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綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ミナーシ・都響+庄司紗矢香(Vn.)at 池袋・藝劇を聴く

  

【日時】2025.11.29.(土)14:00〜

【管弦楽】東京都交響楽団

【指揮】リッカルド・ミナーシ  

   

     〈Profile〉

    アンサンブル・レゾナンツ首席客演指揮者、ラ・シンティッラ管弦楽団芸術監督。イル・ポモ・ドーロ共同創設者&指揮者、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団首席指揮者、カルロ・フェリーチェ劇場(ジェノヴァ)音楽監督を歴任。
2025/26シーズンは、エルプフィルハーモニー(ハンブルク)のアーティスト・イン・レジデンスを務めている。またドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン、ミュンヘン・フィル、フランス放送フィル、ルクセンブルク・フィル、BBCフィル、スコットランド室内管、ド
レスデン・フィル、マーラー室内管などと共演。これまでにロイヤル・コンセルトヘボウ管、ベルリン・フィル、シュターツカペレ・ドレスデン、フランクフルト放送響、スウェーデン放送響、エイジ・オブ・インライトゥンメント管などを指揮した。オペラではオランダ国立歌劇場、グラインドボーン音楽祭、ザルツブルク音楽祭、チューリッヒ歌劇場、ハンブルク国立歌劇場、リヨン国立歌劇場などに登場。
    ミナーシの演奏は音楽学的な誠実さが特徴であり、モントリオール響のヒストリカル・アドヴァイザーを務めた。都響とは2017年10月の「フレッシュ名曲コンサート」で初共演。今回が2度目の登壇となる。

 

【独奏】 庄司紗矢香(Vn)       

     

      〈Profile〉
    東京に生まれた。画家である母の留学に伴い、3歳からイタリア・シエーナに移り、2年間暮らす。最初ピアノを習っていたが、キジアーナ音楽院のコンサートでヴァイオリン演奏を見たことがきっかけとなり、5歳からヴァイオリンを始めた。

帰国後、国分寺市内の小学校に進み、1994年、6年生の時に第48回全日本学生音楽コンクール東京大会、全国大会で第1位を獲得した。

1995年、キジアーナ音楽院において、ヴァイオリンをウート・ウーギ、室内楽をリッカルド・ブレンゴーラに学び、1997年にはイスラエルより奨学金を得てシュロモ・ミンツに学んだ。同年、14歳でリピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクール・ジュニア(17歳未満)部門で日本人として初めて優勝し、ルツェルン音楽祭にルドルフ・バウムガルトナー指揮ルツェルン音楽祭弦楽合奏団のソリストとして出演した。また、リピンスキ・ヴィエニヤフスキ・コンクールで審査員を務めていたザハール・ブロンに声を掛けられ、1998年以降、ケルン音楽大学でブロンに師事する。同年からヨーロッパを拠点に活動している。 また、同年、ルツェルン音楽祭弦楽合奏団とヨーロッパ演奏旅行を行い、ウィーン・ムジークフェラインザールでウィーン・デビューを果たした。

1999年、第46回パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールに同コンクール史上最年少、かつ日本人として初めて優勝した(同時にエンリコ・コスタ博士記念賞、マリオ・ルッミネッリ記念賞も受賞)。 2004年、ケルン音楽大学を卒業し、翌年パリに移った。

 

 

【曲目】
①モーツァルト/ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261

(曲について)

    アダージョ K.261は、ヴァイオリン協奏曲第5番 K.219の第2楽章(アダージョ、イ長調)が、当時のヴァイオリニスト(おそらくザルツブルクの宮廷ヴァイオリニスト、アントニオ・ブルーネッティ)にとって長すぎたり、表現が豊かすぎたりしたために、より短く、演奏しやすい代替曲として求められて作曲されました 。 
    モーツァルトは、K.219の第2楽章とは異なる穏やかで優雅なホ長調の曲を書き上げました。元の楽章はイ長調でしたが、差し替えられたこのK.261は、管楽器にフルートとホルンを加えることで、より温かみのある音色を持っています。


②シューマン/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調

(曲について)

   1853年9月下旬から10月初旬とわずか2週間程度で作曲された。ヨーゼフ・ヨアヒムの要請を受け、またシューマン自身もヨアヒムが弾くベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聞いて感銘を受け、このヴァイオリン協奏曲ニ短調を書いた。しかし、なぜかヨアヒムはこのヴァイオリン協奏曲を取り上げることなく自筆譜を封印し、クララ・シューマンは「決して演奏してはならない」と家族に言って聞かせていたという。それは、シューマンがライン川に身を投じる直前に書き上げていたピアノ曲『天使の主題による変奏曲』の主題と協奏曲の第2楽章が酷似していたためだという。シューマン自身はこの曲を、「天使から教えてもらった曲だ」と語っていた。

    結局シューマンのヴァイオリン協奏曲は、1937年にベルリンの図書館でヨアヒムの蔵書から発見されるまで日の目を見ることはなかった。世界初演はナチス・ドイツの宣伝省主導で、同年11月26日にゲオルク・クーレンカンプの独奏、カール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の共演で行われ、同時に全世界に向けてエジプトや日本まで聴こえる短波放送で流された。しかしこのときの演奏は、クーレンカンプ曰く「シューマンの自筆譜のままでは演奏不可能」として、自身が大幅に書き換えた版によるものであった。実際にクーレンカンプが言うように演奏不可能な箇所はあるが、クーレンカンプの改訂は演奏不可能な箇所を修正するだけではとどまらないものとなっていた。また、パウル・ヒンデミットもこの改訂にかかわった(ノルベルト・ホルニック)。翌12月にセントルイスでアメリカ初演を行ったユーディ・メニューインが「自分こそが真の初演者」と宣言するほどであった。


③ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調 op.68《田園》

(曲について)

    ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770年 - 1827年)が1808年に完成させた6番目の交響曲。 演奏時間は約39分(第1楽章:11分、第2楽章:13分、第3楽章 - 第4楽章 - 第5楽章:15分)と紹介する例があるが[、反復の有無や指揮者の解釈や時代による演奏様式の変化により演奏時間には幅がある。

    古典派交響曲としては異例の5楽章で構成されており、第3楽章から第5楽章は連続して演奏され、全曲及び各楽章に描写的な標題が付けられるなど、ベートーヴェンが完成させた9つの交響曲の中では合唱を導入した交響曲第9番と並んで独特の外形的特徴を持つ。 また、徹底した動機展開による統一的な楽曲構成法という点で、前作交響曲第5番(作品67)とともにベートーヴェン作品のひとつの究極をなす。

 

【演奏の模様】

 庄司さんの演奏は昨年2024年、フランクフルト放送管弦楽団との共演(ブラームス協奏曲)を、また2023年、ノセダ・N響でレスピーギ『グレゴリオ風協奏曲』を、それ以前はオラフソン(Pf.)とのデュオリサイタルなど、凡そ一年に一回は聴きに行っていました。今年は、神尾さんを聞きに行けないかった理由と同じ理由から聴きに行けず、このままでは、来年になってしまうと思っていた処、11月末に都響との共演があることを知り、これ幸い聴きに行くことにしたのでした。

 

①モーツァルト/ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261

◯楽器編成:フルート2、ホルン2、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、バス(チェロ、コントラバス/任意でファゴットを加える場合有)、独奏ヴァイオリン

◯楽曲構成:単一楽章

 この曲は上記(曲について)にある様に、ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219の第2楽章の遺稿と言われている作品です。他の協奏曲同様,ザルツブルクの宮廷楽団のヴァイオリン奏者のために書かれています。K.219では全楽章を通じてオーボエが使われていますが,この曲ではフルート2本がその代わりに使われています。これはオーボエ奏者がこの楽章ではフルートに持ち替えて演奏することを示しています。こういう楽器の使い方は当時は珍しくなかったといわれています。曲はソナタ形式で書かれています。

 アダージョの名のとおり,ヴァイオリンソロが主体となり、甘美で典雅に歌う緩徐曲です。

 冒頭Fl.と弦楽奏が主題を大らかに緩やかに演じ初め、次いで同じ旋律で、庄司さんが入りました。庄司さんは、やや神経質とも思える繊細な音を出して、穏やかに演奏していました。

 管弦楽が、経過部の後の第2主題も弦楽器の連打に支えられたソリストは、美しい歌を歌うが如くたおやかに演奏しました。

ロ短調に変わった展開部は短いものですが、ピリッとした効果を効かせました。既出のメロディが出てこない展開部です。こうした展開部の作り方は当時の緩徐楽章には珍しくなく、モーツァルトもしばしば使用しています。再現部では第1主題が弱音奏で再現されます。第2主題の後,カデンツァが入り、庄司さんは若干の重音演奏も気負いなく自然に発音し曲は閉じられました。

  これまで聴いて来た庄司さんらしさを思い出させて呉れる演奏でした。


②シューマン/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調

◯楽器編成:独奏ヴァイオリン、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、二管編成弦楽5部14型

◯楽曲構成:全三楽章構成

第1楽章In kraftigem nicht zu schnellem tempo

第2楽章Langsam

第3楽章Lebhaft doch nicht schnell

 冒頭からかなりの強奏で、ジャーンジャジャーンジャジャーンと管弦の調べが鳴り響きます(テーマ1)。劇的というかドラマティックな深刻性を感じ受ける調べ、シューマンは一体何を意味していたのでしょうか? 暫し弦楽のキザミ奏の間を置いて再び、テーマ1を力強くじっくりと繰り出すオーケストラ、ここは、In kraftigem (力強く)nicht zu schenellem tempo(速いテンポではなく)を忠実に守っていました。次いで庄司さんが、テーマ1をおもむろに弾き始めました。最初から重音の交じる強いボーイングで、速いキザミを入れた変奏です。テーマ旋律を少しずつ繰り返し、せり上がるソロVn.、低音域から一気に高音へと跳躍するパッセッジが度々あり、その旋律は重音奏や修飾音で飾られたり結構難しい指使いだと推察されます。低音域を弾いていても高音域の跳躍音が入り、曲としては美しいけれど、バランスが余りいい曲とは思えません。シューマンの体調がだんだん良くなくなってきた頃の作品なのでしょうか?

  暫し管弦楽の間奏的演奏を置いて、再び庄司さんは重音演奏で開始、速いパッセジの後は音を伸ばし、管弦は弱奏でソリストを浮き出し、シューマンのかなりの粘着性を感じる旋律を、Cl.やOb.の合いの手が入る程度で、ほぼカデンツァ的に庄司さんの独奏体制が終盤入口まで続いた演奏でした。終盤は独奏者の腕の見せ所といった感じの技巧的で美しくもあるパッセッジが延々と続き、最後のオケの強奏を経てクネクネ奏も経て、猛烈テンポのキザミ奏で第1楽章を終えたのでした。この辺りは聞いていて少しくたびれました。演奏者も決して楽ではないと思いました。

 第2楽章は最初チェロアンサンブルのゆったりした序奏で開始、すぐに庄司さんは美しいLangsamの調べを奏で始めました。オケは弱奏の伴奏に徹し、ほぼソリストの美音が最後まで延々と続き、最後の一節はソロもオケも全力強奏となりました。

 アタッカで繋がれた第3楽章、2楽章最後の美音を引き継ぐような調べ、修飾音がルクレールの曲の様にかなり多用されていて、時々オケの合いの手も入るのですが、主体性は庄司さんの益々技巧をひけらかす結果となりました。速いパッセッジやキザミ奏やテーマらしい調べをかなりしつこい程奏者に求める、シューマンの執着性を感じる楽章でした。聴いていてやや飽きが来る旋律の繰り返しが多かったと思います。

 こうして聴き終わった感想としては、シューマンのねちこさと素人にも聴いて分かるかなりのハイテクさ、そしてその気難ずかしさの割には、感動の少ない曲構成は、作曲された当時のシューマンの精神構造を示唆しているのでしょうか?死後80年も忘れ去られていた曲というのも頷ける気がします。

 それにも関わらず庄司さんの演奏は一音一音丁寧に、しかも完璧に表現されていたと思います。欲を言えば、更なる力強さが欲しいと思った箇所も有りましたが。

これを書いている途中で中断し、夕食にしたのですが、遅くなって20時半頃の夕食となってしまいました。NHK・FMを聞きながら食事していたら、丁度シューマンのヴィオラ曲が流れていました。(金子三勇士《リサイタルパッシオ》)今日のゲストのヴィオラ奏者、笠井 大暉演奏のシューマン『おとぎの絵本』でした。仲々味のあるしっとりしたいい曲でした。又その演奏は、一聴するにチェロの音に紛う程の伸びやかな低音も出ていて、Vn.から転向したビオラ奏者とは思えないいい調べを立てていました。機会が有れば聴きに行きたい奏者だと思いました。

 

 

 

    満員の会場からの鳴り止まぬ拍手・喝采に応えて、庄司さんは、アンコール演奏を行いました。

 

《ソリストアンコール曲》シューマン(庄司紗矢香編曲)『夕べの歌』

 

     中々しっとりと落ち着いたいい曲の演奏でした。

 

参考)シューマン『ヴァイオリン協奏曲』

1.ニ短調、2/2。複付点音符主体のフランス風序曲を思わせる第1主題が印象的な協奏風ソナタ形式。晩年にバッハを研究した跡が窺える。ヘ長調の第2主題の動機は全楽章に渡って用いられる。

2.変ロ長調、4/4。シューマンらしいシンコペーションで始まる、間奏曲的な短い曲。この主題はシューマン曰く「夢の中で天使が現れ、歌った」とされるもの(後にこの主題を使用してピアノ作品「天使の主題による変奏曲」(遺作)を残す)。切れ目なく第3楽章へと続く。

3.ニ長調、3/4、ロンド形式。ポロネーズを思わせるリズミカルな曲調。


③ベートーヴェン/交響曲第6番 ヘ長調 op.68《田園》

  この曲は昔から何回となく聴いて来た懐かしのメロディです。

◯楽器編成:Picc.(1)(第4楽章のみ)Fl.(2)Ob.(2)、Cl.(2)、Fg.(2) Hrn.(2)、Trmp.(2)(第3楽章~第5楽章)、Trmb.(2)(Alt. Tenor)(第4楽章と第5楽章) Timp.(第4楽章のみ)

二管編成弦楽五部16型

 

◯楽曲構成:全五楽章構成

第1楽章「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」。アレグロ・マ・ノン・トロッポ

第2楽章小川のほとりの情景」。アンダンテ・モルト・モッソ

第3楽章 「田舎の人々の楽しい集い」。アレグロ

第4楽章「雷雨、嵐」。アレグロ

第5楽章牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」。アレグレット、

 

 ベートーヴェンは、新しい形式として五楽章構成を試みた作品です。しかし以下に述べる様に、3から4,4から5はアタッカで繋げられて一纏まりとされて演奏され、4に関してはその間の短い攪乱要素の挿入部分と考えれば、実質4楽章構成と看做せないことも有りません。

 曲調としては4楽章を除けば、概ね穏やかな明るいベートヴェンを含む人々の幸福な気持ちを代弁する様な調べに満ちたもので、彼は上記した様に、タイトルと各楽章に標題を付しました。

 田園地帯を散策することが好きだった彼は、第1楽章に表現された様に、田園地帯を訪れた春先、とても喜ばしい気持ちになったのでしょう。いや春でなく夏の盛り、街の暑さを避けて涼風の吹く田舎に避暑した時かも知れない。楽章冒頭から、軽快なウキウキする気持ちが表現され、田舎に着いて間もなくベートーヴェンは散策に出かけたのでしょう。広々とした穀倉地帯の田畑、その傍らの林を縫って流れる小川。欧州の小川は現代でも、それ程川幅は無くとも水量は豊富で、流れも滞ることも少なく結構速いケースをよく見ました。

第2楽章で見た風景は、小川の流れを表現したかの様な2Vn.Va.Vc.の調べからスタートです。欧州の小川は現代でも川幅が小さいながら水量を湛え、結構流れが速い川が見受けられます。小川に沿った灌木林で、小鳥たちが飛び交い遊ぶ風景を将に忠実に表現したベートーヴェン。小鳥の鳴き声を模する木管楽器の囀りは冴え冴えと響き、楽器毎に鳥種が異なるという細部まで考慮しているのです。

 次第に日は傾き始め、村人はそれぞれの仕事(例えば田畑作業、樵、漁労、狩猟etc.)を終えて、村の広場に三々五々集まり始めました。弦楽の速いキザミ奏は、一刻も早くと家路につく人たちの勇む足音が聞こえる様、今晩からは村人達の夜の集い、飲み、食い、踊り明かそう。村人の音楽隊が鳴らされと人々の踊りの輪に家路を待っていた家族たちも踊りに加わり、一層激しく弦楽(Vc.他)の分厚い調べを聞くと、全く関係ない「ロメオとジュリエット」におけるモンターギュ家とキャプレット家」の人々の、隊列を組んだ迫力ある踊りの力強い演奏を思い出してしまいました。

 アタッカで進んだ第4楽章は、ご案内の様に、この曲唯一の攪乱楽章。祭りのさ中に、突風が吹き晴黒天かき曇り、遠雷が急速に近づいて来て、雷雨の嵐に晒される人々、管楽器の咆哮、Picc.の叫び声、Timp.の強連打、激しい暴風雨に逃げ惑い、雨風を凌ぐ物陰に急ぐ村人達は嵐がすぐ立ち去るのを知っています。閃光が走り、落雷したのは二回だったでしょうか。

 更にアタッカで進んだ第5楽章では、木管⇒Hrn.⇒弦楽奏の穏やかな調べが、人々の安心した心情を披露。この干天の慈雨は、また穀類等の豊作に向けた良い兆候であり、皆喜びの表情で広場に戻り、大きな大団円の輪を作り、いつまでも何時までも夜更けまで踊りあかすのでした。

 こうして各楽章の細部までその意味する処を(若干の拡大解釈が混じったかも知れませんが)逐次考えると、このベートーヴェンの「田園」という曲は、良く考え抜かれていることを再認識した処です。素晴らしい名曲中の名曲だと思いました。

 ミナーシ・都響の演奏の方はどうだったかと言いますと、この指揮者は、都響二度目の指揮という事ですが、団員との意思疎通が今だしの印象が残りました。 それが如実に表われたのが、第1楽章。指揮者は大きな手振り身振りで、オーケストラを引っ張ったのは宜しいのですが、兎に角、オケを煽る事煽る事、回転木馬が安定発進したかと思いきや、次第に回転速度を速め、速度制限なしの超回転木馬。乗っている団員トラは、余りの速さに慌てふためき木馬にしがみつき、振り落とされない様に必死になっている内に、「ちびくろ・さんぼ(ヘレン・バンナーマン著)」の様に過酷な運動量で猛熱を発生、バターになって溶けてしまうのでは?と思う程でした。こんなに速いテンポの1楽章は初めてです。

 次楽章からは指揮者、奏者も大分慣れて来たのか、先ず先ずの演奏だったと思いました。

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