HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『第19回東京音楽コンクール優勝者コンサート』

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【日時】2022.1.10.(月・祝)15;00~

【会場】東京文化会館大ホール

【管弦楽】読売日本交響楽団

【指揮】下野達也

【出演】①亀居優斗(Cl)      *木管部門最高位及び聴衆賞

       ②梶田真未(Sop.)     *声楽部門第1位

            ③福田麻子(Vn)           *弦楽部門第1位 

      

(司会)朝岡聡

  

【演奏者Profile】

  • 亀居優斗(Cl) 

1995年。愛知県出身。 2014年愛知県立明和高等学校音楽科卒業。 2018年東京藝術大学音楽学部器楽科卒業 。 第87回日本音楽コンクール入選。 2019年第17回東京音楽コンクール木管部門第3位及び聴衆賞。 第30回日本木管コンクール第2位 。 2021年第10回日本クラリネットコンクール第2位 。  現在、東京佼成ウインドオーケストラ楽団員。 これまでに浅井崇子、井上京、伊藤圭、亀井良信の各氏に師事。

 

  • 梶田真未(Sop.) 

1986年。愛知県出身。2005年 愛知県立明和高校音楽科声楽専攻卒業。 2009年 東京藝術大学音楽学部声楽科ソプラノ専攻卒業。 卒業時に同声会賞受賞 2016年 第46回イタリア声楽コンコルソフィナリスタ。 現在、桐朋学園大学大学院音楽研究科音楽専攻声楽コース 修士2年在籍中。 これまでに谷津理恵子、三林輝夫、佐々木典子、岩渕嘉瑩、 大島幾雄の各氏に師事。

 

  • 福田麻子(Vn) 

1996年。神奈川県出身。 2015年第16回クロスターシェーンタール国際ヴァイオリン コンクール第2位及びバッハ賞(ドイツ)。 2016年第29回新人演奏家コンクール(市川市文化振興財団)弦楽器部門最優秀賞 。2018年第87回日本音楽コンクールバイオリン部門第3位。 2019年第18回東京音楽大学コンクール弦楽器部門第1位。 2020年第18回東京音楽コンクール弦楽部門3位。 2020年より紀尾井ホール室内管弦楽団シーズンメンバー。サントリーホール室内楽アカデミー第6期生。 現在、東京音楽大学大学院音楽研究科音楽専攻博士後期課程 1年在学中。これまでに、小栗まち絵、大谷康子、原田幸一郎、 藤原浜雄、玉井菜採の各氏に師事。

 

 

 

【曲目】

①クラリネット:亀居優斗 木管部門最高位 

G.フィンジ『クラリネット協奏曲 Op.31』

 

②ソプラノ:梶田真未 声楽部門第1位

    ②-1 G.プッチーニ『オペラ トスカより <歌に生き、愛に生き>』

 ②-2 A.ドヴォルザーク『オペラ・ルサルカより<月に寄せる歌>』

 ②-3 R.ワーグナーオペラ『タンホイザー』より <厳かなこの広間よ>

 

③ヴァイオリン:福田麻子 弦楽部門第1位

F.メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64

 

【演奏の模様】

 この日(1/10)は成人の日。でもオミクロン株の感染急拡大が重なって、式典が中止になったり、延期の処が多く出た様です。上野の文化会館15時からの開演なので、横浜から足を運ぶにしても楽勝の筈なのですが、遅刻してしまいました。途中で昼食を採ったのですが、入った店の選定が間違っていました。どこの店も乗換駅前は混んでいて、和服姿や成人式の帰りと思われるグループ客も結構多くて、コロナ感染が怖いので、どこか出来るだけ空いている店が無いか探している内に、駅からかなり離れてしまいました。やっと入った店は注文してから料理が出て来るまで相当時間がかかり、余程キャンセルして出てこようかなと思った位です。それでも待って出て来た昼食を急ぎかき込んで、駅まで小走りに急いで乗り換え電車に乗ったのですが、上野駅に着いたのが15hを過ぎていました。もう始まっているから入れないと思って、仕方ないからゆっくりとトイレに行ったり、切符清算(予定駅と違った駅だったので)をして、文化会館に向かったのです。案の定、演奏は始まっていて、次の演奏前にホールに入れて貰えるのでそれまで、大きなモニター画面でクラリネット演奏を聴いていました。クラリネット演奏が終わると遅刻した客を案内する入り口ドアのそばの席に案内されましたが、もう一人遅れて来た人がいました。横10席に遅刻者2人だけだったのですが、次の演奏終了後の休憩時に自分のチケットの本来の席に座る様に謂われました。でも自分の本来の席の方を見ると、一階の前方中央付近の席だったのですが、その辺りはびっしりと観客が入っていて、あれでは若し保菌者がいれば間違いなくうつってしまうと思い、係の人に、「後半遅れてくる人は少ないでしょうから、この遅れ客の席にとどまっていいですか?若し何人も遅れて来たらどきます。」と交渉して了解を得ました。そんな訳でクラリネットの演奏は生でなくモニター画面で聴いたのです。

①亀居さんの演奏は、モーツァルトやウェーバーの協奏曲でなく、フィンジという作曲家のものでした。フィンジは英国の作曲家でホルストやボーン・ウィリアムズと同じ頃の人です。50歳半ばで白血病で亡くなったそうです。彼の息子は、若くして亡くなったチェリスト、ジャックリーヌ・デュプレ(バレンボエムの最初の奥さん)のお姉さんと結婚したそうです。亀居さんの演奏はモニターで見る限り、落ち着いた様子で音もいいし、生で聴けなかったは残念至極。今度機会があったら聴いてみましょう。

②梶田さんの歌は、声も綺麗だし声量もかなり出ていたし、文化会館大ホール初舞台としては立派な演奏だったと思います。歌曲やオラトリオ等の声楽曲も歌えそう。 ハープのポロン、ポロンという音で始まる②-2の歌はとてもロマンティックな感じのする歌ですね。前日ドヴォルジャークの「新世界」を聴いてきたのですが、歌曲も素晴らしい。彼はやはり天才ですね。これを歌っている梶田さんの歌詞の発音がはっきりしないな?と思ったら、チェコ語だそうです。道理で分らなかった訳です。梶田さんは、経歴によれば音大の大学院でさらに学んでいる様ですから、今後ますます精進されて、オペラを歌えるソプラノに成長して欲しいものです。

 

③福田さんの演奏は、昨年8月、このコンクールの本選の時聴いています。その時のhukkats記録(2021-08-27第89回東京音楽コンクール本選Ⅰ『弦楽部門』拝聴をめくって見てみると ❝福田さんは各楽章に散りばめられた高度なテクニックを要する箇所もほぼ完璧にこなし、チャイコフスキーのこの名曲を、完全制覇したと言っても過言でないでしょう。この曲は確か福田さんの所属する東京音大で教鞭をとられる、神尾麻衣子さんがチャイコフスキーコンクールで覇者となった時に、素晴らしい演奏ぶりを見せた曲ですね。福田さんも将来挑戦してみては如何が?❞とありました。本選ではチャイコフスキーのコンチェルトを弾いたのでした。今回の発表会では、メンデルスゾーンのコンチェルトでしたが、やはりほぼ完ぺきな演奏です。でもチャイコフスキーの時と比べて全体としてやや弱いかな?やはり後者の曲の方が長い時間、期間、弾き込まれた感じがしました。 経歴を見るとまだ20代半ばですから、これからたっぷり時間があります。着実に成長されることを期待します。福田さんは確か昨年6月に、サントリーホールでの『 室内楽アカデミー・フェロー演奏会Ⅱ』で四重奏団の一員として弾いていた記憶がありますが、そうした活動も血となり肉となるのですから、是非続けて欲しいものです。

 それにしても、ここ数日のコロナ新規感染者数はうなぎ登りで、予想された通りオミクロン変異株の強い感染力が席圏している状況と思われます。かなり危険領域に近づいているので、大ホールでのコンサートの様な大規模イヴェントに行くのは、暫くはひかえた方がいいのかな等と思ったりする今日この頃です。