昨年12月の『キエフバレエ来日公演』が中止になり、2月には上演予定だった『白鳥の湖』が、無料配信されました。その後ウクライナに対するロシアの攻撃は激しさを増し、多くの市民が難民化する様子や、キエフが砲撃され瓦礫化する建物などが放映される度に、心を痛めながら見ていました。
キエフバレエやオペラの殿堂、ウクライナ国立歌劇場の建物はどうなってしまったのでしょう、心配です。歴史的建造物を破壊することは、理性と知性がなく、人類の長年の歴史を知らない未開人の蛮行です。ポルポト派以下です。一刻も早くこの侵略戦争が終わることを世界中の人々が望んでいるのに、ますます激しくなる一方です。
こうした中、キエフバレエ団としてではなく、バレエ団の主力メンバーが、恐らく出国出来たのでしょう。主力ダンサー達による『キエフ・バレエ/ガラ公演』が、東京をはじめ日本各地の都市で行われる事になったという知らせが以下の通り入りました。
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《22年7-8月「キエフ・バレエ・ガラ2022」開催決定》光蘭社
2022年7-8月に「キエフ・バレエ・ガラ2022」公演の開催が決定しました!
2月からのウクライナの状況を鑑み、本公演を断念せざるを得ないと考えていましたが、ダンサーたちの想いを聞き、今こそ開催すべきとの結論に至りました。
開催を決めた理由については下の「公演の詳細はコチラ」のリンクページにある「本公演の開催について」をご覧ください。
日本公演でもお馴染みのフィリピエワ、ムロムツェワに加え、モスカレンコ、アリシャンスキー、チュチュニクなどキエフ・バレエの中心ダンサーたちが来日し、クラシック・バレエの名場面を披露する大好評尾のガラ・コンサートです。
キエフ・バレエのダンサーをはじめ、ウクライナ出身ダンサーたちが平和を願い日本の観客へ届ける本公演をお見逃しなく!
▼公演の詳細はコチラ
https://www.koransha.com/ballet/kyivgala/
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ただ、「詳細」にも書いてある様に ”今後やむを得ない事情が発生した際には、出演者や演目など、大きく公演内容を変更する可能性がございます。今回の公演は、このような情勢下での催行となるため、チケットご購入の際には、この点にご留意いただきますようお願い申し上げます”とあるのは、戦争の行方によっては、変更や中止もあり得るということでしょう。だってロシアは、「核攻撃も排除しない」と威嚇しているのですから。戦況が悪化したら、戦術核攻撃もあり得ると言うことなのでしょうか?指導者がそこまで人非人だとは思いたくない。
戦術核兵器とは一般に射程距離500km以下の核兵器を指し、朝鮮戦争の様な限定戦争に対して既往の戦略核兵器が抑止力として働かなかったため、危機感を持った米国が、核兵器の小型化を進め、全面核戦争のような世界大戦争から局地戦争まで、様々な規模の戦争で使える核兵器を開発することで戦争を抑止し、中ソを封じ込める戦略を立てたのでした。また、ソ連も米国に対抗するために戦術核兵器の開発を進めました。しかし戦術核兵器であれ何であれ、核戦力を実戦に使用することは、敵国も報復として使用することを意味し、更なる大規模な核戦争へと発展する危険が高い。
ストックホルム国際平和研究所の発表によれば2020 年1月時点での核兵器数は米ロともに6000基台に上ります。これは如何に膨大な恐ろしい数かを理解するには、例えば1メガトンの水爆たった一基が爆発した場合(地上爆発のケース)を想定すれば分かります。その時の爆風は100万トンの爆薬が爆発した時に相当し半径数km内のすべての建物が完全に押しつぶされます。また爆発点から半径3.2km 以内の人々は爆風で殆どすべての人が即死です。半径8km以内では普通の住宅は修理不能にまで破壊され、半径16km以内のすべての窓やドアが弾き飛ばされるのです。これは日米による一致する研究結果とのことです。しかしこれで終わりではありません、爆発の結果の第二陣として、強力な火球の発生がある。温度は2000万度にも達し、爆発点から8km以内では戸外や窓際の人のすべての衣服に火が付きひどい熱傷を被ります。住宅内の燃えるものすべてが燃え上がり、それが大火となりどんどん広がり燃えるものすべてを焼きつくします。しかしこれ以上に死者数を増やす要因がある。それは放射性降下物質です。地表近くでの爆発は地面を大きくえぐり、大量の土砂が空中に吹き上げられるのです。それはもう通常の土砂でなく放射能を浴びた放射性物質と化してしまっている。あの有名なキノコ雲がそれらを含んでいます。
英国の科学者たちは、大ロンドン地区に5個の水爆攻撃が加えられたケースの試算をしていますが、それによると、700万人の人口のうち500万人が死亡し、50万人が負傷、100万人ちょっとが負傷を逃れるという。死亡の内400万人は放射能によるものでじわじわと短期間で死に至る人が多いのだそうです。核爆発=即死でなく多くの人が苦しみあえぎながら死んで行くのです。米国の推定によると、大規模な核戦争が起こると、米国内だけでも人口2億3000万人の内1億5000万人~1億7000万人が死に、さらに3000万人から5000万人が負傷するといいます。しかし生き残った人たちにもさらに過酷な運命が待っているのです。
英国内務省の発表資料による市民の推奨核戦争対応として、ロンドンでは人口の13.5%が自宅に地下シェルターを有していているので、一四日分の備蓄食料などを保管すべきだとしていますが、実際は外気の放射能は一か月は高濃度過ぎてシェルターの外には出れず、餓死してしまう恐れがあるし、核爆発に伴う電磁パルスがラジオ、テレビ他の情報手段を使えなくし、どうしたらいいかの情報が全く無く、勿論電気や水道のライフラインは破壊しているので、使えません。下水システムの崩壊は、衛生環境を劣悪なものにし、チフス、コレラ他の伝染病が拡大する恐れがあります。勿論コロナ感染も爆発的に増加するかも知れません。こうした中、生き残った人々でも、まだ高濃度の放射線の空気を吸いながら街に出て食料をあさったり、農民は汚染された畑に出て行き農作物を掘り起こすかもしれない。しかしそれらの食料は十分に放射能汚染された食料なので、空腹は一時的に満たされても、間もなく死に至ることは必然的な結果となるのです。
たった5発の水爆でこれですから、まして全面核戦争となったら想像も絶する地獄絵でしょう。そして全面核戦争に広がる可能性が高い現在の米(NATO)対ロシアの核兵器体制の一つが、「ローンチ・オン・ウォーニング(警報発射)システム」なのです。この体制は、早期警戒レーダーシステムとコンピューターが敵の核ミサイル攻撃を探知するやいなや直ちに核による反撃を自動開始するようにプログラミングされているのです。(そうしないと敵の核攻撃で、自分の核戦力が全滅することがあり得るからです。)
このシステマティックな核戦略を欧米もロシアも構築しているという事ですし、一般的に謂われる偶発性の自動攻撃防止策の一つは、❝敵対する両陣営とも核兵器を使うことはないし通常兵器による攻撃に対抗して、戦術核を使うことはしないと宣言すること❞だと謂われるのにもかかわらず、ロシアはノーコメントどころか❝戦術核を使うこともある❞と宣言したのですから、核戦争の可能性は俄かに現実的になって来ているのです。
現在の人類の何十億の人々は、ここで絶滅しても良いと考えている人はほとんどいないと思います。むしろその危険性を考えて理解している人が少ないことが大問題です。
たとえ一握りの人類が生き残ったとしても、何年も何年も相当長い期間続くと科学的に予測されている「核の冬」を生き続けることは非常に困難でしょう。恐竜が絶滅した後の様に、代わりの生物が、特に放射能と極寒に強い生物が地球に大繁栄する世紀が到来するかなー?イヤダナー。