HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

映画『甦る三大テノール 永遠の歌声』観賞

  今日3月3日(水)はひな祭り、ここ数日は地域によっては、戻り冬かとも言える程 寒い日も有りましたが、やはり三寒四温、陽気は着実に春に向かっています。先日の2月28日(日)も気温が上がり、暖かい日ざしに誘われて映画を見に行ったのですが、午前中の上映で昼には終わったので、その足で帰宅途中寄り道し、ひな人形飾りを見てきました。神奈川県座間市の座間神社です。境内の77段の石段に凡そ1千体のひな人形が飾られていました。一足早い雛祭りでした。

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座間神社の雛飾り

 交通整理をしていた神社の若い出仕の人に訊いたら、同神社に納められたものを供養後、展示に生かしているそうです。昨年は3月4日まで展示されたそうですが、今年はひな祭りの今日3月3日が最終日とのことでした。階段の上には本殿があり、またどういう訳か梵鐘まであり、参拝者が鐘をついていました。

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 恐らく、昔行われた神仏分離の時、お寺の鐘が廃仏毀釈の被害にあわなかったので、そのまま残ったものと思われます。  

 一方、午前中に見た映画は三大テノールに関してのドキュメンタリー映画でした。その概要は次の通りです。

(Ⅰ)映画『甦る三大テノール 永遠の歌声』

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【日 時】2020.2.28.(日)10:00~ 

【会 場】川崎市アートセンター アルテリオ映像館 

【出 演】ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、

【指 揮】ズービン・メータ

【管弦楽】フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団&ローマ国立歌劇場管弦楽団

【経 緯】 正式H.P.のプロモート記事には、三大テノール公演の経緯等に関して以下の様に記載されています。

1990年7月7日土曜日、イタリア ローマ。1980年に世界遺産に登録されたカラカラ浴場は万雷の拍手が鳴り響いていた。6,000人の観客の拍手は、ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス、そして指揮者ズービン・メータ率いるフィレンツェ五月音楽祭管弦楽団、ローマ国立歌劇場管弦楽団に送られていた。その日は、6月8日からイタリアで開催されていた第14回FIFAワールドカップ、西ドイツ(その年10月3日に東ドイツと再統一)とアルゼンチンの決勝戦(7月8日ローマ)の前日であり、イタリアだけでなく世界がサッカー熱に沸いていた。コンサート当日は、3位決定戦でイタリアがイングランドに勝利、舞台に立つ3人とともに観客が歓喜したことは言うまでもない。

4年後の1994年6月17日から7月17日までアメリカで開催された第15回FIFAワールドカップでの決勝戦前夜祭コンサートが再び開催された。7月16日土曜日、ロサンゼルス、ドジャー・スタジアムには5万6000人の観客が奇跡の歌声のために集まった。フランク・シナトラ、アーノルド・シュワルツェネッガー、ヘンリー・キッシンジャー、ブッシュ前大統領夫妻(1993年1月に大統領退任)等多くのセレブが彼らの歌唱を楽しんだ。世界100以上のネットワークで放映され、13億人が視聴した。その後三大テノールの世界ツアーがはじまり、日本、オーストラリア、スウェーデン、ドイツ、アメリカへと彼らの活躍は続いた。
1998年6月10日から7月12日までフランスで開催された第16回FIFAワールドカップでは、7月10日金曜日、パリ、エッフェル塔の下シャン・ド・マルス広場、10万人が彼らの歌声に酔いしれ、(映像紹介は本編にはございません。)2002年5月31日から6月30日まで日韓で開催された第17回FIFAワールドカップでは6月27日木曜日横浜アリーナで開催、5万人を超える観客を魅了した。

 

【曲 目】

〇星は光りぬ、妙なる調和(歌劇≪トスカ≫) プッチーニ
〇誰も寝てはならぬ(歌劇≪トゥーランドット≫) プッチーニ
〇ありふれた話、フェデリコの嘆き(歌劇≪アルルの女≫) チレア
〇アメリカ(映画『ウェスト・サイド物語』) レオナルド・バーンスタイン
〇バラ色の人生 エディット・ピアフ
〇ニューヨーク・ニューヨーク ジョン・カンダー
〇ムーン・リバー ヘンリー・マンシーニ
〇オ・ソレ・ミオ ディ・カプア
〇マイ・ウェイ ポール・アンカ
〇帰れ ソレントへ クルティス

 

【概 要】

映画の上演館の『アルテリオ映像館』は、新百合ヶ丘駅北口徒歩8分位の処(テアトル・ジョリオ・ショウワの(駅を挟んで)反対側)にある川崎市が運営する映画館です。 f:id:hukkats:20210303131924j:image

 30分前に着いてチケットを買ったのですが、狭いロビーには待つ人達が結構いました。

全座席の半数を売り出したそうです。コロナ禍の昨今では、当たり前の新ライフスタイルなのでしょうか。でも、何らかの収入アップ策を講じないと採算は取れないでしょうね(音楽ホールも同じことですが)。

 この映画は、三大テノールが歌うステージだけでなく、それが如何にして成立したか、何故この三人なのかを示唆する関係者の多くの証言やそのバックステージのドキュメンタリです。証言者は例えば、

〇マリオ・ドラディMario DRADI                                                                     マネージャー、カラカラ浴場コンサート・プロデューサー ※最初の“3大テノール”競演の発案者。当時、3大テノールのリハーサルが行われたローマ歌劇場でインタビュー。ヴェローナにあるドラディの自宅にて個人所有の記録保管室を紹介・ 

〇ノーマン・レブレヒトNorman LEBRECHT                                                                       イギリスの音楽ジャーナリスト/作家 

〇ディディエ・ド・コッティニーDidier de COTTIGNIES                                                           ※デッカ・レコード:イギリスのレコード会社。現在はユニバーサル ミュージックグループの傘下。 

〇ライナー・ストーブ腫瘍専門医Dr.Rainer STORB                  カレーラスの担当医※フレッド・ハチソンがん研究センター(アメリカ、シアトル) 

〇ブライアン・ラージBrian LARGE                                                                                     オペラとクラシック音楽を専門とする世界有数のテレビ・ディレクター。 

〇ブリン・ターフェルBryn TERFEL                                                                                       イギリスのバス・バリトン歌手 

〇ジョセップ・ヴィヴェスJosep VIVES                                                                                  FCバルセロナ・スポークスマン 

〇ニコレッタ・マントヴァーニNicoletta MANTOVANI                                                         ルチアーノ・パヴァロティの2番目にして最後の妻

 

といった具合で多岐にわたります。

 こうした多面的な証言をもとに、三大テノールのステージに至った経緯を明らかにしていました。

 【感 想】

    何故、三大テノールのコンサートが可能になったか、そして如何にしてそれが大成功したかを、分かり易く端的に纏めた優れたドキュメンタリー映画です。無駄が無いスムーズなストーリーの流れ。ドキュメンタリーというので、物語りに割いた分三人の歌は、かなり少なくなっているのかなと思っていましたが、何の何の色んな歌をたっぷり聴かせてくれました。

 三大テノールの饗宴は、その頃サッカーWorld Cupがあって、それが切っ掛けでした。プロデューサーのマリオの発案で、ルチアーノとプラシドとホセ三人をFIFAワールドカップイタリア大会の開会式でズビン・メーターの指揮で歌わせようと四人を呼んで相談したところ、パヴァロッティとドミンゴは、相当なライヴァル意識を持っていて反目したそうです。それが取り敢えず一曲歌ってみよう、ということになって歌い出したら、二人の気持ちが溶けて融和し初め、三大テノール共演の企画がついにまとまったというのです。このエピソードは如何に音楽が敵愾心を消し去り、皆仲良しにするかとういう見本のような話でした。

 カレーラスはその三年前に白血病に倒れ、死線をさまよったのですが、骨髄移植によって奇跡的に回復していたのでした。

 三大テノールの歌声は世界中に流され膨大な数の人々の耳に届きました。このライオンとも虎とも言える、いや恐竜に例えるべき三人の咆哮は、人類史に記念すべき一大記念塔を樹立したのでした。

 兎に角カレーラスの声は美しく、病気だったことを微塵も感じさせない力のある声で歌い、ドミンゴもさらに柔らかな綺麗なテノールで見事な歌いまわしで追随し、パヴァロティは、天衣無縫な声を広い会場一杯に響かせ、それはそれは将に夢の様な競演(饗宴)でした。もう暫くは、恐らく数十年はこうした演奏は聴けないかも知れない。現在世界の第一線で活躍しているテノールを頭に浮かべて見ても、グリゴーロ、フローレス、カウフマン、ホセ・クーラ、アルバレス、その他もろもろ、まだまだ三大テノールの域に達しているとは思えません。イル・ヴォーロに至っては笑止ものです(これは失礼)。

 音楽は、「生で聴くのにしくは無し」ですが、やはりこうしたケースですと映像、録音は人類の財産として非常に貴重になってくると思いました。