〜都響スペシャル〜

【日時】2025年7月18日(金) 14:00〜
【会場】サントリーホール
【管弦楽】東京都交響楽団
【指揮】アラン・ギルバート
【曲目】
①ブラームス『交響曲第一番ハ短調作品』
(曲について)
ヨハネス・ブラームスが作曲した4つの交響曲のうちの最初の1曲。1876年に三拾余年かけて完成した。ハンス・フォン・ビューローに「ベートーヴェンの交響曲第10番」と呼ばれ高く評価された。「暗から明へ」という聴衆に分かりやすい構成ゆえに、第2番以降の内省的な作品よりも演奏される機会は多く、最もよく演奏されるブラームスの交響曲となっている。
②ブラームス『交響曲第二番交響曲第2番ニ長調作品73
(曲について)
交響曲第2番(Symphonie Nr. 2, D-Dur op.73)は、1877年に作曲された。第1交響曲とは対照的に伸びやかで快活な雰囲気を示すが、構成的にも統一が見られ、音楽の表情は単純でない。ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」にたとえられ、「ブラームスの『田園』交響曲」と呼ばれることもある。』
【演奏の模様】
①ブラームス『交響曲第一番』
○楽器編成:Fl.2, Ob.2, Cl.2(楽章順に、B管 A管 B管 B管 ),Fg.2,Cont-Fg.1(三楽章以外)
Hrn.4,Trmp.2,Trmb.3, Timp. 弦楽五部16型
〇全四楽章構成
第1楽章 Un poco sostenuto – Allegro
第2楽章 Andante sostenuto
第3楽章 Un poco allegretto e grazioso
第4楽章Adagio - Più andante - Allegro non troppo, ma con brio - Più allegro
この曲はちょくちょく聴く機会が在る自分にとっては好きな曲なので、あばたもえくぼに思えてしまいます。先ず今回のオーケストラの配置は対向配置、即ち通常の場合(多くの場合)のVa.の位置に2Vn.群、Va.やVc.Cb.は中央からすべて下手側(向かって左側)の1Vn.側に配置されているので、主力部隊が皆左側に位置し、謂わばオケ全体が左方に偏った音量になっていたのです。でも自分の席も一階奥の左手側だったので、ビンビン響く大音響にしびれました。第1楽章のpizzicato奏のフガートが明瞭に聞こえました。また相変わらずOb.の首席の音はいい音を立てていましたし、他の木管も例外なく良かったのですが、残念ながらこの曲でFl.のソロ演奏は短く、活躍場面が少ないのは残念なことです。Hrn.も彼方此方で活躍、僅かな瑕疵を除けばほぼ完奏しました(Trmb.やTrmp.は出番が少なめですね)。Timp.も拍子を強弱、早急・緩徐自在に拍子を取り大活躍、コンマスのソロ演奏も白眉でした。とても潤いのある美しい伸びやかなVn.の調べ、多くの国内オケのこの楽章のコンマスソロでも出色の出来だったと思います。(コンマスは、矢部さんかな?違うかも知れない?矢部さんだったら彼は指揮者のいない「トリトン晴れた海のオーケストラ」をリードしていたと思うのですが、今回のソロはアランギルバートに良く合わせていた、最終タクトが止まるのとオケの最終音にソロ音がピタリと合っていた、即ちVnの最後の弓一曳きを弓の先端でピタリと終えていました。指揮者重視でした。
この曲はすぐにでも何回でも聞きたくなります。家に帰ってからCD、テープ、レコードよりも最優先で、1975年「ベーム指揮ウィーンフィル来日演奏」のネット録画を見ました。
②ブラームス『交響曲第二番』
〇楽器編成:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ一対、弦五部。
ブラームスの他の交響曲で使われているコントラファゴットが使用されず、第2番だけにチューバが使われているのが特徴的
〇全四楽章構成
第1楽章 Allegro non troppo
第2楽章 Adagio non troppo - L'istesso tempo,ma grazioso
第3楽章Allegretto grazioso (Quasi andantino) - Presto ma non assai - Tempo I
第4楽章Allegro con spirito
確かに評判通り、この曲はベト8に相通ずるところが有りますね。それどころか第1楽章から第2楽章、第3楽章、第4楽章と進めど進めど麗しい景色(例えば、イングランドを縦断する若しくはモンサンミッシエルへと進むフランス北行の車窓から見える限りなく続く田園風景)の連続です。僅かに最終楽章で、突然の錯乱、数少ない強奏場面が出て来る程度、これはブラームスが、如何に、第1番作曲の何十年にも渡る格闘と苦悩のくびきから解き放されて解放感に浸っていたかの証しです。途中眠けまで生じさせる心地良さの連続でした(隣席の高齢女性は演奏が始まってすぐから最後まで爆睡されている様子でした)。
アランギルバートの牽引は、事前に公開されているリハーサルでも分かる様にブラームスを深く理解し、都響の一人一人(楽器群)の有する特質を十二分にその曲風発現に至らせるかに苦心しているのが分かる指揮だったと思います。ブラームスの曲の再現に成功していました。




今回のブラームスサイクル演奏会は、その後3番4番と続くのですが、残念ながら都合が悪く聴きに行けません。またの機会にします。