
【鑑賞日時】2025.12.23.(火)19:00〜
【会場】NNTTオペラパレス
【公演期間】
2025.12.19(金)~2026.1.4.(日)
【予定上演時間】2時間10分(第1幕50分 休憩30分 第2幕50分)
【23日以降の公演日程】

【主催者言】
新国立劇場の冬の風物詩として、開場以来バージョンを変えながら愛されてきた『くるみ割り人形』。2025/2026シーズンは、英国の振付家ウィル・タケットによる新国立劇場オリジナル版を新制作いたします。バレエにとどまらず、演劇作品や、様々なジャンルをミックスしたクロスジャンルの作品を手掛け、オリヴィエ賞など数多くの賞を受賞し世界的に活躍しているウィル・タケットが新国立劇場バレエ団に作品をつくるのは、2023年に世界初演した『マクベス』に続き2作目。同じく『マクベス』を手掛けた美術・衣裳デザイナーのコリン・リッチモンドと共に、カラフルでスイートな『くるみ割り人形』の世界を創り上げます。新国立劇場からお届けする、ホリデーシーズンの新定番をクリスマス、年越し、お正月の特別なイベントとしてどうぞお楽しみください。
【藝術監督】吉田 都
【振付】ウィル・タケット(レフ・イワーノフ原振付による)
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【編曲】マーティン・イェーツ
【管弦楽】東京フィルフィルハーモニー交響楽団
【指揮】マーティン・イェーツ
【美術・衣裳】コリン・リッチモンド
【照明】佐藤 啓
【映像】ダグラス・オコンネル
【主な出演者】
クララ/金平糖の精:米沢 唯
ドロッセルマイヤーの助手/くるみ割りの王子:渡邊峻郁
ドロッセルマイヤー:福岡雄大
シュタルバウム:中家正博
シュタルバウム夫人:関優奈
フリッツ:小野寺 雄
クララの祖母:川口 藍
クララの祖父:樋口 響
兵士人形:上中 祐樹
コロンビーヌ人形:五月女 遥
ハーレキン人形:森本亮介
ダンス教師/ねずみの女王:根岸祐衣
ダンス教師の夫/ねずみの女王の夫 水井駿介
ハウスキーパー/シェフパテシエ:関 晶帆
幹事/お菓子の国のマイスター:小柴富久修
わたあめ:花形悠月
ゼリー:宇賀大将、菊岡優舞
キャンディ:飯野萌子
ポップコーン:上中佑樹、山田悠貴、樋口 響
フォンダンローズ:直塚美穂、木下嘉人
【粗筋】
今回の『くるみ割り人形』は、新制作なので、原物語の粗筋は、これ迄と大筋変わりませんが、バレエ演出やぐり付けの細部に於いていろいろ変わって来ています。当日現地で配布されたプログラムのノートに、新制作の振付けをした演出家ウィル・タケットが、バレエ粗筋を書いているので、以下に紹介します。
《第1幕》
クリスマス・イブ、ワクワクとした雰囲気が家中に満ちています。シュタルバウム夫妻とその娘クララ、そしていたずら好きの弟フリッツは、毎年恒例のクリスマス・ パーティーの準備を進めています。一方、街の時計職人の工房では、クララの名付け親であるドロッセルマイヤーが、助手とともに、シュタルバウム家への贈り物と、今宵の客人たちに披露するマジックショーの準備をしています。
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子どもから大人まで様々な人たちが集い、華やかなパーティーが始まりました。そこへドロッセルマイヤーと彼の助手がやってきて、彼らが準備を整える間にクリスマスツリーに灯りがともされます。恐ろしいダンス教師が厳しい視線を向けるなか、子どもたちは両親のためにダンスを披露します。 いよいよドロッセルマイヤーのマジックショーが始まります。客人たちは、手品、踊る自動人形、そしてねずみのおもちゃを追いかける兵隊人形に驚きます。そして、ドロッセルマイヤーはシュタルバウム家に集まった子どもたちにプレゼントを渡し、クララにはくるみ割り人形を贈ります。
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ハウスキーパーが使用人たちとともに、あらゆるスイーツとデザートを用意すると、待ちに待ったクリスマスのごちそうにみんなは大喜び! 女の子たちが人形と踊っていると、クララを羨ましがったフリッツがくるみ割り人形を誤って壊してしまいます。その時、優しく接してくれたドロッセルマイヤーの助手にクララは心を惹かれます。
夜も更け、客人たちがパーティーを後にすると、ドロッセルマイヤーはクララに、助手が明日くるみ割り人形を直すために戻ってくるよ、と言いました。 クララはドールハウスに人形をそっと置き、皆眠りにつきました。
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家中が静まり返る中、クララがくるみ割り人形の様子を見に行こうと階段を降りると、巨大なねずみたちが襲ってきました。そこにドロッセルマイヤーが現れ、ねずみたちを追い払ってくれます。 真夜中の鐘が鳴ると、部屋は魔法のように変わり始めます。
《第2幕》
本物の大きさになったお城とドールハウスを覆うように巨大なクリスマスツリーがそびえる中、ねずみの女王率いるねずみの部隊、そして勇敢なくるみ割り人形率いるおもちゃの兵隊たちとの間で戦いが繰り広げられます。くるみ割り人形はねずみの女王に傷つけられてしまいますが、クララのおかげで勝利をおさめます。
ねずみたちが戦いに敗れると、ドロッセルマイヤーは傷を負ったくるみ割り人形を王子に変身させ、クララとともに雪の国に向かって踊ります。雪が彼らの周りで舞い踊る中、一台のそりが現れて二人をさらなる旅へと連れて行きます。
***
雪の国を後にしたドロッセルマイヤーが、二人とチョコレートの海を越え、お菓子の王国へと導くと、パティシエたちを束ねるシェフから、クララは金平糖の精として、くるみ割り人形は王子として迎え入れられます。
王国中でお祝いのダンスが繰り広げられます。揺れるゼリーに飛び跳ねるポップコーン、漂うわたあめにステッキの形をしたキャンディ、ワルツを舞うフォンダンローズから踊るパティシエたちまで。そして金平糖の精となったクララは王子と踊り、皆が彼らを祝福します。
しかし、クララは家に帰らなければなりません。クララは王国の人々に見送られながら、ドロッセルマイヤーとともに旅立ち、やがて深い眠りにつきます。
***
早朝、クリスマスの鐘の音が街中に響き渡ります。 シュタルバウム家では、眠っているクララをドロッセルマイヤーがクリスマスツリーの下に横たわらせ、ツリーの影に姿を隠します。
そこヘドロッセルマイヤーの助手が道具箱を持ってきて、くるみ割り人形を修理し始めると、ハウスキーパーと眠そうなシュタルバウム一家がやってきます。 目を覚ましたクララがくるみ割り人形が直っているのを見つけ、助手に感謝のハグをし、シュタルバウムは皆が心から楽しいクリスマスになるよう願います。
すべてがうまくいきました。今日が最も幸せなクリスマスに違いない、とドロッセルマイヤーはクリスマスツリーの影からこっそりと彼らを見守るのでした。〈ウィル・タケット〉
【上演の模様】
今日(12月24日水曜)は、クリスマス・イーヴ、クリスマスがスタートするこの清し夜に、夢見る物語が、『くるみ割り人形』です。
音楽はチャイコフスキー。バレエ音楽として1892年に作曲され、同年にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で初演されました。原作は E.T.A.ホフマン(※hukkats注)の童話「くるみ割り人形とねずみの王様」 、チャイコフスキーの3大バレエの一つです。(ほかは、1877年初演の白鳥の湖、1890年初演の眠れる森の美女)
E.T.A.ホフマン(※hukkats注)
オペラ『ホフマン物語』の原作者でもあるホフマンは、1776年ドイツケーニヒスベルグに生まれた。作家、作曲家、画家、法律家という多彩な分野で活躍した。裁判官と作家の二刀流の生活を送った。
第一幕では、主人公の少女クララ(米沢さん)の家で、クリスマスイヴのパーティが多くの来客を向かえて行われる中、時計技術者のドロッセルマイヤから貰ったプレゼント「くるみ割り人形」が弟の乱暴な不注意で壊されてしまったことから、眠りについたクララの不安な心理と大事なプレゼントの人形に関わる物語が、夢の中で、ネズミの軍団の襲来との戦いやくるみ割り人形(新制作では修理助手)の王子様への変身、雪の国からソリでお菓子の国への旅等の変転、夢物語が進行出発するのでした。この一幕も従来の演出振付とはかなり異なっていて、ネズミとの戦いも凄惨さと恐ろしさは減殺されていましたし、又舞台と設備が非常にカラフル、色彩感に溢れていました。この美しい舞台での美しく着飾った踊りは、次の二幕のお菓子の国での踊りでも更にユーモラスさを加えて炸裂するのでした。
第二幕では、以下の様な様々なキャラクターのダンサーが様々な舞台衣装で、様々な舞踏を踊りました。このバレエの見せ場の一つです。チャイコフスキーはそれ等のキャラを実に見事に表現した曲を作曲しており、振り付けは見事にそれぞれに踊りをはめ込めました。曲も天才の成せる技であり、振付も天才の為せる技だと思いました。
第10曲 情景 (Scène) 【お菓子の国の魔法の城】(Le Palais enchanté du Royaume des Délices)
第11曲 情景 (Scène) 【クララと王子の登場】(L'Arrivée de Casse-noisette et de Clara)
第12曲 ディヴェルティスマン (Divertissement) [登場人物たちの踊り]チョコレート (Le Chocolat - Danse espagnole) 【スペインの踊り】 [ボレロ]
コーヒー (Le Café - Danse arabe) 【アラビアの踊り】
お茶 (Le Thé - Danse chinoise) 【中国の踊り】
トレパック (Trépak - Danse russe) 【ロシアの踊り】
葦笛 (Les Mirlitons) 【フランスの踊り】
ジゴーニュ小母さんと道化たち (La Mère Gigogne et les Polichinelles)
第13曲 花のワルツ (Valse des fleurs)
第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux) 【金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ】【アダージョ】
ヴァリアシオン I (Var. I)[タランテラ]
ヴァリアシオン II 金平糖の精の踊り (Var.II Danse de la Fée-Dragée)
コーダ (Coda)
第15曲 終幕のワルツとアポテオーズ (Valse finale et apothéose)
各キャラの踊りに、会場(今回は満員ではなかろうかと思う位びっしり観客が入っていました)の観客は、大きな拍手で応えましたが、特に金平糖(米沢さん)と王子(渡邊さん)のパ・ド・ドゥには大きな歓声と喝采で、最高に湧きに湧きました。
クリスマスの夜に夢見るクララへのこの上ないプレゼントでした。サンタさんも真似できない贈り物でしょう。最後は壊れた「くるみ割り人形」も無事修復され、めでたしめでたしの終幕となりました。


