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綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ベルリンフィル・デジタルコンサートホール/ライヴ配信を聴く

《シューベルトマラソン》第1部ライヴ配信

【主催者言】

シューベルトの室内楽は独自の世界感を持っています。この「シューベルト・マラソン」シリーズでは、ベルリン・フィルのメンバーによるアンサンブルが、シューベルトの精神のの音楽的風景を探求します。まず最初に、シューベルトの最晩年の作品であり、かつ彼の室内楽の代表曲であるピアノ五重奏曲《鱒》が演奏されます。また、2つの弦楽三重奏曲と、フルートと弦楽のための哀愁を帯びた「しぼめる花」の主題による序奏と変奏曲がプログラムに並びます。

【時間差ライヴ配信】2024.7.7.(日)20:00〜

生配信は見れなかったので、時差配信(2024.7.7.20:00~)を観ました。

 

【出演者】

〇ウルリヒ・クネルツァー

〇ダーヴィット・リニカー

〇ヤーヌシュ・ヴィジク

〇ヤニック・ファン・デ・フェルデ

〇ベルリン・フィルハーモニー弦楽三重奏団

  ロマーノ・トマシーニ(ヴァイオリン)

   ヴォルフガング・タルリツ(ヴィオラ)

   ダーヴィット・リニカー(チェロ)

〇伊藤真麗音(マレーネ

〇シモン・ロトゥリエル

〇マルティン・フォン・デア ・ナーマー

〇クヌート・ヴェーバー

〇ミヒャエル・カーグ

 

【演奏曲目】フランツ・シューベルト

①ピアノ五重奏曲イ長調 D 667《鱒》

 クリストフ・ホラク(ヴァイオリン)

  ウルリヒ・クネルツァー(ヴィオラ)

  ダーヴィット・リニカー(チェロ)

  ヤーヌシュ・ヴィジク(コントラバス)

  ヤニック・ファン・デ・フェルデ(ピアノ)

楽器編成:通常のピアノ+弦楽四重奏の編成とは異なり、第2Vn.の代りにCb.を参加させている。

全五楽章構成

第1楽章 Allegro vivache

第2楽章 Andante

第3楽章 Scherzo:Prest

第4楽章 Andantino Allegretto

第5楽章 Finale Allegro-jesto 

全体を通して、ピアノの音がとても柔らかで美しい音色を出していました。どこの楽器かなと思ってみたらやはりスタンウエイ。普通聴く切れ味の良い音色とは違って他のメーカーの物かと思ってしまう程。ベルリンフィルのホールには、特別製造のスタンウエイが納められているのでしょうか?
第4楽章の歌曲「鱒」の変奏曲は良く知られた旋律なので何か懐かしさまで感じます。

 昔から思っていたことは、少し冗長過ぎる曲ではなかろうかという事。個々の演奏、アンサンブル演奏の妙は素晴らしいものが有るのですが、今回も同じことを感じました。

②弦楽三重奏曲変ロ長調 D 471


③弦楽三重奏曲変ロ長調 D 581

ベルリン・フィルハーモニー弦楽三重奏団 演奏

 ロマーノ・トマシーニ(ヴァイオリン)

 ヴォルフガング・タルリツ(ヴィオラ)

 ダーヴィット・リニカー(チェロ)

 これらの曲は初めて聴きました。両曲とも20歳ころの作品で、②は一と二楽章のみで断筆、③は四楽章構成の曲、②の調ベには、モーツァルトの影響を感じました。初歩的な単調な調べかと思うとさにあらず、修飾音も絶妙に入り、③はリズムが非常に特徴が有って面白い曲、諧謔性を感じます。こんないい個性的曲達が有ったのかと思わせる演奏でした。特にVn.のトマシーニの演奏は枯れた中にも華やかさが籠っていてとても良く思えました。

 

④<しぼめる花>の主題による序奏と変奏曲ホ短調 D 802(ダニエル・ルムラー編によるフルートおよび弦楽四重奏版)

 イェルカ・ヴェーバー(フルート)

 伊藤真麗音(マレーネ)(ヴァイオリン)

 シモン・ロトゥリエル(ヴァイオリン)

 マルティン・フォン・デア ・ナーマー(ヴィオラ)

 クヌート・ヴェーバー(チェロ)

 ミヒャエル・カーグ(コントラバス)

 この曲は、1823 年の秋に作曲されたシューベルトの連作歌曲「美しき水車小屋の娘」(Die schöne Müllerin)(D. 795) の 18 番目の曲に基づいています。曲「Trockne Blumen」(しぼめる花) は、枯れた花と報われない愛についての痛切な反映です。
主人公は春が戻り、新しい花が咲き、愛情の対象が自分の本当の気持ちに気づくときを想像している様です。
 1824年1月には、シューベルトはフルートとピアノのための序奏と変奏曲も原曲と同じキーのホ短調で作曲しました。

今回は、フルート中心の弦楽四重奏にCb.も加わった版の演奏でした。

フルートの演奏はソロではパユの演ここの配信でも東京のリサイタルでも何回も聴いた事がありますが今回は女性奏者のイェルカ・ヴェーバーさんです。ベルリンフィルの管弦楽演奏の時にはよく見かける人です。

 ベルリンフィルのフルート奏者は歴代、名奏者(ニコレ、ツェラー、ゴールウェイ、ブラウ)を輩出していますので、彼女もパユの後を継ぐ可能性が有るでしょう。室内楽を牽引して力強い演奏に終始しました。ただこの曲でも何回も何回もテーマの旋律が繰り返し出て来て、少ししつこい曲(というと言葉が悪いので)粘性のあるシューベルトらしさを感じます。

 又今回Vn.を弾いた伊藤真麗音(マレーネ)さんは日本人そのものの顔立ちに見えますが、きっとハーフなのでしょう。マレーネとういう名はドイツではありふれた名前なのでしょうか。例えば有名なマレーネ・デートリッヒがいますよね。 5月27日のオープンデー演奏会でもお見掛けしました。

 

 今回は「シューベルトマラソン演奏会」の第1回目でした。第2回、3回目は来週以降にライヴ配信される予定です。