HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

今日(3/6)は啓蟄(けいちつ)です

 歴書によれば、「啓蟄は、旧暦二月卯(う)の月の正節(せいせつ)で、新暦3月5日ころになります。このころは、長い間土の中で冬ごもりしていたいろいろな虫が穴を開いて地上に這い出して来るという意味です」

 二、三日前、近所を通りかかったら、擁壁の隙間から這い出たと思われる小さい虫を発見。気温は低くても直射日光の当る擁壁の隙間は暖かくなったのでしょう。今年初めて見た啓蟄でした。

 夜には家の中で、天井に一匹の蜘蛛が貼り付いているのに気が付きました。人間に悪さをしない「アダンソンイエクモ」です。ハエトリクモの別名もあり、名の通りハエを餌として捕らえるのです。冬の間は全然見掛けませんでした。

 昔(40年くらいは経つでしょうか?)純日本風の障子の桟の処で、何か黒っぽいものが動いたことに気が付き、近づいてよく見てみると小さな(5mm程の)蜘蛛が、同じ位の大きさのハエを頭の処で両足(手?)でもってしっかり押さえ、じっとしてます。きっとハエを捕まえてその体液を吸っているのだと思いました。それ以来日本中あちこち家を引越しても、どこでも結構家の中でクモを見かけましたが、そっとしておいているのです。大き目のクモ(7~10mm程)と小さ目のクモ(5~7mm程)を区別して前者を ❝フト❞、後者を❝ホソ❞といった愛称をつけ、或る時、出て来た近くに小皿に砂糖水を作って置いたりしたのですが、餌付けは出来ませんでした。やはり肉食系なのでしょうか? このクモは天井を逆さに動くことも出来ます。恐らく足の先に粘着性の機構が備わっているのでしょう。また天井からスート糸を垂らして降りてくることもあります。そうした時も構わずそっとして置くのです。

ぶら下がったクモ

 

 すると暫く垂れたまま少し揺ら揺らしていますが、再び糸を辿ってかなりの速度で、上へ上へとスルスル昇って戻って行くのでした。

 天井から数mは有るのによく切れないものです。この情景はこれまで何回か見かけましたが、その度に龍之介の書いた犍陀多のことを思い出しました。 

 啓蟄とは言え関東地方はまだまだ寒い日が有ります(明日からは暖かになる予報ですが)。

梅の花は盛りを過ぎ、ところどころ早咲きの河津桜などが春を先取りしています。しかし多くの木々はまだまだ葉芽も花芽も固い蕾のものが多いですね。大分膨らんで来てはいますが。

 

 中国宋の時代の七言絶句に次の様な作品が有ります。

 

『盡日尋春不見春/芒蹊踏遍隴頭雲/帰来適過梅花下/春在枝頭已十分』(宋・戴益)

 

春をもとめて一日中歩き回ったが春らしさはいまだしだった、幾重にも重なる雲を踏み分けて、しかし家に帰り梅の枝を見たら春を感じるに充分であった。

 

春は身近かな処に潜んでいます。