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綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

 『第89回日本音楽コンクール1位入賞者発表演奏会』

 表記の演奏会は、昨年は、2月28日に行われましたが、やはりコロナ感染者数が問題となっていた記憶があります。今年は緊急事態宣言中の開催となり、まるまる1年状況の好転がなかったことになります。現在の状況を見る時、1年前がどうだったかを思い出すと、いろいろ考えさせられますね。参考までその時の記録を文末に<再掲載1>としておきます。                     さてこの音楽コンクールは、年によって楽器が異なる部門があるのです。

  1991年の第60回を機に、声楽部門は「オペラ・アリア」と「歌曲」に分けられ、隔年で実施されることになりました。また、管楽器部門の審査はフルート、クラリネット、トランペットの3種に絞られることになりました。例えば、作曲、声楽、ピアノ、ヴァイオリン、各部門の他に、チェロ部門がある年は管楽器部門がありません。

今回の各部門の1位受賞者及び発表演奏曲等は、次の通りです。

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第89回日本音楽コンクール受賞者発表演奏会

【日時】2021年3月4日(木)19h~

【会場】東京芸術劇場コンサートH.

【出演者・演奏曲】

①作曲部門 波立裕矢(東京藝大大学院修士課程在学中)
 『模細工状の蝶/重力Ⅳ(作曲部門受賞作再演)』

 

②声楽部門:小林啓倫(国立音大・大学院修士課程卒、二期会所属)
マーラー『子供の魔法の角笛より 死せる鼓手』

 

③ピアノ部門 山縣美季(東京藝大1年生)
ラフマニノフ『ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18より 第2、第3楽章』

 

④バイオリン部門 北川千紗(東京藝大卒、桐朋音大大学院修士課程在学中)
バルトーク『バイオリン協奏曲 第2番より 第1楽章』

 

⑤チェロ部門 水野優也(桐朋音大ソリスト・ディプロマ、リスト音楽院(大学)在籍) チャイコフスキー『ロココ風の主題による変奏曲 作品33』

 

【指揮】三ツ橋敬子(東京藝大・大学院卒。ウィーン、イタリアに音楽留学。)

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

    今日の東フィルは、基本二管編成(曲により増減有)弦楽五部は12型。

 最近は、せいぜい室内楽編成しか聴いていないので、本格的オーケストラは、昨年の「ウィーンフィル」以来です。 もともとコロナ対策で少ない座席数の枚数でチケットが売り出されたためか、広いホールは、空席が目立ちました。1階のステージ近くだけは、7~8割方埋まっていましたが、私は、いつもながらピアノの鍵盤が見下ろせる席です。前列5~6席は誰もおらず、自分の列は、もう一名だけでした。オーケストラの細部もよく見えるので、自分好みの最高の位置でゆったりと楽しめました。

【演奏の模様】
演奏順が、当初の予定の〇から当日配布されたプログラムでは、の様に若干変わった様です。


作曲部門 波立裕矢作曲『模細工状の蝶/重力Ⅳ』

 これまで聞いたことも無い様な風変わりな音や、どんな楽器からこの様な調べが出るのだろうかと不可思議に思える程の打楽器のアンサンブル、それでいて音はバラバラでなく統合性があり、弦達とも良く調和しています。プログラムで語っている作曲者本人の言によれば、”「蝶」 に興味があり既存の蝶関係の複数の曲から素材を演繹し、自身のアイデアを織り込むことで、再統合を試みた。さらにそれらの原曲のテクスチュアにも関心を持ち、たとえば、16分音符の無窮動が織りなすテクスチャア、緩急豊かな進行のテクスチャア主題、それらの間を彷徨うテクスチャアを設計した。” のだそうです。 その演奏を聴いていて、なる程「蝶」の舞いが脳裏に浮かぶ箇所もありましたが、全体的には、蝶の他の昆虫達も、又ヤモリやミミズやねずみなどの小動物達も次々に現れては、深い緑の草木のかげに消え、又見え隠れするイメージを抱きました。アンリ・ルソーの絵を見ている感じ。あれ、これってつい最近感じた幻想に似ています。いつだったっけ?そうそう伊藤万桜さんが弾いたイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタを聴きながら抱いた幻想だ。そんなに類似点があるのかな?いや似ていないな。第一、楽器が違うし、自分の感受性が、ルソーの絵を想起し易くなっているだけかも?

 面白い曲です。違和感を感じない気持ちが受け入れやすい現代曲でした。すぐれていると思います。  
 

チェロ部門

 この曲は時々聴く曲です。親しみのある覚えやすいテーマ曲があるからでしょう。

昨年11月にウィーンフィルが来日公演した時、堤さんが独奏したのを聴きました。

参考までにその時の記録を文末に《再掲2抜粋》しておきます。

 水野さんも主題のメロディーをうっとりとした様子で弾いていましたが、聞く方もうっとりでした。変奏の後半で低音がずっしりと腹に響く心地良い瞬間も有りました。堤さんの演奏と若い人の演奏は比較出来ないですが、今回はチェロの良い特性を存分に出した演奏だと思いました。 

 

声楽部門

 小林さんの歌は以前に一度聴いたことがあります。と言うのも昨年、今回のコンクールの主だった部門の本選を聴こうと思ってチケットサイトを見たら、ピアノ、ヴァイオリンなどは既に売り切れてしまっていて、まだ残っていた声楽部門のチケットだけ手に入りました。それで「声楽部門本選」を10月に聴きに行ったのです。その時聴いたのでその記録を参考まで《再掲3》としておきます。

 同じ曲を約半年後にまた聴いた訳ですが、その時よりも上達していました。特に歌の前半が、抑制が効いてマーラーらしさがより効果的に表現できたと思います。

 

ヴァイオリン部門

 バルトークの小品(室内楽だったかな?)には、短くあっさりして清潔なさっぱり感のある曲があって、以前聴いた時には心地良い雰囲気が残った記憶がありました。今回のコンチェルトは、それと真逆でした。初めて聴いたのですが、相当なテクニックを要する難曲らしい作品を、なんなく弾きこなしているその技量には感心しましたが、何せ音の響きが全体的に特徴の少ないメロディに聞こえ、理解を超える響きにも聞こえ、退屈になって、次第に眠気を感じてしまい、詳細な特徴まで掴めなかったのが正直な処です。聴く人のための曲というよりも弾く人のための曲ですね。第一楽章のみでしたが、第二、第三楽章も似たような感じが続くのでしょうか? 

 

 ピアノ部門

 山縣さんは、第二楽章から弾き始め第三楽章も弾きました。出来れば第一楽章のあの甘い流れる様な弦の主題演奏と、ピアノがポロンポロンと合わせ続く気持ち良い流れを聴いてみたかった気もします。一人の演奏者の持ち時間に限度があるのでしょうから仕方ないです。

 二楽章では、山縣さんは、スタートから柔らかい物腰と指使いで気持ち良さそうに体を少し左右にくねらせながら弾いていました。クラリネット⇒フルート⇒弦に引き継がれる主題に、ピアノの伴奏的ともいえる程の質素な分散和音で合いの手を入れて弾いていました。次第にテンポを上げ指使いも強くなり、ffの音は山縣さんは少し腰を浮かせて強い打鍵をしていました。

 再びゆったりしたテーマに戻り、弦のppのアンサンブルとピアノの音が心地良い流れを作り終了。情緒豊かな二楽章でした。それにしても、ここでは弦と(限定された)管の調べとピアノのやり取りが、手に取る様に見られて、そこに必ずと言っていい程、各楽器のソロ部分、ピアノのカデンツア的ソロ部分及びカデンツアが組み合わされ、清明なモザイク画の様に音を散りばめているラフマニノフのセンスの良さには感心します。

 後半のホルンとピアノのやり取りでは、ホルンは4つとも楽器の特徴を生かした息の合った音を出していましたが、この辺りも他の楽器とのやり取り部でもピアノがやや控えめ過ぎるのでは、どの楽器のコンチェルトか分からなくなってしまう感じがしました。これは楽譜にそう記載されているからそうなるのでしょうか?私には分かりませんが。

 次の第三楽章は、山縣さんは、両手を鍵盤の全体に走らせ、クリッサンド(?通常は無いのですけれど、そう見えたのですが、音ははっきり認識できなかった)から速いテンポで軽快に体を上下に振りながら大きな音で弾いていました。かなり指に力が入っている筈ですが、まだ五指の間隔は綺麗に揃え、少し丸めています。音はもっともっと強く出る予感が指使いからも分かる。一旦ゆったりとしたメロディに戻ったかと思うと再度速いテンポでffの音がピアノを揺るがし、最終部分は猛スピードで突っ走りました。オケも大轟音をたてて終了したのですが、オケが全開になるとピアノの音はほとんど分別出来ない、聞こえない。山縣さんは指を直線近くに伸ばし鍵盤を叩いているのは良く見えるのですが。オケの編成が大きすぎるのでしょうか、いやそれはある程度作曲家が指定しているのでしょうからないでしょう。やはり、男勝りの力づくでピアノを叩くアルゲリッチの様な女流ピアニストになるにはこれからなのでしょう。

 でも演奏後の聴衆の(歓声は無い?ですが)拍手はすごかったですよ。この日一番の喝采が起こりました。

 それにしてもこの曲は、各楽章共、何とロマンティックな個所が散りばめられているのでしょう。迫力満点の箇所処も多く、ピアノコンチェルトの中ででも、指折り数えられる名曲に入りますね。

  東フィルの演奏は、管の第一奏者がいい音でソロ部分の聴きどころを光らせていました、ではオーボエ、フルート等。曲によってはテューバが太い音で効果を上げていました。3~4本のホルンは最後まで息が合っていました。の曲では、パーカッションが大忙し、様々な打楽器や小さい小物を次々に繰り出して演奏していました。④ではハープまで総動員でした。弦は 五部とも安定したアンサンブルでした。ピッツィカートも乱れは感じられませんでした。三ツ橋さんは、随分きびきびと指揮していました。良かった。


    ところで、3/7までの緊急事態宣言がさらに2週間延長される報道がありました。東京の重症入院者数が減らなくて、新規感染者数も一旦へったものの最近は減らないどころか、増えている日もあるというではないですか。感染経路不明者が半数近くに及ぶそうです。夜の街の規制を続けても、これ以上の効果はないのではなかろうか?何か別の要因があるのだとしたら、感染経路不明者の原因を徹底的に分析するしかないのでは?今まで経路不明者の毎日の行動記録のデータは、どこかの役所に蓄積されているのでしょうから、それを統計的手法を駆使してコンピュータ解析すれは、相関分析、要因分析ができるのでは?仮にデータ量が膨大であっても、こんにちはビッグデータ解析が可能な時代です。そうしたことは、今までやってきていないのでしょうか?それをやる能力が役所にないのであれば、それが出来る外部の専門機関(民間企業、大学、研究機関など)に委託すればいいのですから。一刻も早く、感染者数が減らない原因を明らかにして、そこをピンポイントでやっつけて感染の芽を摘まないと、芽は春になりどんどん伸びてしまう恐れがあります。そしたら、オリンピックだって出来なくなるかも知れません。

 文末に再掲載した1年前の記事にも書きましたが、”「救国的研究集団の体制」を早急に整備し、コロナワクチンや治療法を早期に確立すること”など、日本は結局他国に先んじてはできなかった訳です。かっての日本の「科学技術立国」は何処に行ってしまったのでしょう?世界に遅れを取ってしまった。このままでは、いつまでたっても少子化問題も解決しないし、衰退の一途を辿ることが懸念されます。

/////《再掲1》//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 

『第88回日本音楽コンクール受賞者発表演奏会』を聴いて

編集

 

 東京オペラシティコンサートホールで2月26日(水)18:30~開催されたこの音楽会は、毎年恒例のもので何ヶ月も前にチケット売出しと同時に購入しておいたものです。その時はまさか今日の様な状況は、考えてもみませんでした。そうしたチケットは今、数十枚持っていて、家人に「新しいチケットは、当面買わないこと」と強く申し渡されているのです。でも大きな演奏会のチケットは、何ヶ月も前から売出されすぐ完売の場合も多いですし、今夏のスカラ座来日公演や晩秋のウィーンフィル来日公演のチケット販売もそう遠くないですし、ぜひとも聴きたい気持ちはありますし、疫病が早期に終息してくれれば良いと思う気持ちで一杯なのです。何時、公演中止や禁足令が出て、聴きに行けなくなるかもしれない。ウイルス感染に万全の注意を払って、行ける限度まで聴きに行こうと思っています。
 前置きが長くなりましたが、今回の優勝発表者は、①松本真結子(作曲)②山本楓(オーボエ)③東亮汰(バイオリン)④瀧本実里(フルート)⑤小堀勇介(テノール)⑥亀井聖矢(ピアノ)の六名です。演奏曲目は、添付のパンフを参考にして下さい。

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 これらの演奏の中でも、最高に面白く風変わりだったのは、①の作曲部門優勝曲です。まず楽器構成が、ユニーク。弦楽はVn. 2 Va1 Vc1 B1、管が無く、打というかパーカッションと言った方がいいかな?二名、二人の奏者の周りには、様々な打楽器(大太鼓1,ティンパニー1,マリンバ1,シンバル0.5,トライアングル1,何故か水入りの容器&柄杓,ティッシュケース他)が取り巻いています。兎に角変わった演奏法でした。太鼓の皮をこすってみたり、皮の上に何やら小物を置いて手のひらで転がしてみたり、指で鍵盤を弾く様な仕草をしたり、太鼓も驚いたのではなかろうか。この様な使い方をされて。極めつけは、ティッシュを取り出す音、破く音、広げたり丸めたり、こんな音たちを音楽に取り込むなんて、一種の発明ですね。弦楽の方はというと、高い音程でVnが弓を弱くあて、掠れる様な音を立てるとまるで、管楽器の音かと聴き紛う程の音がする。ヒューヒューと掠る様な不思議な音。これらの音にPf,Va,Vc が合わせて合奏している。最初は全体が耳を澄まして聴く程のピアニッシモで、時折ポロンポロンポツンと あたかも太いツララが春風に溶け始め、その先端から雨だれが落ちる様子を、歩いは水琴窟を連想させるアンサンブルから次第に音が大きくなって、大音響の響きは近代的な製造工場の鋳造、鍛造、プレスなどの音を連想させる強く大きなものでした。これはあくまで私の連想であって、作曲者は別な連想でこうした音を作りあげた様です。配布された「作品ノート」と題した1枚のリーフレットによれば、「風の形象」と曲は名付けられ、弦楽器で風の音を、打楽器で風によって揺れ動くあらゆるものを表象したといったといった趣旨の事が書いてありました。曲の合間に’楽譜にどの様に書いてあるのかな?音符でかな、ティッシュのところは’ などと友人同士で語る声が聞こえました。この曲が、優勝発表演奏会の優勝曲かな?
 次いで②のオーボエの演奏。やはり一位になるくらいの奏者ですから、技術的にも音楽表現的にも高い水準だと思いますが、欲を言えば、オーボエ独特の冴え冴えとした響きがもっと感じられればいいなと思う。あの響きが、オーケスト演奏を聴いた時でもすごき好きな音です。ロングドレスが春らしくてさわやかでした。
 続いて前半最後の演奏、③バイオリンの演奏。ブルッフの名曲として「バイオリン協奏曲1番」に次いでこの「スコットランド幻想曲」は有名、時々演奏会でも弾かれます。さすがに桐朋の弦演奏者、素晴らしかった。でも高音に比し低音部の響きが胸に迫って来る時が少なかった。
 休憩を挟んで次は④のフルートの演奏。瀧本さんは、東京音楽コンクールでも優勝したのですね。その演奏会に聴きに行きました。その時の感想として書いたのですが、“微塵のミスもなくテクニック的には完璧。表現力というか音楽性を、ニコレの演奏を参考にして会得出来れば、さらに素晴らしくなるのではなかろうか”。今回、良く聴くモーツアルトの曲を演奏するのを見て、度胸があると先ず思いました。ポピュラ―で有名な曲程、比較されるので演奏しづらいと思います。でも何のその、彼女は堂々と朗々と良く楽器を鳴らして演奏しましたが、表現力、音楽性の磨き上げは道半ばの感がしました。
 五番目は⑤テノール演奏。確かに声もいいし、高音も大きな音でしっかりと発声、全体的に日本人歌手のレベルがアップしている情況が良くつかめる演奏だったと思いますが、二番目のロッシーニの曲では、コロラチューラと早口歌の表現がまだまだの印象がしました。
 最後のピアノ演奏は、チャイコフスキーの協奏曲1番です。卒なくテクニックも十分に力強く弾いていて特に最後近くのカデンツアの箇所は良く弾けていたと思います。全体的に音の煌めき、輝きがもっとあればさらに良くなるのではと思いました。
 以上、皆さん(作曲、声楽などを除き)3歳とか4歳とか幼少から技術を磨かれてきた若者たちばかりなので、しっかりとした基礎の上に、きちんと優秀な演奏家の建築物を、建てつつある訳なのですが、毎年若干の差はあっても皆何か似たような感じの演奏で、面白さ個性の輝きがあまり感じられないような気がするのです。世界には数えきれない位の同じような競争相手がいるのですから、今後の演奏家は、益々個性的な演奏をし、音楽愛好家の関心と驚嘆を如何に引き出せるかに勝負がかかっているのではないでしょうか。
 ところで昨日は一日プライベートな用事で出かけていて、ニュースも聴けなかったのですが、家に戻って、政府が「国内のスポーツ・文化イベントを2週間自粛要請した」「全学校、臨時休校するように要請する」といったニュースが報道されていました。若干遅きに失した感が無いことは無いですが、いよいよ来たかという実感もします。政府も良く決断しました。コロナに肉を切らせて骨を切る、コロナの!これらの影響で、早速、2月29日(土)の音楽会が中止または延期となりました。一つは「神奈川県立音楽堂でのオペラ、シッラ」二つ目は「慶応大学ワグネル・ソサイエティ・オーケストラ演奏会」。二つともチケットは買ってあり、はしごしようと思っていたのですけれど、まあ仕方が無いですね。

 次に政府に願いたいことは「救国的研究集団の体制」を早急に整備し、コロナワクチンや治療法を早期に確立することですね。日本の科学技術を持ってしたら必ず出来ます。それが世界において日本が貢献できる大きな力となり、ひいては日本を衰退から救う大きな契機となる可能性があると思うからです。 

/////《再掲3》//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 

『第89回日本音楽コンクール声楽部門本選会』拝聴

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 毎年恒例の第89回日本音楽コンクールの本選が

 

、10/24~10/27の日程で開催されています。

 今日(10/26)タケミツメモリアルホールで行われた声楽部門の本選会の模様を聴きました。

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日本音楽コンクール(声楽部門)

出場者は次の六名です。(演奏曲目は『』内)

①秋本悠希(メゾソプラノ、東京藝大大学院修了)
・團伊玖磨『「舟唄(片恋)《五つの断章より》』
・A.シェーンベルク『4つの歌作品2より「1期待  2僕にあなたの金の櫛を下さい 3高揚 4森の太陽」』

②前川そふぃあ(メッゾ、カーティス音楽院)R・シューマン『女の愛と生涯より 「1あの人に会ってから 3私には分からない、信じられない 6 優しい友よ、君のまなざしは 8今あなたは最初の悲しみを私に与えた」』

③井上大聞(バリトン、新国立劇場オペラ研修生)
R.ヴォーン・ウィリアムズ『旅の歌より「1放浪者、3道端の火、4青春と恋、6無限に輝く天、7私はどこにさすらうのか、8言葉の響きは明るく」』

 <20分の休憩〉

 ④照屋篤紀(テノール、武蔵野音大大学院修了)
S.カルク=エーレルト『幸福の杯作品62-1〈4つの詩より〉』
A.ライマン『ヘルマンに』
R.シューマン『ひそかな涙作品35-10〈12の詩より〉』
R.シュトラウス『愛の賛歌作品32-3〈5つの歌より〉』

⑤小林啓倫(バリトン、国立音大大学院修了)
G.マーラー『子供の魔法の角笛より(死せる鼓手)(少年鼓手)(原光)』

⑥谷垣千沙(ソプラノ、シュツットガルト音大大学院修了)
シューベルト『秘やかな恋作品106-1D922』
中田喜直『サルビア』
H.プフィッツナー『菩提樹の下でOp.24-1〈声とピアノのための4つの歌曲より』
H.ヴォルフ『慈母マリア像を前にするグレートヒェン』


【演奏の模様】
皆さん殆どの出場者が堂々と自信満々そうに登場しました。プロの歌手でもあそこまではしません。普通に何気なくではいけないのでしょうか?


①あまり聞いたことのない歌が多く、團伊玖磨以外は、言語も何かはっきり聞き取れませんでした。姿勢はとてもいいのですが、音の出所が不明瞭。声は奇麗でした。

②まるで椿姫が登場したのかと思う程のフンワリした大きいドレスを着用、腹部をキュッと締めつけて発声に影響ないのでしょうか?シューマンの有名歌曲で勝負した姿勢は評価したいですが、残念ながら愛の表現力不足。この曲の偉大さが大きすぎましたか?声は奇麗でしたよ。

③声量もありバランスもよく迫力ある歌声を響かせていました。でもこの歌い方は、オペラ的過ぎませんか?

④声は大きいのですが、申し訳ないです、魅力を感じませんでした。歌としての統合性がもっと出るといいですね。

⑤最初の歌は、大きい声で力演しているのですが、歌曲の良さが伝わってきませんでした。次のゆっくりとして、しみじみと歌う段になって`本領を発揮しました。それにしても、マーラーの歌曲にはいいものがありますね。いいと感じました。

⑥歌曲の王道のシューベルトやヴォルフを歌う姿勢はとてもいいです。声もやや細いですが、奇麗なソプラノです。余りにも知られた曲だと他に一段と抜きん出るには、相当な技量が必要になるでしょう。

以上感じたことでした。声楽部門を聴きにきたのは、ひょっとして、歌の大器に巡り会うかも知れないとの期待があったためでしたが、残念ながら残念な結果でした。でも未完の未完大器は、二人程いたと思います。何番目の出場者かは申しませんが。 

/////《再掲2抜粋》/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////