HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

日本演奏連盟創立60周年記念公演「日本音楽遺産」東京公演

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【日時】2025.7.12.(土)16:00〜

【会場】東京文化会館小ホール

【指揮】水戸博之

【出演者】

ヴァイオリン:澤和樹、大谷康子他

クラリネット:武田忠善他

ピアノ: 野平一郎、高橋アキ他

ヴィオラ:田原綾子他

歌:山下由香(Mezzo)、中村真紀他

【Profile】

〇水戸博之(指揮者)

出身: 1988年北海道
学歴: 東京音楽大学音楽学部作曲指揮専攻(指揮)卒業、同大学院音楽研究科(修士課程)作曲指揮専攻指揮研究領域卒業
オーケストラトリプティーク常任指揮者

東京混声合唱団コンダクター・イン・レジデンス

白河市コミネス交響楽団音楽監督

NHK交響楽団パーヴォ・ヤルヴィ氏のアシスタント (2016年度)

国内プロオーケストラとの共演多数

東京混声合唱団、新国立劇場合唱団の合唱指揮者

新国立劇場、日生劇場、藤原歌劇団のオペラ公演で副指揮者

 

〇澤 和樹(ヴァイオリニスト)

和歌山市出身。ヴァイオリンを印野揚造、東儀祐二、吉永清子、鷲見三郎、兎束龍夫に師事。1969年、和歌山市立西和中学校3年生の15歳の時、第23回全日本学生音楽コンクール全国大会中学生の部で第1位を受賞した。1970年、和歌山県立桐蔭高等学校に進んだ。

芸大時代
1973年、東京芸術大学音楽学部に入学、海野義雄に師事した。1974年、第43回日本音楽コンクールで第3位を受賞、1975年、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートマスターに就任、1977年、東京文化会館でデビューリサイタルを開いた。同年、東京芸術大学大学院に入学し、ロン=ティボー国際コンクールで第4位、ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで第6位をそれぞれ受賞した。1978年、ボルドー音楽祭で金メダルを受賞した。1979年、同大学院を修了、安宅賞を受賞した。

ロンドン留学
1980年、内定していたNHK交響楽団コンサートマスターの就任を辞して、文化庁芸術家在外研究員としてロンドンへ留学し、王立音楽大学でジェルジ・パウク、ベラ・カトーナに師事した。同年、蓼沼恵美子と結婚し、ロンドン留学も一緒だった。1983年にブリティッシュカウンシル奨学金を獲得し、ロンドン滞在を延長。同年、ミュンヘン国際音楽コンクール・ヴァイオリンとピアノのデュオ部門で夫人と第3位を受賞した。

ソリスト
1984年4月に帰国し、東京芸術大学音楽学部器楽科専任講師に就任するとともに、ソリスト、室内楽奏者として本格的な演奏活動を始めた。1985年4月、同助教授に昇任した。1989年、再度文部省在外研究員として英国王立音楽院に派遣された。

東京弦楽合奏団を主宰。2005年に東京芸術大学教授に昇任。英国王立音楽院名誉会員。紀尾井シンフォニエッタ東京リーダー(2010年4月をもって退任)。響ホール室内合奏団ミュージックアドヴァイザー。千里フィルハーモニア大阪常任指揮者。フォーバルスカラシップ・ストラディヴァリウス・コンクール審査委員。2016年4月より東京芸術大学学長(音楽分野からは第3代の福井直俊以来)。東京藝術大学学長を退き、2022年東京藝術大学名誉教授の称号を受ける。

2020年、文部科学省文化審議会委員に選出。同審議会文化功労者選考分科会副委員長として、義弟の蓼沼宏一分科会委員長の下、東京芸大に多額の寄付を行った滝久雄の文化功労者顕彰の実現に携わった。

 

〇大谷康子(ヴァイオリニスと)

ルーツは高知県で、宮城県仙台市生まれ。愛知県名古屋市で育つ。東京芸術大学音楽学部卒業、大学院音楽研究科修士課程修了、博士課程単位取得満期退学。

全日本学生音楽コンクール第1位。シェリング来日記念コンクール第2位。

ソロ活動を在学中よりはじめる。ウィーン、ローマ、ケルン、ベルリンなどでのリサイタルを行い、病院や施設でボランティア活動の一環として演奏活動をしている。

1981年: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 コンサートマスター、後に首席コンサートマスター。
1995年: 東京交響楽団コンサートマスター、後にソロ・コンサートマスターに就任。
2009年: トロント音楽祭に出演。
2010年: 文化庁「芸術祭大賞」受賞。
2011年: 国際文化会館にて東日本大震災への国際救援に対する感謝のコンサート「“ありがとう”を音楽に乗せて」を企画・演奏。被災地に演奏を届ける活動も行なっている。
2013年: ザルツブルク市ミラベル宮殿マーブルホールでリサイタル。
2014年秋: シュトゥットガルト室内管弦楽団との日本ツアーを行う。
2015年5月: デビュー40周年を記念し、1公演で4曲のコンチェルトを演奏する。
2015年秋: デビュー40周年を記念し、東京・大阪他でリサイタルを開催。
2015年12月: キエフ国立フィルと共演。日本ツアーのソリストを務める。
2016年: 東京交響楽団名誉コンサートマスターの称号を授かる。
2016年12月: 10年プロジェクト「大谷康子のヴァイオリン賛歌」第1回〈尊敬〉公演を開催。(ハクジュホール)
2017年5月: ”キエフの春音楽祭”オープニングコンサートに出演。
2017年6-7月: モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮: ユーリ・シモノフ)と日本ツアーを行う。
2017年11月: 10年プロジェクト「大谷康子のヴァイオリン賛歌」第2回〈敬愛〉公演を開催。(ハクジュホール)
2017年12月: キエフ国立フィルと再演。
2018年9月: キエフ国立コンサートホール 創立155周年に招かれ 演奏予定。(ウクライナ)
2018年11月: 10年プロジェクト「大谷康子のヴァイオリン賛歌」第3回〈愛〉公演を開催。(ハクジュホール)

社会活動 · 学生時代より、学校訪問演奏、福祉施設訪問演奏などの社会活動を行っている。 · 東京音楽大学教授 · 東京芸術大学教授 · 東京芸術大学附属音楽高校講師 の経歴有り。川崎市市民 

 

〇武田忠善(クラリネット奏者)

   1975年に国立音楽大学を卒業。浜中浩一の勧めによりジャック・ランスロに師事することとなる。

    同年9月、フランス国立ルーアン音楽院に留学。1977年に一等賞にて卒業する。その後複数のコンクールにて優秀な成績を残す。帰国後は自らの演奏活動に加え後進の指導にあたる。

    2004年、2006年、2009年にはパリ国立高等音楽院から招待され、同音楽院にて東洋人クラリネット奏者として初めてマスタークラス講師を務めた。

    2011年、シカゴ・ミッドウェスト国際バンド・オーケストラ・クリニックに講師として招待される。

    2015年〜2019年12月、国立音楽大学学長、同大学特任教授、および株式会社 ビュッフェ・クランポン・ジャパン専属講師を務める。

1977年 パリ・ベラン音楽コンクール第一位。
1978年 第47回日本音楽コンクール第一位。
1979年 第35回ジュネーヴ国際音楽コンクール銅メダル(日本人初の入賞)

 

〇野平一郎(ピアニスト、作曲家)

    東京生まれ。東京芸術大学附属音楽高等学校を経て、東京芸術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修了。渡仏し、アンサンブル・イティネレールのピアニストを務め、パリ国立高等音楽院を卒業。間宮芳生、永冨正之、アンリエット・ピュイグ=ロジェ、ベッツィー・ジョラス、セルジュ・ニグ、ミシェル・フィリッポ(英語版)他に師事。東京芸術大学音楽学部教授(2021年3月定年退職)を経て、現在同大名誉教授。東京音楽大学教授(2023年4月学長就任)、静岡音楽館AOI音楽監督、東京文化会館音楽監督、日本フォーレ協会会長、日本ベートーヴェンクライス代表、オーケストラ・ニッポニカミュージック・アドヴァイザーを務め、作曲家・演奏家として精力的に活動している。作品はアンリ・ルモワンヌ社他から発売されている。妻は、作曲家・音楽評論家の野平多美。

 

〇高橋 アキ(ピアニスト)

    神奈川県鎌倉市生まれ。父は季刊誌『音楽研究』の編集長を務めた音楽評論家高橋均、母はピアニスト蔭山英子。5歳より母にピアノを習う。東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校から東京芸術大学卒業および同大学院修了。大学院ではゲオルク・ヴァシャヘーリに師事。大学院在学中の1968年に、日独現代音楽祭でデビュー。武満徹の《ピアニストのためのコロナ》と篠原真《タンダンス》を演奏する。1970年に初リサイタルを開く。1972年に渡欧し、ベルリン芸術週間、パリ秋の芸術祭などでリサイタルを開き、現代音楽の演奏グループ「サウンド・スペース=アーク」を結成する。以降、各国の作曲家たちから作品の献呈を受け初演する。1974年日生劇場においてクセナキスの『エオンタ』を尾高忠明指揮で演奏する。

    1975年には、エリック・サティ没後50年を記念し『エリック・サティ連続演奏会』を配偶者である秋山邦晴と企画し、渋谷ジァン・ジァンで開催。「サティ・ピアノ全集」を校訂し、「サティ・ピアノ音楽全集」をリリースする。1977年にはボンにおいて開催された『ベートーヴェン150年祭』ポリーニ、クレーメル、ジュリアード弦楽四重奏団らとともに招かれ、ベートーヴェンとメシアンを演奏した。1980年代に入りモートン・フェルドマンに長いピアノ曲の作曲を依頼し、翌年『トライアディック・メモリーズ』が出来上がる。以後1987年の作曲家逝去まで7年間ともに音楽活動を行う。1983年から「高橋アキ"新しい耳"シリーズ」を企画・演奏し、横浜市教育文化ホール(第11回まで)と神奈川県立音楽堂(第12回以降)で1997年まで開催された。

    1984年、カリフォルニア芸術大学の客員教授。2002年にコソボ自治州における初の現代音楽祭に招聘され、2006年にベルリンのメルツムジークに招聘される。ニューヨークでモートン・フェルドマン作品のリサイタルを行い、ニューヨーク・タイムズで2006年のベスト・コンサートの一つに選ばれる。

    現代音楽の演奏には作家の志向に伴い過酷な要求が付きまとうが、高橋はデビュー当初から忠実に律動性を強調し、西村朗や姜碩煕の名人芸を伴うピアノ協奏曲も難なく演奏している。一柳慧の《ピアノ・メディア》の演奏も、その演奏の正確さが指摘される。

    また、ビートルズナンバーを、ジョン・ケージ、フレデリック・ジェフスキー、武満徹、坂本龍一などの現代音楽家が換骨奪胎したユニークなアルバム「ハイパー・ミュージック・フロム・レノン&マッカトニー」シリーズも、よく知られている。

 

〇田原綾子(ビオラ奏者)

    桐朋学園大学音楽学部卒業、同大学院大学修了。パリ・エコールノルマル音楽院とデトモルト音楽大学を首席で修了。これまでに藤原浜雄、岡田伸夫、ブルーノ・パスキエ、ファイト・ヘルテンシュタインらに師事。
    第11回東京音楽コンクール第1位、第9回ルーマニア国際音楽コンクール優勝、第23回ホテルオークラ音楽賞ほか受賞多数。ソリストとして読売日本交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団等と共演。室内楽奏者としても国内外の著名なアーティストと多数共演、現代音楽にも意欲的に取り組んでおり、新作委嘱、初演も数多く行っている。
    2015年度宗次エンジェル基金奨学生、15、16年度ローム ミュージックファンデーション奨学生、第47回江副記念財団奨学生。19年度明治安田クオリティオブライフ文化財団海外音楽研修生。
TOPPANホールには、〈ランチタイムコンサート〉や〈トッパンホール23周年 バースデーコンサート〉など数多く出演。

 

(hukkats注)当初発表された主な出演者の他に、当日発表された追加出演者が多数おりました。それら総ての演奏者は、以下【演奏の模様】の欄の各曲冒頭に記載しました。上記【Profile】については、当初発表の主たる出演者に限りました。

     また曲目と演奏順も当初発表から一部変更・追加がありましたが、最終的なプログラムの通りに記します。


【曲目】
①ヴィヴァルディディ:合奏協奏曲(四季)から〈春〉

(曲について)

ヴィヴァルディの「四季」から「春」は、春の訪れを音楽で表現した合奏協奏曲です。3つの楽章で構成され、それぞれにソネット(詩)が添えられています。小鳥のさえずり、泉のせせらぎ、雷雨、そして妖精たちが踊る様子などが描かれています。 
「春」は、ヴィヴァルディの最も有名な作品の一つで、バロック音楽の傑作として世界中で愛されています。春の喜びと活気を見事に表現しており、クラシック音楽の中でも特に人気のある曲です。 

第1楽章 (Allegro):
春の訪れを告げる小鳥たちのさえずり、泉のせせらぎ、そして雷雨が表現されています。
第2楽章 (Largo):
牧草地の葉がそよ風になびく様子や、眠る羊飼い、番犬などが描かれています。
第3楽章 (Danza pastorale):
バグパイプの音色に合わせて、ニンフと羊飼いが踊る様子が描かれています。

 

②シェーンベルク:『グレの歌』より 第1部 「山鳩の歌」(室内楽版)

(曲について)

『グレの歌』(ドイツ語: Gurre-Lieder )は、アルノルト・シェーンベルクの初期を代表する大作。シェーンベルク自身はカンタータとも世俗オラトリオとも分類していないが、規模や1ぶからすると、所作を伴わないオペラと見ることもできる。5人の独唱者、ナレーター、合唱と管弦楽のための作品。歌詞は、デンマークの作家イェンス・ペーター・ヤコブセンの未完の小説『サボテンの花開く』(En Cactus springer ud)の中の詩をローベルト・フランツ・アルノルトがドイツ語に翻訳したものに基づいており、一部シェーンベルクが訳詞に手を入れている。

    全3部構成1時間50分の大曲で、第1部11曲の最終曲が「山鳩の歌」。

    ヴァルデマール王とトーヴェの恋の歌が交互に歌われ、トーヴェの死(嫉妬した王妃により毒殺される)を暗示する間奏曲のあと、悲劇を伝える山鳩の悲しげな歌で終わる。

 

③ストラヴィンスキー:『兵士の物語』(室内楽組曲版)

(曲について) 

ストラヴィンスキーの「兵士の物語」は、第一次世界大戦直後の1918年に作曲された音楽劇です。7人編成の小オーケストラと、語り手、兵士、悪魔の3人の登場人物で構成されます。フランス語の台本は、スイスの文筆家ラミュが執筆しました。この作品は、「読まれ、演じられ、踊られる」と副題がつけられており、様々な上演形態で親しまれています。通常は、ヴァイオリン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、コルネット(トランペット)、トロンボーン、打楽器という七重奏編成ですが、今回の様にヴァイオリン、クラリネット、ピアノの三重奏で演奏されることが多く、演奏時間が短縮され、それでも音楽的なエッセンスが凝縮されています。

 

④ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ Op.147より 第1楽章

(曲について)

    死の直前に作曲されたこともあり、特に暗い雰囲気を持つ曲である。のみならず、他の曲から音形を引用するなど、より謎めいた雰囲気も持っている。

作曲者の亡くなる4日前である1975年8月5日に最終校訂を完了した。ただし、全曲はそれより2か月ほど前に完成し、初演者のドルジーニンとミハイル・ムンチャンは初演に向けて練習を始めていた。作曲者はドルジーニンに「この作品は晴れ晴れとしたもので、第1楽章は短編小説。第2楽章はスケルツォ、第3楽章はベートーヴェン追悼のオマージュとなるが、あまり惑わされないようにしてくれ。」と前もって電話で内容と構成について話していた。

    初演は作曲者の没後約2か月を経て1975年10月1日、レニングラードのグリンカ・ホールにて、フョードル・ドルジーニンのヴィオラ、ミハイル・ムンチャンのピアノにより行われた。ドルジーニンはその時の模様を以下のように述べている。「催眠術のような強い作用を聴衆に及ぼした。ホールで唯一の空席であるドミトリー・ドミトリエノヴィッチの席には花束が置かれ、そこから遠くない場所に、ムラヴィンスキーが座っていた。…ムラヴィンスキーはまるで子供のように、止めどなく涙を流していたが、ソナタが終わりに近づくにつれて、文字どおり慟哭に身を震わせていた。…「舞台の上と聴衆の心の中で生じたことは、音楽の範疇を超えていた。われわれが演奏を終えたとき、私は、ソナタの楽譜を頭上に高く掲げた。聴衆の喝采を残らずその作曲者に捧げるために。」

 

⑤武満徹:混声合唱のための『うた I』より 「うたうだけ」

(曲について)

    混声合唱のための『うた』(英: Songs for mixed chorus )は、武満徹が作・編曲した12曲(〈うたⅠ〉6曲+〈うたⅡ〉6曲)からなる合唱曲集。すべて無伴奏で、ソプラノ・アルト・テノール・バスがそれぞれ2パートに分かれる混声8部合唱によって歌われる。 映画やラジオ、舞台など、異なる機会のために作られた曲を作曲者自身が合唱曲に編曲したもので、作曲時期も、12曲中8曲が1950-60年代、3曲が1980年代(残り1曲は日本古謡)とさまざまである。合唱への編曲は主に1980年代に行われ、11曲が東京混声合唱団、1曲が晋友会合唱団の委嘱による。

〈うたI〉
1.小さな空(作詞:武満徹) Small Sky
2.うたうだけ(作詞:谷川俊太郎) I Just Sing
3.小さな部屋で(作詞:川路明) In a Small Room
4.恋のかくれんぼ(作詞:谷川俊太郎) The Game of Love
5.見えないこども(作詞:谷川俊太郎) Unseen Child
6.明日ハ晴レカナ、曇リカナ(作詞:武満徹) Will Tomorrow, I Wonder, Be Cloudly or Clear?


〈うたII〉
1さくら(日本古謡) Cherry Blossoms
2翼(作詞:武満徹) Wings
3.島へ(作詞:井沢満) To the Island  
4.○と△の歌(作詞:武満徹) A Song of ○'s (Circles) and △'s(Triangles)
5.さようなら(作詞:秋山晴) Sayonara 
6死んだ男の残したものは(作詞:谷川俊太郎) All That the man Left Behind When He Died

 

「うたうだけ」は、〈うた1〉の第二曲。


 

⑥サティ:『3つのジムノペディ』より 第1番 〈

ジュ・トゥ・ヴ〉

(曲について)

    3/4拍子のゆったりとしたテンポ、装飾を排した簡素な曲調、独特の愁いを帯びた旋律が特徴として挙げられ、特に第1番がサティの代表的な作品として、タイトルとともに知られるようになりました。『ジムノペディ』という名称は、大勢の青少年が古代ギリシアのアポロンやバッカスなどの神々をたたえる祭典「ギュムノパイディア(英語版)」に依る。

    あまり表舞台に出たがらないサティのために、友人であったクロード・ドビュッシーによって1897年に、ピアノ曲からより大きな規模による演奏形態である管弦楽曲に編曲された(第1番と第3番)。「なぜ第2番を編曲しなかったのか?」という問いに、ドビュッシーは「第2番まで編曲して聞かせるには少し退屈だから」と答えたという。


 ⑦ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』より 「愛の死」

(曲について)

イゾルデの《愛の死》
    イゾルデが「穏やかに、静かに、彼が微笑み、目を優しく開けているのが、あなた方には見えないのですか?」と歌い始める。内容的には、イタリアで当時頂点を極めていたベルカント・オペラに於ける“狂乱の場”に通じるのだが、ワーグナーはコロラトゥーラ的な技巧の見せ場にはせず、長大なうねりと母性的な光りの中に、包みこもうとする。

    そのためイゾルデの歌唱以上にオケ・パートが雄弁に書かれているので、今回のような歌抜きの《愛の死》も一般化しているのだが、歌の抜けた空白の大きさを実感させられる。この空白を埋めるため、例えば、歌唱パートを、部分的に木管や弦で補充することもあります。

    イゾルデの絶唱は、⑨aを波のように繰り返しながら第Ⅱ幕の愛の二重唱を再現していきます。

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今度はメロートに踏み込まれる修羅場で遮られることもなく、拡大型⑨bの法悦に到達。最後はオーボエが嬰ニに達したところで、第3音を保持しながらロ長調の和音の中に結ばれる。

 

 

⑧ハイドン:交響曲第85番 変ロ長調 Hob.I:85「王妃」

(曲について)

    1785年頃に作曲した交響曲。全6曲からなる『パリ交響曲』の4曲目(作曲順では2番目)であり、『王妃』(仏: La Reine)の愛称で知られる。交響曲第85番の愛称の由来となったのはマリー・アントワネットの肖像画だと言われます。

 

 

【演奏の模様】

 演奏開始前に堤剛氏と長木誠司氏によるプレトークがありました。長木氏が、1950年代半ばから1970年代前半にかけての日本の高度経済成長期から、日本の音楽の幅が広がり、それまで見向きされなかったヴィヴァルディ等バロック音楽も演奏の遡上に登り始めたこと、今回の演奏会は、第一部バロックと現代の両立、第ニ部20世紀大家、第三部サティ、マーラー、ワーグナー  ブームに大別したことを説明、堤さんは、若い時、欧州でなく米国に留学する様、師から言われて、意外な気もしたが、良く考えれば、その頃から米国は、世界を牽引する様になってきていて、音楽部門の興隆も目を見張るものがあり、音楽だけでなくその他の得難い多くのことを学べたことは、とても良かったと今となっては斉藤秀雄先生に感謝しているといった趣旨のこと等を語っていました。

 

◉第1部 バロックと現代の両立 (1960年代)

①ヴィヴァルディ/合奏協奏曲《四季》~(春)

鈴木舞(ヴァイオリン)、澤和樹(コンサートマスター)

ヴァイオリン  矢部咲紀子、篠山朝子、下水流杏佳

ヴィオラ  高梨瑞紀、西村眞紀

チェロ  西谷牧人、神倉辰侑

コントラバス  北村一平

 

-第1楽章ー

Giunt’ è la Primavera e festosetti
La salutan gl’ Augei con lieto canto,
E i fonti allo Spirar de’ zeffiretti
Con dolce mormorio Scorrono intanto:
Vengon’ coprendo l’ aer di nero amanto
E Lampi, e tuoni ad annuntiarla eletti
Indi tacendo questi, gl’ Augelletti;
Tornan’ di nuovo al lor canoro incanto:

ー第2楽章ー

E quindi sul fiorito ameno prato
Al caro mormorio di fronde e piante
Dorme ‘l Caprar col fido can’ à lato.

ー第3楽章ー

Di pastoral Zampogna al suon festante
Danzan Ninfe e Pastor nel tetto amato
Di primavera all’ apparir brillante.

〔要約〕

春の訪れ。小鳥は歌い、そよ風が吹く。
春の嵐がやってくるが、嵐が静まると再び小鳥が歌い出す。
牧場では花が咲き、木々の葉の音がする。羊飼いは眠る。
陽気な調べに合わせ、妖精と羊飼いが春の空の下で踊る。

 四季の中でも一番人気の一番有名な曲を新たに冒頭演奏に追加した様です。これは、長木氏の分類が加わった関係だと思います。ソリステに近い役割の鈴木さんは、(熟成してはいないが)若々しい音色で、各所修飾音を多用し、華麗に引き切りました。指揮の澤氏と小編成の管弦楽楽奏者は、意志の疎通もスムーズに、鈴木さんをバックアップ奏又は対等重奏し、恐らく、孤児達を集めて合奏していた可能性がある、ヴィヴァルディの演奏を彷彿とさせるものでした。

 

②シェーンベルク/《グレの歌〉~〈山鳩の歌〉

山下裕賀(メゾソプラノ)、澤和樹(指揮)

ヴァイオリン 上菌綾奈、栗原壱成

ヴィオラ 石田紗樹

チェロ 海野幹雄

コントラバス 北村一平

フルート 渡辺泰

オーボエ 青山聖樹、篠崎隆

クラリネット 四戸世紀、永和田芽衣子*、野村友輝

ファゴット 荒井涼*、坪井隆明*

ホルン 日高剛、藤田麻理絵

ピアノ 白石准*

ハルモニウム 新山恵理*

     Mezzoの山下さんは、最近とみに歌劇やリサイタルなどで大活躍との評判は、耳にしていましたが、その演奏会には、都合が悪く行けないままになっていました。今回初めて聴きました。山下さんは、強さと声量のある声で発音も明確に、総じて立派な歌いぶりでしたが、小ホールでは、声が発散されず、大ホールの方がもっと聞こえ映えするのかも知れません。最後の絶叫声は迫力ありました。ただ、山鳩のクークーと地味に鳴く悲しみを十分表現出来たかは、やや?が残りました。

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◉第2部 20世紀大家(1970年代)

③ストラヴィンスキー:『兵士の物語』(室内楽組曲版)

大谷康子(Vn.)武田忠善(Cl.)野平一郎(Pf.)

 

 本来は、音楽劇の付随曲なので長大な物語性を有していますが、この三重奏では、物語の要素が排され、音楽的な魅力を前面に押し出した編曲なので、演奏を聴いただけでも、その物語の雰囲気を感じとれるものでした。

  特に大谷さんの殆どは荒々しい音で、強奏あり、弱奏あり、重音奏あり、の相当な技術を要すると思われる5楽章(5曲)の長時間演奏を何なく弾き終えたタフネスさには、脱帽でした。武田さん野平さんも、大谷さんに遜色ない百戦錬磨の演奏で対峙していたのは、流石だと思いました。ただ曲としては、自分の好みにあったものでは、有りませんでした。
演奏時間:全曲版の半分程度に短縮。
構成:通常、全5曲から構成

 

④ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタ Op.147より 第1楽章

田原綾子(Va.)實川  風(Pf.)

    もうこの曲は、聞いていて本当に息苦しくなる様な、悲痛なショスタコの叫びが聞こえる様な気がして、居た堪れない気分でした。そうした表現を見事に演じきった、両奏者の演奏が光ります。

 

⑤武満徹:混声合唱のための『うた I』より 〈うたうだけ〉

水戸博之(指揮)、石野真穂(Pf.)

日本演奏連盟による混合合唱

ソプラノ

大音絵莉 、 中村昌枝、畠山和子、宮本泰江、森田留美、好田真里、和田友子

アルト

宇高陽子、小林礼奈、島崎結衣、高橋順子、前田祐佳

テノール

秋島光一、千葉弘樹、土崎 穣、山崎英明

バス

追分 基、多田康芳、黒田 彰、小林潤一

 

作詞(谷川俊太郎)

1. むずかしいことばは
  いらないの
  かなしいときには
  うたうだけ
  うたうと、うたうと、うたうと
  かなしみはふくれる
  ふうせんのように
  それが わたしの よろこび

2. なぐさめのことばは
  いらないの
  かなしいときには
  うたうだけ
  うたうと、うたうと、うたうと
  かなしみはふくれる
  ふうせんのように
  それが わたしの よろこび

    配布されたプログラムの出演者Profileを拝見すると皆さん立派な経歴を有し、第一線で活躍してきたプロの歌い手さんですが、合唱を聞くと、果たしてどのくらい練習されたのか甚だ疑問に思いました。全然ハモっていません。上記(曲について)の記載の通り、すべて無伴奏で、ソプラノ・アルト・テノール・バスがそれぞれ2パートに分かれる混声8部合唱だと思われますが、各パートのフーガ的変遷でも、男声女声単独のパッセッジでも、各パートの歌声の束と束の融合が心地良く感じられませんでした。

 特に今回は、アカペラですから、そうした融合が、如実にあらわになります。一人一人が幾ら力量があっても、合唱を歌う場合は、相当期間合わせないと、各味の元となる具材が、うまくとろけてバランスのとれた美味しい味の料理にはならない様なものだと思います。年間を通しNNTT合唱団や二期会合唱団、その他の歌を聴く機会はた多いですが、今回の様な印象を持つことは有りませんでした。演奏が終わると会場からは、大きな拍手と歓声が上がりましたので、自分の耳が、どうかしたのかな?と自信が持てなくなりましたが。

    それにしては、作詞した谷川さんは、やはり天才詩人ですね。

「悲しいときには歌うだけ、歌うと、悲しみは膨れる」即ち字面だけだと、「悲しみも膨らむ」のかと思ってしまいます。しかし、最後には、「それが私の喜び」と言うのですから、そのギャップは何なのだろうと頭を捻ってしまいます。これは自分流の解釈では、この二つのフレーズ間にある、「風船の様に」という言葉がキーワードだと思われるのです。風船は、一見どこまでも膨らむ様に思われますが、ある処に来るとついには、破裂してしまうでしょう。破裂すれば、中に積もり積もった悲しみも霧散消滅してしまうでしょう。そうすれば、目出度し目出度し、「私の喜び」に変わるのです。谷川さんは、総て言葉で表現しないで、簡潔に三段論法で、原因と結果を将に詩的に結びつけたのだと推論させる程、非才な詩人なのだと思いました。

    続いては、三善晃編曲『唱歌の四季』の歌でした。これは、「春」「初夏」「夏」「秋」「冬」「そして春」の6つのテーマに沿って、馴染み深い唱歌や童謡、わらべ歌の集合から抜粋で演奏されたもので、こちらも各声部の混声で表現していたものの馴染みやすい「春はきた」とか「夏」とか「夕焼け小焼け」などの誰でも知っている、歌だったので、合唱の溶け具合など意識せずに、素直に楽しめるたのが良かったと思います。

 

ここで《20分》の休憩です。

 

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◉第三部サティ、マーラー、ワーグナー等のブーム(1980年代)

 

⑥サティ:『3つのジムノペディ』より 第1番 〈ジュ・トゥ・ヴ=Je te veux=I want you〉

高橋アキ(Pf.)

 

〈Profile〉を拝見すると、この分野では、第1人者だと分かるのですが、申し訳ないですが、全然知りませんでした。家の上さんに「知っている?」と訊いたら、「非常に有名」との事でした。(そう言う上さんも、かの有名な澤さんを、知らないと言っていたから、お相子様です)

  ピアノ演奏は、それこそ何千回も弾いたのでは?と思わるこの有名な曲を高橋さんは、手練れた指使いで弾いていましたが、自分としては、もう少しパリの雰囲気が、端々に感じられればいいのに、と思ったのはお門違いだったかも知れません。

 

 

⑦ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』より 「愛の死」

中村真紀(Sop.)石野真穂(Pf.)


 「前奏曲」とともに頻繁に演奏会で取り上げられる「愛の死」(Liebestod)です、楽劇では最終幕(第3幕)の最終場面で歌われます。イゾルデ役の最大の聞かせどころと言っても過言ではありません。古今東西、名だたる名ソプラノが、歌いその録音は、現代でも色褪せしません。ティバルディ、カラス等々素晴らしい歌唱です。

 最近では、昨年の春祭でヤノフスキー指揮N響の演奏会形式で、ビルギッテ・クリステンセンが歌う実演を聴きました。

  今回の演奏会では、中村真紀さんというソプラノ歌手が歌いました。当初は、歌手名が書かれていなかったのて、上記(曲について)記載の様に、歌抜きの管弦楽演奏かと思いましたが、やはり歌手抜きでは、十分でないということで、中村さんに白羽の矢が立ったのでしょう、多分。中村さんは初めて聴きます。〈Profile〉を拝見すると、東京音大出で、NNTTオペラ研修所を経て、ハンガリーで学んだソプラノの様です。結論を急ぎますと、スタートから快調に飛ばし、声量もあり、強さも備えた声質を余す所なく発揮して、安定的にワーグナーのこの有名歌を歌い切りました。会場もこの日最大級の拍手喝采が、起こりました。自分としても手が痛くなる位叩いていました。なかなか力のあるソプラノで、(こうした分類は無いですが)「へルデンソプラノ」と呼びたくなる程のワーグナーの楽劇に相応しいソプラノでは?と思いました。機会があれば、じっくり聞いていてみたいですね。

 

最後は、ハイドンです。

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◉第4部 80年代から続く中規模ホール・ブーム (1980年代以降)

⑧ハイドン/交響曲第85番変ロ長調「王妃」Hob.I:85

 

日本演奏連盟会員による特別編成オーケストラ

澤和樹(指揮)

 

ヴァイオリン

上菌綾奈、栗原壱成、小平怜奈、篠山朝子、 下水流杏佳、鈴木舞、矢野凜太郎、

矢部咲紀子

 

ヴィオラ

石田紗樹、高梨瑞紀、田原綾子、西村眞紀

 

チェロ

海野幹雄、神倉辰侑、西谷牧人

コントラバス  北村一平

 

フルート  渡辺泰

オーボエ  青山聖樹、篠崎隆

ファゴット  荒井涼*、坪井隆明*

ホルン  日高剛、藤田麻理絵

 

全四楽章構成

 

 小編成ですが、 アンサンブルは良く合っていて、十分聴き応えのある演奏でした。特にOb.の音が目立って良い音でした。

 第二楽章では、Vn.アンサンブルの弱奏による短調の調べがいいと思いました。しかし、その後、微睡こしい程の長大な旋律が繰り返し出てきて、飽きが来るのでは?と思われる節もありました。

    続く第3、 第4楽章とも順調に推移し、無事演奏会はお開きになりました。当初の予想では、14時開演〜16時終演かと思っていましたが、開けてみたプログラムではかなりの増量があったためか、終演は、16時半は過ぎていました。最後残っていた既演奏者もゾロゾロと舞台に登場、会場は大きな拍手に包まれて演奏者、観客とを含めて大団円で終了したのでした。


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