【演奏日】2022.6.6.19:00~
【鑑賞日】2022.6.13.
【出演】弦楽四重奏団クァルテット・インテグラ
<メンバー>三澤響果/菊野凛太郎(Vn.)山本一輝(Va.)築地杏里(Vc.)
【演奏の模様】
①モーツァルト『弦楽四重奏曲第15番 ニ短調 K. 421』
構成員のアンサンブルはしっかりと共鳴していました。皆さんお若く見えますが、大したものです。三楽章の1Vnのソロなど、大変綺麗で惹きつける魅力のある響きでした。短調のモーツァルトですが、それ程暗くない感じ。欲を言えばアンサンブルのキレ(リズムの明快な拍)がもっとあるといいと思いました。
②デュティユー『夜はかくの如し』
フランス現代音楽を代表する一人、アンリ・デュティユーの代表作でした。好き嫌いは別として、「夜」を描写するに、まさに❝かくの如く❞種々の音をキャンバスにぶつけ、塗りたくるモダン画作成の様相を呈していた。pizzicartの多用を始め、重音からありとあらゆる出音が面白い程湧き出、クァルテットが作曲者の意図を良く理解している演奏でした。こんな夜だったらきっと目が冴えてしまうでしょう。
③バルトーク『弦楽四重奏曲第5番』
バルトークコンクールで1等賞を取った演奏らしく、畳み掛ける各パートの音は、無調的でもあり調和的でもありました。この曲は5つの楽章からなり、1楽章、終楽章が変ロの斉奏で終わるなど中心となる音が有調的であり、また全音階的進行が支配的である点などでこれまでとは異なり一歩進んでいると言えます。一楽章の終わりにそれを見ました。
二楽章の冒頭の囁く様なトレモロのカノン的動き、1Vn.の旋律に伴奏する三者運休とpizziの交錯等ゆっくりしたリズムとのバランスは難しそう。
終わりまで、強弱・緩急交えた複雑な表現の曲を清濁併せ呑むが如く、この若者たちはなんなく弾きこなしたのには舌を巻きました。自分の好みの曲では無いですが、演奏者の技量には感服脱帽です。
尚、アンコール演奏があって
ハイドン『弦楽四重奏曲78番Hob.Ⅲ78<日の出>』より第2楽章
でした。ハイドンもいい演奏でしたよ。本演奏が「夜」をテーマにして、夜が明ける曲をアンコールとするとは、中々おつなものです。
このクァルテットの今回の生演奏は別件で聴きに行けなかったので、配信を聴きながら、今後の演奏会を少し調べていたら、7月2日に王子ホールでリサイタルをやる様なのです。行こうと思って自分のカレンダーを見たら、その日はまたまた残念、「ソニア・ヨンチェバ・コンサート」のチケットを既に買ってしまっていました。まーその内きっと別な機会が有るでしょう。
またCMGの配信チケットに関してなのですが、リピート配信があるので何時でも聞けると油断していたら、中々時間が取れなくて、配信の最後の日になってしまうことも有りました。矢張り生演奏を聴きに時間を都合つけて行けば、そうしたことはないので、若干反省した次第です。