トライアングル チューブラベル(ニ音のもの)1本
グロッケンシュピール パイプオルガン ピアノ
チェレスタ ハープ2 三管編成弦五部14型(14-12-10-10-7)
〇全4楽章構成
上記(曲について)にある様に、噴水の描写は、夜明け、朝、昼、晩について以下の四噴水についてなされていました。
4つの部分は連続して演奏さので、切り換わりが若干分かりづらかったかも知れません。
①ー1夜明けのジューリアの谷の噴水
この噴水が現在何処かは不明です。レスピーギの時代(100〜150年前)には、ローマに有ったのかもしれませんし、現在では、名称が変わったのかも知れません。
演奏は木管中心に展開、Cl.やOb.のやや気怠さを感じるけれど、小鳥の鳴き声が鋭く響き如何にも夜闇が薄くなって行く雰囲気でした。
①ー2 朝のトリトーネの噴水
Hrn.が勢い良く吐き出される噴水を、水滴となって飛び散る様子をTri.の音が表わしているのでしょうか?弦楽奏や金管で賑々しく、Pf.のグリッサンドの音も響き、シンバルも鳴らされました。
①ー3真昼のトレヴィの噴水

ローマで超有名な噴水です。昔見たことがありますが、噴水と言うより泉で、思ったより静かな雰囲気(曜日と時間帯に依るのでしょうけれど)、若者が多く泉のへりに腰掛けていて、流れ落ちる水が浅く溜まった池には、投げ入れられた小銭が沢山沈んでいました。演奏は、木管のみならずTrmb.も入ったHrn.等の金管が、かなりの音量で堂々とした調べを奏で弦楽アンサンブルも、チェレスタの音も聞こえました。ただ自分が見たイメージとは、かなりギャップがある曲の演奏でした。
①ー4黄昏のメディチ荘の噴水
フィレンツェ出のメディチ家は、ローマにも居宅を構えていたのでしょうかね?見たことが有りません。調べるとヴィラ・メディチと称し、
フェルディナンド1世・デ・メディチが建設したもので、現在はフランスの国有資産となっていて、在ローマ・フランス・アカデミーが1803年から使用しているそうです。

その庭園の噴水 が当曲四つ目の噴水です。誰でも見れるものではなさそうです。「黄昏」.と名付けたのは、面白い。メディチ家の没落も意味していると思いました。
演奏は、
②ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番
〇楽器編成:二管編成弦楽五部14 型( 14-12 -10-10-7)
〇伝統的全三楽章構成
第1楽章 Moderato
第2楽章 Adagio sostenuto
第3楽章 Allegro scherzando
この曲は、40分以上もかかる大曲で、しかも作曲家自体が、超絶演奏を得意とするピアニストだったこともあり、相当な難曲と言っていいでしょう。逆にその事が、ピアニストの演奏意欲を掻き立てるのか、多くのピアニストが良くオーケストラと共演する曲でもあります。
第1楽章、三船さんのゆっくりとした和音連打が、静かに打ち鳴らされ次第にクレッシェンドして行きました。これは、何か鐘の音を模しているのでしょうか?オケが入りかなりの音量の斉奏で、どこか民族風の調べを掻き鳴らし、この間ソロPf. は分散和音で伴奏的に合わせていました。
この楽章、管弦楽アンサンブルが、ラフマらしい転調音を含むパッセッジを高らかに謳い上げると、三舩さんの音は当初こそオケに飲まれて聞こえない時もあったもののすぐに力を増した強打鍵で、かなりのハイレベルの調べをバラバラバラと速い運指で弾き出し、大編成のオケに負けないどころかむしろリードしていた感がありました。オケはアマチュアと言っても、これまで多くの演奏実績を積んで来ただけあって、立派なもの、しかも今回は、そうした謂わばセミプロに近い様な奏者達の中から、選りすぐりの人を選抜したチームですから、水準は、かなりの高さをキープしていたことは、実際に聴いてみても分かります。ミスらしいミスは、余り無かったし、アンサンブルも一体性が良いし、指揮者の和田さんのリードにかなりの確度で忠実に従っていた様子でした。
最後は歯切れよくソロ+オケがジャッジャジャンと強奏で閉じました。
さて第2楽章は、弦楽アンサンブルの低音域奏が緩やかな坂道を静かに登って行く様な序奏に続き、三舩さんも静かにソロ的調べを丹念に繰り出しました。ラフマニノフお得意の美的旋律、Pf.の弱奏にFl.⇒Clが寄り添っていました。三舩さんは、時として、掛け合ってくれる木管と音を重ね、時としてカデンツァ的演奏も交え力奏していましたが、それにしてもCl.の存在感も大きいものがありました。カデンツァの後のVn.アンサンブルのテーマ弱奏に合わせる三舩さんの、はかなくも淡く美しい演奏は、今回の大きな聞かせ処でした。とろける様なラフマ美の極地でした。
終楽章、速いテンポで囃し立てるオケに呼応したPf.が、一気に猛テンポで上行、下行の速いパッセッジを繰り出し、一種民族調の調べも超高速で連射、この楽章は、よく指がもつれないな、と感心する程の速射砲を連射するが如き三舩さんの力強い演奏でした。迫力も十分いや十二分、男勝りの力演でした。
今回の演奏を聴くまで、三舩さんのことは、何一つ知らず、正直申して、アマオケ演奏会だし、そこで弾くピアニストだから、余り期待出来ないのでは?と偏見を抱いていたのが見事覆されました。凄いピアニストだったのです。帰宅してからそれを家の上さんに話したら、「有名なピアニストよ。以前NHKラジオのクラシック番組の司会もしていたし」とのこと。経歴を見ても実力者であることは、明白でした。世界には、何と素晴らしいピアニストが多くいることよ!
またオーケストラも、普通のアマ管弦楽団とは格段に異なり、ブロ集団に限りなく近づきつつあると思われる、聴いていて違和感のない演奏を聴かせてくれました。本来であれば、ローマ三部作を連続して演奏した方が、聴衆としても聴きやすくのでしょうが、今回は、三舩さんの素晴らしい演奏もプログラム入りし、時間の配分上、そのあとの休憩後に残りの「ローマの祭り」の演奏となったことは、いか仕方ないことです。
三舩さんのラフマ・コン2番の演奏が終わると、かなりの観客が入った会場には、大きな歓声と拍手が渦巻きました。観声に応えてソロ・アンコール演奏がありました。
《アンコール曲》ラフマニノフ『幻想的小曲集より前奏曲 鐘 嬰ハ短調Op.3-2』
何となくラフマの曲だとは分かりましたが、初めて聞く曲でした。三舩さんの演奏は、本演奏の協奏曲2番に負けずとも劣らぬ素晴らしい表現力で弾き切りました。再度湧き返る会場。

《20分の休憩》
③レスピーギ『ローマの祭』
〇楽器編成、本来前半の「ローマの噴水」の後に演奏されるもので、編成は原則同じです。矢張りオルガン下にバンダの金管部隊が並びました。ピアノには②の曲で独奏を務めた、三舩さんが鎮座。
演奏曲は上記(曲について)にある様に第1部から第4部までの四曲構成です。
第1部 チルチェンセス Circenses
聴き慣れない「チルチェンセス」に関して調べると次のようなものです。
「チルコ・マッシモに不穏な空気が漂う。だが今日は市民の休日だ。『ネロ皇帝、万歳!』鉄の扉が開かれ、聖歌の歌声と野獣の唸り声が聞こえる。群衆は興奮している。殉職者たちの歌が一つに高まり、やがて騒ぎの中にかき消される。」
古代ローマでは紀元前から平和の統治のために食料や娯楽が市民に提供された。いわゆる「パンと見世物」と呼ばれる政策で、チルチェンセスとはこの見世物のことである。前座に猛獣対猛獣や人間対猛獣の闘いもあり、重罪人やキリスト教徒らが猛獣の餌食とされた。この曲ではキリスト教徒と猛獣の対峙の様子を描いている。決闘は100日を超える市民の休日に開催され、ローマの貴族や善良な市民がオペラ鑑賞のように楽しんだ。また、チルチェンセスというのは、一名アヴェ・ネローネ祭ともいい、皇帝ネロが民衆を喜ばせるために円形劇場で行ったことからその名がついた。「アヴェ・ネローネ≪Ave, Nerone!≫」は「ネロ皇帝万歳」ということに相当する。なお、決闘はチルコ・マッシモではなく、ネロの時代は円形劇場で催されていたようである。
レスピーギは、キリスト教徒たちが衆人環視の中で猛獣に喰い殺されるこの残酷な祭りの一部始終を克明に描いている。導入部では闘技場に詰めかけた市民の喚声を表す部分とブッキナによるファンファーレの部分が交互に現れる。次第に、それらは渾然一体となり興奮が高まっていく。次の低音楽器によるスタッカートの場面では解説者によって解釈が異なっており、「闘技場の扉が開き犠牲となるキリスト教徒たちが重い足取りで入場する」「鉄の扉が押し開かれて飢えたライオンが姿を現す」などがある。弦楽器や木管楽器たちがキリスト教徒たちの祈りを思わせる讃美歌風の旋律を歌い始める。一方、猛獣たちの唸り声に似た低音楽器たちが荒々しく割り込む。弦楽器と木管楽器の歌声はより発展し、速度が増し、音高も高くなっていく。これに対し、金管楽器の猛獣の唸り声もだんだん高まっていく。
オルガン下に並んだ金管別動体がファンファーレを高らかに鳴らし祭りは開始、低音弦の響きは何らかの場面展開を示唆していました。Hrn.の音はライオンの鳴き声か?上記の解説の様な人身供与での猛獣との戦いを観戦するイメージが湧いてきます。最後再度バンダの金管がファンファーレを鳴り響かせ〆となりました。

第2部 五十年祭 Il Giubileo
この祭りも、ローマ時代の古い祭典の模様。以下に概要を引用します。
「巡礼者たちが祈りながら街道をゆっくりとやってくる。モンテマリオの頂上方待ち焦がれた聖地がついに姿を現す。『ローマだ!ローマだ!』一斉に歓喜の歌が沸き上り、それに応えて教会の鐘が鳴り響く。」
五十年祭とは、50年ごとに行われているロマネスク時代のカトリックの祭(聖年祭)である。世界中の巡礼者たちがモンテ・マリオ (Monte Mario) の丘を登り、頂点へたどり着き、そのうれしさのあまり「永遠の都・ローマ」を讃え讃歌を歌う。それに答えて、教会の鐘がなる。古い讃美歌「キリストは蘇り給えり(Christ ist erstanden)」が使われている。
管楽器の微弱な音がゆっくりと進む巡礼者を表すのでしょうか?時々合いの手を入れる弦楽奏は次第に音を強め、突然金管と共に打も入って強まりました。終盤はかなり速いテンポで全楽強奏、Timp.奏者(①の女性奏者に代わって②と同じ男性奏者)が力を入れて拍子を取っているのが目立ちました。何回か聞こえた鐘の音、Pf.の音も。
第3部 十月祭 L’Ottobrata
「カステッリ・ロマーニの十月祭はブドウの季節。狩りの合図、鐘の音、愛の歌に続き、穏やかな夕暮れのロマンティックなセレナーデが聴こえてくる。」[1]
ローマ郊外にあるカステッリ・ロマーニという地域で、秋のぶどうの収穫を祝って開催されるルネサンス時代の祭がモチーフ。ローマの城がぶどうでおおわれ、狩りの響き、鐘の音、愛の歌に包まれる。やがて夕暮れ時になり、甘美なセレナーデが流れる。
主としてブドウ収穫を中心とした所謂「オクトフェス」の一つでしょう。如何にも秋らしいHrn.(4)の斉奏でスタート(鐘の音も)、それに弦楽のキカキカ奏が強い調子で入り、再びTrmp.が華やかに鳴り響きました。Picc.やPf.の音も。リズムと旋律は皆同じ様。マリンバやタンブリン等の打楽器が打ち鳴らされ祭りが盛り上がりました。終盤の弦楽旋律奏は魅力的な調べでした。各種楽器でフガート奏の様相。
第4部 主顕祭 La Befana
「主顕節前夜のナヴォーナ広場。お祭り騒ぎの中、ラッパの独特なリズムが絶え間なく聴こえる。賑やかな音と共に、時には素朴なモティーフ、時にはサルタレッロの旋律、屋台の手回しオルガンの旋律と売り子の声、酔っぱらいの耳障りな歌、さらには人情味豊かで陽気なストルネッロ『われらローマっ子のお通りだ!』も聞こえてくる。」
ナヴォーナ広場で行われる主顕祭前夜の祭がモチーフ。三賢人がキリストを礼拝した主顕祭は、カトリック信者にとってはクリスマス以上に重要な行事で、その騒ぎぶりも半端ではない。さらに、イタリアでは1月6日の朝、魔女のベファーナが暖炉に吊るしてある靴下に良い子だった子供にはキャンディやおもちゃ、悪い子には木炭を入れていくという民間伝承が広がり、広場にはベファーナの人形や仮装、お菓子を売る屋台等で大変にぎわう。第4部のイタリア語の標題「La Befana(ベファーナ)」は、文化の違いに配慮したのか英語では「Epiphany(エピファニー)」と表記され、日本でもその流れで「主顕祭」と訳された。
踊り狂う人々、手回しオルガン、物売りの声、酔払った人(グリッサンドを含むトロンボーン・ソロ)などが続く。強烈なサルタレロのリズムが圧倒的に高まり、狂喜乱舞のうちに祭りは終わる。
ここで特筆すべきは「マンドリン」奏者の登場です。舞台上手側中央、Vc奏者の横後ろ側に陣取っていました。元来レスピーギの「ローマの祭り」には無い楽器でしたが、吹奏楽に編曲されてマンドリンが使われるヴァージョンが登場、今回は、恐らく当該管弦楽団に吹奏楽出身者が多くいて、マンドリンを採用したものと推定されます。
又この祭り演奏ではコンマス(女性なのでコンミスかな?)のソロ演奏が有りましたが、一般的なヴァイオリニストと較べてやや輝きにかける音色だったかなと思われました。
今回の演奏では、「ローマの松」を欠いていますが、それでもゆうに2時間は過ぎていました。それでも指揮者の和田さんは、観客(恐らく管弦楽の関係者が多かった模様)の歓呼に応えて、アンコール演奏をしました。アンコール曲は今回演奏できなかった三部作の一つ「ローマの松」から<アッピア街道の松>でした。
舞台裏手上部のオルガン下に陣取ったバンダ金管奏者8人(Hrn. 4 Trmp.2 Trmb.2)のファンファーレが見事に決まりました。

今回の演奏会は思っていた何倍もレヴェルの高い演奏で、しかも長時間堪能できました。