ウィーンフィルのミューザ川崎公演で特筆すべき点をもう一つ付け加えますと、最後の曲、「春の祭典」が終わると、指揮者エストラーダは、女性トロンボーン奏者を真っ先に立たせて挨拶させたことです。如何にこの曲で、トロンボーンの活躍が重要かを示しています。しかもウィーンフィルでは少ない女性奏者ですから。エストラーダは場内の声援に何回か応えて、指揮台にポンと登ったと思うと、いきなりアンコールの曲を振り始めました。ヨゼフ・シュトラウス『ポルカ シュネル Ohne Sorgen』。エストラーダはまさにShnellです。イヨ!待ってました。やはりウィーンフィルといったらシュトラウスを聴かなくちゃ!Porca Shnellはとても速い舞曲で、Ohne Sorgenはwithout worriesの意味。7分程度の曲ですが、エストラーダは客席を振り向いて手拍子を促し、観客の手拍子とオケが一体となって、あのニューイアーコンサートで演奏される『ラディツキー行進曲』の時の雰囲気を少しでも味わうことが出来ました。