HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ソヒエフ・N響『ストラビンスキー&ブラームス』を聴く

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第2029回 N響定期公演 Cプログラム

【日時】2025年1月24日(金) 19:00〜

【会場】NHKホール

【管弦楽】NHK交響楽団

【指揮】トゥガン・ソヒエフ

【曲目】

①ストラヴィンスキー/管弦楽組曲『プルチネルラ』

(プルチネルラ粗筋)
町の娘たちは皆プルチネルラに惚れており、プルチネルラの恋人であるピンピネルラはそのことでプルチネルラと喧嘩になる。

プルチネルラに嫉妬する町の若い男たちはひそかにプルチネルラを殺す。しかし実際にはプルチネルラは死んでおらず、フルボに自分の扮装をさせて死んだふりをさせる。人々はプルチネルラの遺体を見て嘆くが、そこへ魔術師に化けた(本物のプルチネルラがやってきて、(にせの)プルチネルラを生き返らせる。

プルチネルラを片付けたと思い込んだ男たちは、意中の娘をものにするために自らプルチネルラに変装してやってきたためにプルチネルラだらけになって混乱するが、最終的に正体のばれた男たちは娘たちと結婚し、(本物の)プルチネルラもピンピネルラと結婚する。

 

②ブラームス/交響曲 第1番 ハ短調 作品68

 

【演奏の模様】


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①ストラヴィンスキー/組曲「プルチネッラ」

 この曲は、もともとバレエのための音楽として委嘱されたものを、ストラビンスキーは古典の様々な曲をパロディ化して作曲したもので、全体的に古色溢れる旋律で満たされています。上記粗筋の様な物語をバレリーナ達と主役男性ダンサー他が、主として白装束で踊るもので、現代では滅多に上演される機会は無いのでは?と思われます。バレエ音楽の場合は次に示す様に管弦楽器の他に声楽家を登場させています。これは元々ペルゴレージはオペラやカンタータ等も得意としており、ストラビンスキーはその名残りを取り入れた物と思われます。

 

楽器編成:フルート2、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット1、トロンボーン1、独奏弦五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス各1)、弦五部(第1ヴァイオリン4、第2ヴァイオリン4、ヴィオラ3、チェロ3、コントラバス3)、ソプラノ独唱、テノール独唱、バス独唱(演奏時間:約35分)

 

 今回演奏された管弦楽組曲への編曲は、1924年(1947年に改訂)になされ、独唱は除かれていますが、その他の楽器編成は同じです。(演奏時間:約23分)

 全八曲から構成

〈構成〉
1.Sinfonia
2.Serenata
3.Scherzino - Allegro - Andantino
4.Tarantella
5.Toccata
6.Gavotta con due variazioni
7.Vivo
8.Minuetto - Finale 

 

 全体的に古色蒼然たる調べが、耳当たり良く響いてきました。それもその筈、ストラビンスキーのパロディは、主として、イタリアの作曲家ペルゴレージ他の原曲の旋律骨格を変えずに模倣・加工して出来たというのですから。むしろ曲のテンボ・拍子に独自味を出しているケースが多々有ります。 

 最初の1.Sinfoniaのみならず最後の曲まで、せいぜい1~4分程度の短い曲の集合ですが、これはバレエを踊る人達の都合もあるのでしょう。1では先ずOb.のソロ音が響き、又コンマスのソロ演奏も目を引きます。今日のコンマスはまろさん。まろさんは間もなくN響を退団するとのことですが、30年近くもコンマスを続けられたことは驚異的なことだと思います。余人をもって代え難しだったのでしょうね、きっと。Ob.はこの曲でも次のブラ1番でも出番は多く、勿論女性首席奏者の調べはいつも大変美しいのですが、じっと演奏を観察していて最近気が付いたこととして、顔も含めてかなり下向きに上半身を少しかがめて吹いていました。海外オケの場合、Ob.奏者のみならず管楽器奏者は、もっと姿勢良く顔を上げて背筋を伸ばして堂々と自信ありげに吹く場合が多い様に感じられます。時としては笛の切っ先を上に向けて聴衆に良く音が届く様にするためなのか、パーフォーマンスなのか判然としませんが、兎に角自信をもって音を出している様に見受けるのです。見た目がそうだと聞こえる音も違って聞こえるのでしょうかね?

 まろさんのソロ演奏は、古楽を元とする曲というイメージがあるのか、或いは立ち上がりだったせいなのかこれも判然としませんが、ソロ音としての発音はやや小さめに感じられました。(話は飛びますが、次のブラ1番の二楽章のコンマスソロ演奏などでは、力が漲り素晴らしいものが有りました)

 2でもOb.ソロとコンマスソロの掛け合い中心に動きました。Fl.も合の手を入れますが、良く鳴っていたとは言い難かった。 

 中でも普段余り見かけない風変りな取り合わせとして面白く感じたのは、7曲目のVivoにおいて、金管のTrmb.やTrmp.さらにはFl.の管楽器の鳴り声とCb.の力強いソロの掛け合いでした。これはベルゴレージではVc.だったものをCb.にしてさらに音を低くし、また高音の管楽器を組み合わせたのはストラビンスキーの創作だそうです。

 

 

 

②ブラームス/交響曲 第1番 ハ短調 作品68

○楽器編成:Fl.2, Ob.2, Cl.2(楽章順に、B管 A管 B管 B管 ),Fg.2,Cont-Fg.1(三楽章以外)  

Hrn.4,Trmp.2,Trmb.3,   Timp.  弦楽五部16型

 

○全四楽章構成

第1楽章 Un poco sostenuto – Allegro

第2楽章 Andante sostenuto

第3楽章 Un poco allegretto e grazioso

第4楽章Adagio - Più andante - Allegro non troppo, ma con brio - Più allegro

 

 この曲は、一昨年11月ウィーンフィル来日公演時に指揮予定のフランツ・ウェルザー=メストが、体調不良で来日出来なかったため、代役を務めたソヒエフが指揮した折に演奏された曲です。その時聴いた記録を参考まで、文末に(抜粋再掲)して置きました。

 今回のソヒエフの指揮は、先週19日の『レニングラード』の演奏の時より、かなり感情がこもってN響を牽引していると感じられました。勿論曲は異なる訳ですから違って当然かも知れません。このブラ1番の方が、ショスタコ7番よりは世によく知られた演奏回数も多い曲だと思いますから、違って当然だと思います。一方一昨年のウィーンフィルの時と比べると、あの時のソヒエフは、『夢中で』という言葉が近からずとも遠からずの形容の言葉ではないでしょうか。

 自分としては、この曲は大好きな曲なので、大抵の演奏が良く聞こえて仕方が無いのですが、今回のソヒエフの指揮振りは、一昨年より様々な経験をより多く積んだ人間の余裕みたいなものが感じられました。勿論管弦楽団の演奏は、今日のN響の奏者もとてもいいと思いますが、やはりウィーンフィルの凄みの有る演奏に一歩~三歩譲るを得ないと思います。今回の1番の演奏で特記すべきことの一つとして、2楽章中盤から最後まで一貫して安定した.滔々とした流れのアンサンブルを保った弦楽部門の力強い演奏でした。また第三楽章では先にも述べたまろさんのソロ演奏は、なぜかウィーンの雰囲気を感じさせる秀越なものでした。と同時にOb.のソロも非常に美しくかつひなげしの様な艶やかさも兼ね備えたものでした。(垓下の歌を思い出しそう)

 少し残念だったことは、(抜粋再掲)にもあるFl.のソロが、自分が大好きな箇所だけに物足りなく聞こえました(それにしてもソロとしては短か過ぎですね。ブラームスさんどうしてそんなに短いの?も少し何とかならなかったのですか?)

 最終場面の全楽全奏で力一杯指揮者も奏者も一丸となるクライマックスは、いつどこで聴いても(大抵の場合)興奮するこれまたこの曲の好きなポイントの一つでした。

 この曲を聴くと又すぐにでも聴きたくなって、実演はそう度々は無いですから、録音録画で聴くことにしましょう。1975年のカールベーム指揮のNHKホールウィーンフィル演奏でも見てから床につきましょう。

 

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////2023.11.13.HUKKATS Roc.(抜粋再掲) 

 

2023ウィーンフィル東京演奏会初日鑑賞 

【日時】2023.11.12.16:00~
【会場】サントリーホール
【管弦楽】ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
【指揮】トゥガン・ソヒエフ

【曲目】
①R.シュトラウス『ツァラストライクかく語りき』

 

《休憩》

 

②ブラームス『交響曲第一番』

 

【演奏の模様】

 

《20分間の休憩》

 

後半も一曲のみです。従ってこれも間違いなく大曲です。

②ブラームス『交響曲第1番』

《楽器編成》二管編成弦楽五部16型(16-14-12-10-8 一部良く見えず)

全四楽章構成

第1楽章 Un poco sostenuto - Allegro

第2楽章 Andante sostenuto

第3楽章 Un poco allegretto e grazios

第4楽章 Adagio - Più andante - Allegro non troppo, ma con brio - Più allegro

 この曲との付き合いはもう何十年になるのでしょうか。あれは高校生か大学に入りたてか?それでも漫然と聞く時が多くて、未だその詳細は頭に入っていない処が多い。聴けば、❝あーそれそれ❞と脳細胞はすぐ反応するのですけれど。

 ウィーンフィルの演奏は、最初は少しテンポを遅めにソヒエフが誘導したのでしょうか?最初に印象が強かったのは第2楽章の、コンマスとOb.(top)とFl.(top)との掛け合い演奏でした。コンマスの音は前半の時と同じく鋭いいい音を立て、Ob.は何処の管弦楽団でも名手ぞろいですが、ウィーンフィルも流石と思わせるOb.奏者、又Fl.奏者も良く鳴る管を安定的に響かせていました。パユの様な華やかさは感じませんでしたが。ウィーンフィルのコンマスは以前はキュッヒルさんでしたが、今日のコンマスは何と言う方なのでしょう?演奏後もソヒエフは真っ先に駆け寄り讃えていました。日本の最近のコンマスは、指揮者と同じ様に楽団員に少し遅れて登壇するのが通例となっていますが、今回のウィーンフィルのコンマスは、Vn.団員を引き連れて真っ先に登場しました。そして音合わせ、この方式の方が自分としては好感が持てます。

 各楽章共いい処ずくめのブラ1番ですが、時間の関係上、一つだけ強調するとしたら、やはり4楽章のpizzicato奏の後のHrn.を初めとする管と次第に盛り上がる弦楽奏の後、Hrn.のソロテーマ奏に引き続くFl.のこの曲の中で唯一のソロ旋律奏、Trmb.とHrn.の後追い奏、そして続くはガラッと曲風が変わり、弦楽アンサンブルの滔々とした流れに至るこの辺りが小気味がいいし、清々した気が晴れる様な気分となれる大好きな箇所です。ウィーンフィルの弦楽の流れは、ブラームス時代のウィーン川の様に(水量)豊かに(現在で言えばドナウベント辺の豊富な流れの様に)雄大に速度をやや速めに演奏するのでした。

曲終盤の最後の大詰めの大炎上は素晴らしい迫力の一言、言わずもがなですけれど。

 ①R.シュトラウスの場合と違って、演奏終了してすぐにタクトを降ろしたソヒエフとウィーンフイルに対してすかさず大観衆(ほとんど満席)から大きな拍手と歓声が飛び交いました。その後奏者の労い挨拶、何回かの袖との往復の後ソヒエフは、指揮台に飛び乗るなりアンコール演奏を指揮し始めました。