HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ヤマカズ×読響『矢代&アルプス交響曲』

《読売交響楽団924回定期演奏会》

 

 

【日時】2023.1.19.(木)19:00~

【会場】サントリーホール

【管弦楽】読売交響楽団

【指揮】山田和樹

<Profile>

本格的に指揮者を目指すことを決意したのは高校3年生の時で、きっかけの1つに神奈川県立希望ヶ丘高等学校在学中吹奏楽部で指揮を経験したことだという

東京芸術大学音楽学部指揮科では指揮法小林研一郎松尾葉子に師事し、2001年卒業。芸大在学中に芸大生有志オーケストラ「TOMATOフィルハーモニー管弦楽団」(2006年より「横浜シンフォニエッタ」に改称)を結成し、音楽監督に就任。また22歳にしてベートーヴェンの交響曲を全曲演奏するなど、幅広いレパートリーを持つ。

2016年4月までに、パリ管弦楽団フランス国立管弦楽団トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団など欧米のオーケストラに客演するほか、NHK交響楽団をはじめとする日本の主要オーケストラを指揮してきた。

2005年より東京混声合唱団のコンダクター・イン・レジデンスを務め定期演奏会の指揮、委嘱作品の初演を行っているほか、フォンテックからCDを発売している。

2009年9月17日ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した。日本人としては1959年に小澤征爾が優勝して以来7人目。同時に聴衆賞も受賞した

2010年9月より2012年8月までNHK交響楽団副指揮者を務めた

2010年8月23日サイトウ・キネン・フェスティバル松本に出演し、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(ピアノは小菅優)と交響曲第7番を指揮した。ブザンソン国際音楽コンクールでの演奏を聴いた小澤征爾の推薦であった

2012年のシーズンからは、スイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団の正指揮者、仙台フィルハーモニー管弦楽団のミュージックパートナーに就任

2014年現在、ドイツベルリン在住。4月より東京混声合唱団にて音楽監督へ昇格、6月にスイス・ロマンド管弦楽団首席客演指揮者任期の2年延長に合意したほか、9月よりモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者に就任

2015年4月、首席客演指揮者任期満了後の2016年9月よりジャンルイジ・ジェルメッティの後任としてモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督兼芸術監督へ就任することが決定し発表された

2016年3月、東京混声合唱団創立60周年記念定期演奏会に関する記者会見にて、同団理事長職を兼務することが発表された[12]

2017年9月、2018年4月より読売日本交響楽団の首席客演指揮者に就任することが発表された。[13]

2021年9月、2023年4月よりバーミンガム市交響楽団の首席指揮者兼アーティスティックアドバイザーに就任することが発表された

 

【曲目】

①矢代秋雄『交響曲』

(曲について)

日本フィルハーモニー交響楽団が日本の作曲家に対する作品委嘱シリーズの第1作として、1956年パリ留学を終えて帰国した矢代秋雄に委嘱した作品である。

スコアの冒頭には「日本フィルのために」と記されると共に「大原総一郎氏に捧げる」との献辞がある。1958年1月から5月にかけて書かれ、同年6月9日に、日本フィルハーモニー交響楽団第9回定期演奏会において、渡邉暁雄の指揮によって初演された。

全体の特徴としては、作曲者が心酔していたというセザール・フランク交響曲で使われた循環主題がこの作品でも使われていることがあげられる。

寡作家の矢代秋雄としては、異例なほど速いペースで作曲が行われたが、それについて作曲者は「遅筆の僕としては大変な強行軍だったが、ここ数年来、交響曲を書く心の準備が十分出来ているような気がしていたので、敢えて強行軍とした」と語っている。

演奏時間:約35分。

ピッコロ1(第3フルート持ち替え)

フルート2(1番奏者は第2ピッコロに持ち替え、2番奏者はバスフルートに持ち替え)

オーボエ2

コーラングレ1

クラリネット2

バスクラリネット1(第3クラリネット持ち替え)

ファゴット2

コントラファゴット1

ホルン4

トランペット3

トロンボーン2

バストロンボーン1

チューバ1

ティンパニ

打楽器6名(トムトム(大・中・小)、スネアドラムタンブリンバスドラムウッドブロック、合わせシンバル、吊りシンバルタムタム(大)、グロッケンシュピールシロフォンヴィブラフォンチューブラベル

チェレスタピアノ持ち替え)、

ハープ2

弦楽五部

 

②R.シュトラウス『アルプス交響曲』

(曲について)

 

文末再掲記録参照。

 

【演奏の模様】
 今日は、交響曲二番取組み、一番は東~し八代~ろー/西~し読響~、次の注目の一番は、東~し読響-~/西~しアルプス山~。行司は山田和樹、制限時間一杯、立ち上がりました。ノコッタノコッタ、八代押した押した、読響ノコッタノコッタ、うっちゃり読響の勝ち!
 次の一番、ハッケヨイ、ノコッタノコッタ、読響ツッパリ、ツッパリ、アルプス山回り込む、前まわしをとったノコッタノコッタ、桁蹴り!アルプス山の 勝ち。
相撲勝負に例えればこんなところでしょうか?(コリャ失礼)
①は、日本人作曲家としては、随分スケールの大きい曲を書いたものです。思っていた何倍も引き付けられる箇所がありました。読響の力量からしたら、簡単に料理してしまうのかと思いきや曲の圧力に押され放し、最後にようやく形勢挽回して、料理一丁上がりの感がありました。
②は、よく知られた、シュトラウス節に満ち満ちた名曲です。交響曲全体が、完結した物語を形成している。
読響の弦部門も管・打部門も、積極果敢に曲に戦いを挑みかなりいい処まで追い込むのですが、アルプス山の懐の深さに手が届かず、攻めあぐねているうちにバッタリ倒れてしまうのでした。足をすくわれたというか何か躓きがあったのですね。

 

①矢代秋雄『交響曲』


<楽器構成>
Fl.(3) Ob.(2) Hrn.(4) En-Hrn(1)Cl.()Fg.()Con-Fg.(3)Trmp.(3)Trmb.(3)Tub.(1)Timp.(1)他多数。

第1楽章 Prélude: Adagio - Moderato

第2楽章 Scherzo: Vivace

第3楽章 Lento

第4楽章 Adagio - Allegro energico

 ブラスの適用と打のリズム感、タイミングの取り方が非常に巧みな曲に感じました。

プロコフィエフの影響かな?と思われる箇所もあり。全体として、日本人作曲家の管弦楽曲としては出色の作品、武満に比肩出来る完成度。この人ももう少し長生きして欲しかった。

 

《参考》

第1楽章 Prélude: Adagio - Moderato

冒頭のAdagioの部分はパリ留学時代に書きかけてそのままとなったオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」のための序曲を転用していると言われている。Moderatoの主部に入ると、全曲の統一動機であるH-F-Fisの3音からなるがトロンボーンとチューバによって、更に弱音器をつけたホルンとトランペット、ハープと低弦によって三度提示される。対応するクラリネットの三度の重奏による動機とともに展開し、クライマックスに達するとシンバルの一撃によって再び冒頭のAdagioが戻ってくるが、更に盛り上がったのちに、頂点で和声的な第3動機が提示される。再びModeratoで第1動機、第2動機が提示され、Adagioになって静かに終わる。

第2楽章 Scherzo: Vivace
三部形式のスケルツォ。この楽章は初演の時から大変話題となった。1950年頃に朝日新聞に獅子文六の「自由学校」という小説が連載され、人気をとる。そしてその小説は映画化されたのだが、その中で出てくる神楽の太鼓のシーンでの独特なリズムに惹かれた作曲者は、その音型から発展させた、「テンヤ、テンヤ、テンテンヤ、テンヤ」(6/8+(2/8+6/8)というリズム形を全曲にわたって用いた。ただし、小説『自由学校』に、矢代が用いたリズム形と同じものは登場しない。小説に数回登場するリズム形は最初の『テンテンテンヤ、テンテンヤ、スケテンテン、イヤ、ドドン』という形をはじめ、いずれもこの楽章の基本リズム形とは異なっている。

第3楽章 Lento
2つの主題による5つの自由な変奏曲。作曲者は「部分的にはバッハ以前のコラール変奏曲の形式をとったところがある」と言っているが、各変奏の切れ目はなく、連続して演奏される。主題の随所に第1楽章第1動機のもつ増4度音程がみられる。第4変奏では第1楽章の第2主題の動機が再現されている。

第4楽章 Adagio - Allegro energico
典型的な序奏とソナタ・アレグロ形式で書かれている。序奏部分で冒頭で出てきた第1動機がコントラファゴットとバスクラリネットによって提示され、続いてこの楽章の第2主題、そして第1主題と序奏のゆったりとしたテンポのなかで姿を現す。このテーマも音程的に1楽章で出てきた統一動機の音程的特徴を備える。

Allegroに入り、典型的なソナタ形式でしっかりと構成された音楽は、活気に満ち、瑞々しい魅力を今も保っている。フガートを多用した展開部、F#音のペダルトーンを経て再現部になだれ込み、いったんはクライマックスを迎えるが、1楽章の和声的な第3動機が高らかに奏され、Prestissimoのコーダで断ち切るように全曲を終わる。

 

 

②R.シュトラウス『アルプス交響曲』

<楽器構成>

 四管編成、弦楽五部16型【1Vn.(16)2Vn.(16)Va.(12)Vc.(10)Cb.(8)】

 嵐の前までは、弦楽特にVnアンサンブルが元気を感じなく、山田さんはたびたび盛んに煽っていました。また弦部門と管部門の統合性に何か融合しない要素を感じた。

 嵐が来てハチヤメチャにすべてを蹴散らすと、不思議と前述の要素も違和感を感じなくなり、嵐去ったあとは、管も弦も打も熱病が醒めた様に静かに溶け合い前半とは見違える程、矢張り山登りは、上るより下る方が楽かな?アルプスを踏破するには、強靭な体力が必要なのでしょう。

 イングリッシュホルンと、ホルントップの演奏は安定していて安心して聞けました。

演奏終了すると山田さんは20秒位長くフリーズ、聴衆も静かにそれを待ってから、盛大な拍手喝采を浴びせました。何回も歓声を飛ばす人もあり、ブラボーでなく何と叫んだのでしょう? ”ホープ!”と言う風に聞こえた声もあった様に思えました。次世代をになう有力マエストロ候補を期待する声か?それとも、高校の同窓生かな?

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

再掲(抜粋)2022.8.15.HUKKATS  Roc.

『RSオーケストラ特別演奏会』

 

 表記の演奏会は、サマーフェスタが終了したばかりのミューザ川崎で行われたものです。 8/11(木・祝)にサマーフェタのフィナーレコンサートを聴き終わり、8月はミューザ詣で もこれで終わりかと思っていたのですが、帰りがけに見たチラシに8/13(土)に表記の演奏会のことが書いてあり、エルガーとR.シュトラウスの『アルプス交響曲』をやるという事を知り、これは聴きに来なくちゃと思い、家に帰ってチケットのWEB手続きをしたのでした。ところが当日13日は台風8号が関東地方を直撃し。横浜は朝から断続的に大雨強風に襲われ、どうしようか迷ったのです。聴きたい作曲家二人が揃った演奏会であることのみならず、特に『アルプス交響曲』は10月末に、三年間閉めていた『横浜みなとみらいホール』が再開記念演奏会のメイン演奏曲としていることもあり、是非前もって聴いておきたかったのです。最寄りの駅からミューザまでは雨にあたることなく行けるのですが、家から駅までの徒歩8分足らずの距離を歩いて行ったら、傘はお猪口になるしびしょ濡れになること必定、そこでこれは、お助けマン(womanかな?)の力を借りなくてはと思い、上さんに低姿勢で ❝駅までタクシーして貰えないですか?❞と訊きました。❝こんな台風の時行かなければ良いのに!❞とか何とか言いながらもそこは気立てのやさしいうちの上さん、❝転んだりしない様に気を付けてね。お土産を忘れないで!❞とくぎを刺されたのでした。しめしめこれならお土産を少し奮発すれば、帰りも迎えに来てくれるわいと計算高くほくそ笑む御仁なのでした。そういう訳でミューザには一滴も雨に濡れず着くことが出来ました。

【日時】2022.8.13.14:00~

【会場】ミユーザ川崎シンフォニーホール

【管弦楽】RSオーケストラ特別メンバー

【指揮】和田一樹

 

 

【曲目】

 ①エルガー『独創主題による(エニグマ)変奏曲』

 

 ②R.シュトラウス『アルプス交響曲』

 

【演奏の模様】

①エニグマ変奏曲

(略)

 

 

②R.シュトラウス『アルプス交響曲』

 休憩から戻ると舞台の楽器はかなり増強された模様。特に管楽器群や打・鍵盤楽器に多くの奏者が増えました。

<楽器構成>

四管編成弦楽五部14型(1Vn14-2Vn13-Va12-Vc9-Cb7)

増員は、Fl.2(内Picc.持替え1)、Ob.2、Cl.2、Trb.3、Hr.5、Trp2、Fg.2.、Tb.1、C.Fg.1、Hp.1 、Celst.1、Timp.1 etc.各奏者が増えました。

 

この曲はR.シュトラウスが14歳の時のドイツアルプスの最高峰ツークシュピッツェ山(2962m)に向かった時の体験をもとに作曲されたと謂われます。

交響曲と言っても、楽章単位ではなく一種の標題音楽としている・標題は次五の通り

です。

夜 Nacht

日の出 Sonnenaufgang

登り道 Der Anstieg (練習番号11~12)

森への立ち入り Eintritt in den Wald 

小川に沿っての歩み Wanderung neben dem Bache

滝 Am Wasserfall

幻影 Erscheinung

花咲く草原 Auf blumigen Wiesen

山の牧場 Auf der Alm

林で道に迷う Durch Dickicht und Gestrüpp auf Irrwegen

氷河 Auf dem Gletscher

危険な瞬間 Gefahrvolle Augenblicke

頂上にて Auf dem Gipfel

見えるもの Vision0

霧が立ちのぼる Nebel steigen auf

しだいに日がかげる Die Sonne verdüstert sich allmählich

哀歌 Elegie

嵐の前の静けさ Stille vor dem Sturm

雷雨と嵐、下山 Gewitter und Sturm, Abstieg

日没 Sonnenuntergang 

終末 Ausklang 

夜 Nacht

夜明け前

アルプスと登山電車(スイス)

アルプスの氷河(ユウングフラウヨッホより)

雲海に浮かぶアルプス

 もうこの曲はクラシックファンの山男(山ガール)には堪らない曲でしょうね。本格登山などしたことがない自分でも山歩きをしたことはあり、その非日常性のすがすがしさには、本当に生き返る様なリフレッシュ感を味わったことがたびたびです。

 全部で22曲の標題の付けられた曲では、それぞれその場その場の登山の雰囲気を、素晴らしい旋律タッチで表現したR.シュトラウスの腕が冴えたものとなっています。

 兎に角4管編成の大オーケストラは、ホルンが10挺も揃い、途中で5艇はバンダとして2梃のトロンボーンと共に、舞台の外で遠くからのアルプスの角笛のこだまを表現する演出をしたり、氷河の表現、頂上から下界を見る俯瞰的情景、それに何と言っても圧巻だったのは、遠くから鳴り響く雷のTimp.による表現、そして嵐の豪風・豪雨の激しい全アンサンブルの怒号、大編成ならではの迫力を堪能しました。

 時々思うのはオーケストラは奏者一人一人がある程度のレベルに達していれば、アンサンブルは「小より大」、即ち「楽器は少よりか多」ではないかということです。❝細部のミス、皆んなで渡れば怖くない❞ かな?あまりいい例えではないですが。