HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

RSオーケストラ『特別演奏会2024』

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【日時】2024.7.7.(日)14:00 ~

【会場】ミューザ川崎シンフォニーホール

【管弦楽】RSオーケストラ

【指揮】野村洸太朗

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    (Profile)

 群馬県太田市出身。東京音楽大学作曲指揮専攻(指揮)を経て、東京藝術大学音楽学部指揮科を卒業し、同大学院音楽研究科指揮専攻修士課程を修了。指揮を小田野宏之、加納明洋、広上淳一、三河正典、時任康文、高関健、山下一史の各氏に師事。これまでに尾高忠明、ジョルト・ナジ、ラースロー・ティハニ各氏のマスタークラスを受講。2019年度公益財団法人明治安田クオリティオブライフ文化財団音楽学生奨学生。東京藝術大学内にて2020年度「宮田亮平奨学金」、及び安宅賞を受賞。また卒業時にアカンサス音楽賞、台東区長賞を受賞。修了時に大学院アカンサス音楽賞を受賞。

 

【曲目】

①エルガー『交響曲第2番 変ホ長調 作品63』

(曲について)

交響曲第2番は、エドワード・エルガーが1910年から1911年にかけて作曲した交響曲。第3番は未完に終わったため、完成した交響曲としては最後のものとなった。イギリス国王エドワード7世に献呈されることになっていたが、王が1910年5月6日に崩御したため、「亡き国王エドワード7世陛下の追悼に」捧げられた (Dedicated to the memory of His late Majesty King Edward VII.)。着想は部分的に1903年にさかのぼり、曲自体は追悼よりはエドワード朝(1901年1月22日-1910年5月6日)の叙事詩、回顧といった性格が強いものである。


②R.シュトラウス『ツァラトゥストラはかく語りき』

(曲について)

リヒャルト・シュトラウスが1896年に作曲した交響詩。

1896年11月27日、フランクフルトで、作曲者指揮の第4回ムゼウム協会コンサートにて初演された。

初演時から賛否両論に分かれ、評論家エドゥアルト・ハンスリックや作曲家フーゴー・ヴォルフは非難し、作家ロマン・ロランや指揮者アルトゥル・ニキシュは好意的であった。

日本初演は1934年10月30日、奏楽堂にてクラウス・プリングスハイム指揮、東京音楽学校の管弦楽団によって行われた。この時、『アルプス交響曲』も日本で初めて演奏されている。

 

 

【演奏の模様】

①エルガー『交響曲第2番』

(曲について)にある様に、この曲はエルガーの交響曲一番に続く最後の交響曲となりました。しかもかなり因縁染みた背景が有って書かれた曲の様です(下記参考を参照)。赤線部「オフィーリア」の絵は非常に有名なので、誰でも一度は目にしているかも知れません。

この絵については、その細部、背景、物語などに関しては何十ページも解説出来るほど含蓄のある絵なのです。

 尚このオーケストラの演奏は、2022年8月に聴きに行ったことがあるので、その時の記録を文末に再掲しました。

 さて演奏の方は、

楽器編成:基本三管編成、ピッコロ1持替え、バス・クラリネット、コーラングレ、CntーFg.Hrn.4 Tub.Timp.大太鼓、シンバル、小太鼓、Hp.2 Organ. 弦楽五部14型( 14-14-10 -10-7)かなりの編成です。

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楽曲構成:全四楽章構成 

第1楽章Allegro Vivacce e nobilmente 

第2楽章Largetto

第3楽章Rondo prest schertzo

第4楽章Moderato e maestoso

このオーケストラは前回(一昨年)同様若者奏者が殆どでしたが、男性奏者が随分増えたと思われました。皆さん演奏を職業とするプロ集団ではなく、何らかの正業を持ち、中には学生さんも含まれ、可能な限り集合して練習に励んでいる様です。一時間近いエルガーの大曲を選曲した意欲は大したものです。

 ただこの曲かなり難しく、どうしても管楽器群のアンサンブルが雑に感じられるところが多くて、弦楽部隊との相性も、特に立ち上がり時の第一楽章等では、不斉合のケースがまま有り、聴いていて満足できるものでは有りませんでした。それでも四楽章の締め括りになると、静かで緩やかな弦楽旋律に管(特にHrn.)や打の合いの手も息がぴったり寄り添って来て、弦楽の美しい調べはいや増しになり、亡き前王への哀悼の意は十分に表現されていたと思いました。

(参考)

まれにしか、本当にまれにしか来ない、汝、歓びの精霊よ!」という英国ロマン派の詩人パーシー・ビッシュ・シェリー(1792~1822)の詩の一節を楽譜の冒頭に掲げ、「ヴェニス、ティンタジェル 1910~11」と(楽想の始まりと作品完成の)地名と作曲年が記された、エドワード・エルガー(1857~1934)の交響曲第2番。この曲は、公には1910年5月に崩御した「故エドワード7世国王陛下の想い出」に捧げられている。英国王エドワード7世(在位1901~10)は行進曲《威風堂々》第1番のトリオに歌詞を付けて《希望と栄光の国》に編曲することを勧め、エルガーをナイトに叙した大恩ある君主であった。全編に溢れるノスタルジックな空気から、この曲を「エドワード時代」という短くも輝かしい時代への挽歌と見ることは間違いではない。
 しかし公的な説明とは別に、この曲にはエルガーのミューズであったアリス・ステュワート=ウォートリー(1862~1936)という佳人への密かな思いが込められている。アリスは「オフィーリア」で有名なラファエル前派の画家ジョン・エヴァレット・ミレエ(1829~96)の娘で、保守党議員の男爵の妻であった。才色兼備のアリスはエルガーの音楽の理解者であり、エルガーは彼女を「ウィンドフラワー(アネモネ)」の愛称で呼んでいた。愛妻家のエルガーがアリスとの関係で道を外れることはなかったが、交響曲第2番の随所に現れる、やるせない憧れの感情は『トリスタンとイゾルデ』に通じるものがある。作品を完成したティンタジェルはイングランド南西部コーンウォール地方の村。ステュワート=ウォートリー夫妻の出身地であると同時に、アーサー王伝説の舞台でもあった。この伝説の柱の一つはアーサー王、ギネヴィア王妃、騎士ランスロットの間の苦しい三角関係である。そのように考えると、冒頭のシェリーの詩の一節も意味深長に聞こえる。交響曲第2番には《エニグマ変奏曲》(1899)以上に多くの謎が封じ込められていると言えよう。

 

《20分程休憩》

 

休憩から戻ると舞台の管弦の規模はさらに増えた模様です。

 

②R.シュトラウス・交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』

楽器編成:オルガンを含む100名規模の大編成、

四管編成弦楽五部16型

楽曲構成:基本的に切れ目なしに一つの曲として演奏されますが、9つの標題に内容的には区分されています。

 今回の演奏会で感心したことは、入場時に配布されたプログラムです。その中に記載されているプログラムノートが、各標題ごとに譜例も含めて詳しく記載されていて、良く出来ていました。これは①のエルガーの2番の解説についても同様で、このオーケスラには、かなりの音楽知識を有する団員がいることを示しています。

 さて演奏の方は、オーケストラはスタートからエンジン全開、①の時と比べて、見違える様な素晴らしい演奏でした。

 オルガンはずっしりと響き、弦のアンサンブルもとても良い。Vn.アンサンブルのシュトラウス節も弱音でゆっくりと流れ、Vc.ソロもしっかり。

「大いなる憧憬」の箇所では、弦楽アンサンブルと木管の合いの手から爆発的上行進行も文句なく、次の「歓楽と情熱」では、さらにテンポが速まりここでも上行する弦楽奏とHrn.がシュトラウス節を響かせたのも痛快。Trmb.の調べが印象的でした。

終盤では、度々Vn.ソロがコンミスによって奏でられましたが、もう少し音の広がりが有るとさらにいいと思いました。

 この曲の演奏は、①の時と同じ楽団か?と耳を疑う程の立派な文句のつけようが無い演奏でした。  想像するに、恐らく①の曲より②の曲の方が練習量が有るかに多かったのではなかろうかと推察します。どんな曲でも1~2回くらいのリハーサルでしっかりと本番がこなせる技量を持つオーケストラと違って、多分かなり経験の少ない団員も含まれ、個人技にバラツキがあるオーケストラの場合、やはり練習量というのは如実に本番演奏に効いてくるのでしょう。

 総じて②の立派な曲を演奏を聴いただけでも聞きに来た甲斐があったというもの、それに酷暑の中、涼しい思いもしましたし、ついでに演奏終了後、来たる「ミューザ夏祭り」他の、結構溜まっていたチケットの発券を窓口で行えたこともあり、満足して帰路に就いたのでした。f:id:hukkats:20240709190002j:image

 

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////2022-08-15
『RSオーケストラ特別演奏会』

 表記の演奏会は、サマーフェスタが終了したばかりのミューザ川崎で行われたものです。 8/11(木・祝)にサマーフェタのフィナーレコンサートを聴き終わり、8月はミューザ詣で もこれで終わりかと思っていたのですが、帰りがけに見たチラシに8/13(土)に表記の演奏会のことが書いてあり、エルガーとR.シュトラウスの『アルプス交響曲』をやるという事を知り、これは聴きに来なくちゃと思い、家に帰ってチケットのWEB手続きをしたのでした。ところが当日13日は台風8号が関東地方を直撃し。横浜は朝から断続的に大雨強風に襲われ、どうしようか迷ったのですが、聴きたい作曲家二人が揃った演奏会であることのみならず、特に『アルプス交響曲』は10月末に、三年間閉めていた『横浜みなとみらいホール』が再開記念演奏会のメイン演奏曲としていることもあり、是非前もって聴いておきたかったのです。最寄りの駅からミューザまでは雨にあたることなく行けるのですが、家から駅までの徒歩8分足らずの距離を歩いて行ったら、傘はお猪口になるしびしょ濡れになること必定、そこでこれは、お助けマン(womanかな?)の力を借りなくてはと思い、上さんに低姿勢で ❝駅までタクシーして貰えないですか?❞と訊きました。❝こんな台風の時行かなければ良いのに!❞とか何とか言いながらもそこは気立てのやさしいうちの上さん、❝転んだりしない様に気を付けてね。お土産を忘れないで!❞とくぎを刺されたのでした。しめしめこれならお土産を少し奮発すれば、帰りも迎えに来てくれるわいと計算高くほくそ笑む御仁なのでした。そういう訳でミューザには一滴も雨に濡れず着くことが出来ました。

【日時】2022.8.13.14:00~

【会場】ミユーザ川崎シンフォニーホール

【管弦楽】RSオーケストラ

【指揮】和田一樹

【演奏の模様】

①エニグマ変奏曲

エルガーが1899年2月に作曲した全14曲の変奏から成る管弦楽曲です。同年6月に初演され大成功を収めた。

<楽器構成>

二管編成弦楽五部14型(14-13-12-8-7)

 ❛エニグマ❜とはギリシャ語で「謎かけ」を意味し、彼自身、次の様に述べています。

 The Enigma I will not explain —— its ‘dark saying’ must be left unguessed, and I warn you that the apparent connexion between the Variations and the Theme is often of the slightest texture; further, through and over the whole set another and larger theme ‘goes’ but is not played ... So the principal Theme never appears [...].

 何やら表に出て来ないエニグマもあるみたいですが、一つのエニグマは各変奏に付けられたイニシャルや略称などの該当人物であり、変奏表題の謎解きはすでにほぼ完了したと見なされています。 各変奏は、親しい友人たちへの真心のこもった肖像画となっており、この変奏曲は「作品中に描かれた友人たち」に献呈されているのです。

<変奏曲構成>

 

 座席に座り壇上の奏者を一瞥すると女性が多く目に止まります。近年は弦楽器のみならず木管は勿論金管への進出、さらには打楽器群で女性を良く見かけます。今回は100人を超える奏者の半分弱は女性奏者の模様です。しかも若い人が多い。

 各変奏曲ともいかにもエルガーらしさをたたえる曲ばかりですが、特に第九変奏「ニムロッド」は穏やかな旋律が際立ち、エルガー特有の威厳を備えた美しい曲ですね。この曲は英国のオリンピックでも演奏されたとのことです。

 若い演奏者が多かったですが、皆さん基礎はかなりしっかりした人が多い様でよい演奏でした。

 

《20分の休憩》

 

 

②R.シュトラウス『アルプス交響曲』

 休憩から戻ると舞台の楽器はかなり増強された模様。特に管楽器群や打・鍵盤楽器に多くの奏者が増えました。

<楽器構成>

四管編成弦楽五部14型(1Vn14-2Vn13-Va12-Vc9-Cb7)

増員は、Fl.2(内Picc.持替え1)、Ob.2、Cl.2、Trb.3、Hr.5、Trp2、Fg.2.、Tb.1、C.Fg.1、Hp.1 、Celst.1、Timp.1 etc.各奏者が増えました。

 

この曲はR.シュトラウスが14歳の時のドイツアルプスの最高峰ツークシュピッツェ山(2962m)に向かった時の体験をもとに作曲されたと謂われます。

交響曲と言っても、楽章単位ではなく一種の標題音楽としている・標題は次五の通り

です。

夜 Nacht

日の出 Sonnenaufgang

登り道 Der Anstieg (練習番号11~12)

森への立ち入り Eintritt in den Wald (練習番号21)

小川に沿っての歩み Wanderung neben dem Bache

滝 Am Wasserfall

幻影 Erscheinung

花咲く草原 Auf blumigen Wiesen

山の牧場 Auf der Alm

林で道に迷う Durch Dickicht und Gestrüpp auf Irrwegen

氷河 Auf dem Gletscher

危険な瞬間 Gefahrvolle Augenblicke

頂上にて Auf dem Gipfel

見えるもの Vision0

霧が立ちのぼる Nebel steigen auf

しだいに日がかげる Die Sonne verdüstert sich allmählich

哀歌 Elegie

嵐の前の静けさ Stille vor dem Sturm

雷雨と嵐、下山 Gewitter und Sturm, Abstieg

日没 Sonnenuntergang (練習番号129)

終末 Ausklang (練習番号134)

夜 Nacht

 

夜明け前

アルプスと登山電車(スイス)

アルプスの氷河(ユウングフラウヨッホより)

雲海に浮かぶアルプス
 もうこの曲はクラシックファンの山男(女)には堪らない曲でしょうね。本格登山などしたことがない自分でも山歩きをしたことはあり、その非日常性のすがすがしさには、本当に生き返る様なリフレッシュ感を味わったことがありました。

 全部で22曲の標題の付けられた曲では、それぞれその場その場の登山の雰囲気を、素晴らしい旋律タッチで表現したR.シュトラウスの腕が冴えたものとなっています。

 兎に角4管編成の大オーケストラは、ホルンが10挺も揃い、途中で5艇はバンダとして2梃のトロンボーンと共に、舞台の外で遠くからのアルプスの角笛のこだまを表現する演出をしたり、氷河の表現、頂上から下界を見る俯瞰的情景、それに何と言っても圧巻だったのは、遠くから鳴り響く雷のTimp.による表現、そして嵐の豪風・豪雨の激しい全アンサンブルの怒号、大編成ならではの迫力を堪能しました。

 時々思うのはオーケストラは奏者一人一人がある程度のレベルに達していれば、アンサンブルは「小より大」、即ち「楽器は少よりか多」ではないかということです。❝細部のミス、皆んなで渡れば怖くない❞ かな?あまりいい例えではないですが。