HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ベルリンフィル・オープンデーのライヴ配信を観る

 予定していたプログラムの演奏順が若干前後するケースがあった模様です。演奏されたのはおおむね以下の順でした。

①ベートーヴェン『交響曲第9番』第1楽章

指揮:ヤニック・ネゼ=セガン


②クララ・シューマン『ピアノ協奏曲イ短調作品7』

ピアノ:ベアトリーチェ・ラナ(伊)



③ホルン八重奏及び子供達のおもちゃのホルン参加

Hrn.奏者八人+ゲスト

ウェーバー『魔弾の射手』から狩人の喜び

 

+Klaus Wallendorf  早口歌(日本語で歌った):「Tokyo Subway Polka」

+ドラムセット


+子供たち、おもちゃのホルン団と八重奏団の<狩人の喜び>


会場外でもモニターを見ながら子供が一生懸命吹いています。

対談



④ハープ&フルート&ヴィオラ(マルリーネ・伊藤)


・ィベール(三者で演奏)


・サンサーンス(ハープ&ヴィオラ)

ビオラの低音域の調べ、に対するオクターブアップの高音域の調べも挟み、重音も交え、終盤の高音演奏、速いパッセージの技巧的下行旋律など、かなりの超絶曲でした。堅実なハープ伴奏。

 

・ハープ独奏

・フォーレ『幻想曲』

 最初はフルートの鳴りが不足気味でしたが、二楽章からの速いパッセージでは、鳴りも切れも良くなり、ハープの合いの手も素早く、高音一音で終了したのもフランス的響き。柔らかい音同士の二重奏も、ピアノ伴奏とは違った味わい深いものがありました。

 

〇二台のティンパニによる演奏

この二人はいつも管弦楽団の演奏で交代で見かけます。師匠と若い優秀なお弟子さんと言った感じ。

先ずティンパニの付属具の使用と役割を師匠が説明。その後(世界初演)の演奏が行われました。

 通常の様にバチで太鼓を叩くのではなく、太鼓の表面の皮を特殊なバチ(?というより細い金属具)でソーと擦る様にして僅かな連続変化音を出し、太鼓の川の縁部分や少し中心寄りよりとかによって異なった連続音を出していました。

 後半はこの音に、通常のバチで叩いた音も交え、兎に角非常に変わった曲でした。この音を出すのには、どの様に楽譜に書いてあるのでしょうか?きっと音符で無い記号で表現しているに違いないと思いました。音楽としては余り感動的な物ではありません。兎に角、非常に変わった曲でした。演奏者は次のお二方でした。

 

〇クラリネット三重奏(Cl.Va.Pf.)

次の三者によるかなりレアーな組合せの三重奏。

でも、演奏を聴くと、何故モーツァルトが、フルートでなくクラリネットを好んだか分かる様な気がします。当時のフルートの演奏し難くさがよく理由に挙げられますが、それよりも、Cl.の音の柔らかさが、弦楽とピアノのアンサンブルにより一層フィットするからではないでしょうか?

 モーツァルトの曲の後、Va.とCl.の二重奏が一曲、次いで、ブルッフの三重奏曲が演奏されました。

その後ピアノが抜けて、Va.とCl.の二重奏でした。

休憩の後は「The Philly Show」です。当初のプログラムより遅い時間になった様です。

これは(音楽に相当詳しい)子供達にこの音は何か?とか言ったクイズを出し、スイッチボタンを押して早く正解を答えた子供が勝といった良くテレビ番組でやる遊びのクイズです。相当詳しい知識を有する子供たちが出ていました。

 

次は、パユと菊池洋子及びよくベルリンフィルの演奏で見かけるファゴット奏者の三人による三重奏の演奏でした。

 流石にパユはいい音色をたてていました。菊池さんはいつもの様な如才ない演奏で合わせていたし、Fg.奏者も地味な音ですが、相当な熟練者の音を出してアンサンブルの下支えをしていました。Fg.の音はユーモラスな感じがあり好きですね。

 そして今回の最後の演奏の組合せは、オルガンとTrmp. Trmb. Tuba等の金管とTimp.の組合せでした。

その他エルガーの著名曲も演奏されました。

 

【感想】

 これだけの演奏家と演奏設備・配信設備を動員して、無料ライブ配信を世界に発信するという驚愕的なプランを、一管弦楽団が実行したという事は、ドイツでは当たり前の事なのでしょうか?日本の管弦楽団だったら不可能なことの様に思えます。日本では、よく大学の学園祭がオープンにされ誰でも入場して楽しめることは有りますし、また様々な団体、会社、展示館が一年に一回、公開日を設けている場合も有りますが、音楽ホールが一日admission freeで演奏会をオープンにしたことは寡聞にして知りません。例えば、東京都交響楽団がホームグランドの東京文化会館で、演奏会を誰でも楽しめる様に半日オープンにし、しかもその様子を世界に向けてライヴ配信することは、逆立ちしても出来ない相談でしょう。先ず人的、資金的、設備的、三要素が足りません。益々円安になって世界の貧困国家に向かって、坂を転がり落ちる様な状態では、お先真っ暗らです。何せ知恵が枯渇し出している。人口=人材も不足している。この難局を先頭切って打開しようとする指導者も見当たりません。世界に目を広げ、少しでもやれるところから積極的にやって行かないと、益々日本は魅力がなくなり、世界から見放され、挙句は国民も国を見捨てて海外に移住する様な事態にならないとも限りません。注意が必要です。