【鑑賞日時】2024.5 .18 (土) 夜 ベルリンフィル・デジタルコンサートホールにて。
【演奏】2001年2月
【会場】ローマ聖チェチーリア音楽院ホール(現コンチェリアツィオーネ・ホール)
【管弦楽】ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
【指揮】クラウディオ・アバド
【曲目】
ベートーヴェン『交響曲第6番《田園》』
(曲について)
1808年に完成した6番目の交響曲。 演奏時間は約39分(第1楽章:11分、第2楽章:13分、第3楽章 - 第4楽章 - 第5楽章:15分)であるが、反復の有無、指揮者の解釈や時代による演奏様式の変化により演奏時間には幅が出る。
古典派交響曲としては異例の5楽章で構成されており、第3楽章から第5楽章は連続して演奏され、全曲及び各楽章に描写的な標題が付けられるなど、ベートーヴェンが完成させた9つの交響曲の中では合唱を導入した9番と並んで独特の外形的特徴を持つ。 また、徹底した動機展開による統一的な楽曲構成法という点で、前作の交響曲第5番(作品67)とともにベートーヴェン作品のひとつの究極をなす。またベートーヴェンの交響曲の中ではエロイカに続きタイトルが記された2番目の作品である。ベートーヴェンが自作にタイトルを付した例は、他にP@五あのソナタ「告別」などがあるが、比較的に珍しい。とくにこの第6交響曲は、ベルリオーズリストの標題音楽の先駆をなすものと見られている。
タイトルは、初演時に使用されたヴァイオリンのパート譜にベートーヴェン自身の手によって「シンフォニア・パストレッラ (Sinfonia pastorella) あるいは田舎での生活の思い出。絵画描写というよりも感情の表出」と記されている。
また、各楽章についても次のような標題が付されている。
- 「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」
- 「小川のほとりの情景」
- 「田舎の人々の楽しい集い」
- 「雷雨、嵐」
- 「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」
ベートーヴェンが使用していたスケッチ帳にも同様の記述があり、「性格交響曲(Sinfonia caracteristica) あるいは田舎の生活の思い出」とされ、「シンフォニア・パストレッラ」は音による絵画的描写ではなく感情の表現であることが強調されている。
ベートーヴェンは田園を好み、ウィーンでは近郊を歩き回り、夏には田舎に生活して大自然に親しんだ。彼のスケッチ帳には「森の中で―自分は幸福だ―樹々は語る―汝を通して―おお神よ―なんと素晴らしい……」、「どの樹もみな自分に語るではないか。聖なるかな。聖なるかな。森の中は恍惚たり」などと書き付けてある。
【演奏の模様】
この曲は若い頃はベートーヴェンの交響曲の中で一番のお気に入りの曲でした。その後、年と共に好みは変わって行きましたが。
《楽器編成》
ピッコロ 1(第4楽章のみ)、フルート 2、オーボエ 2、クラリネット 2、ファゴット 2 ホルン 2、トランペット2(第3楽章~第5楽章)、トロンボーン 2(アルト、テノール)(第4楽章と第5楽章)
ティンパニ(第4楽章のみ) 二管編成弦五部12型(12-10-8-6-4)
《全五楽章構成》
第1楽章「田舎に到着したときの愉快な感情の 目覚め」。アレグロ・マ・ノン・トロッポ、ヘ長調、4分の2拍子
第2楽章「小川のほとりの情景」アンダンテ・モルト・モッソ、変ロ長調、8分の12拍子
「田舎の人々の楽しい集い」。アレグロ、ヘ長調、4分の3拍子
第3楽章「田舎の人々の楽しい集い」。アレグロ、ヘ長調、4分の3拍子
第4楽章「雷雨、嵐」。アレグロ、ヘ短調、4分の4拍子
第5楽章「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」。アレグレット、ヘ長調、8分の6拍子
闘病生活から復帰したばかりのアバドはかなり頬がこけていますが、矍鑠としてタクトを振っていました。
Fl.首席奏者は太い本物の木管楽器でした。パユの前任者でしょうか。
この時既にドールの姿も。髪は黒々と随分お若い。
コンマスの隣には日本人として初めてのコンマスとなった安永徹さんの姿も。現在の樫本さんも素晴らしいけれど、それ以上の音を出していたと思います。
ソロカーテンコールに応じるアバド。
現在のベルリンフィルとは、異なった趣きのアンサンブルの響きが有りました。一言では言い表せませんが、敢えて言えば、❝クラシカルな響き❞ ❝まろやかな感触❞。❝底力の有る音❞ かな。
あと40分足らずで5月19日になります。この日は、早い時間帯であるAM2:00から、ブルックナーの3番の演奏を、ロト・ベルリンフィルがライヴ配信しますが、自分の体調がまだ本調子でないので、自重して睡眠を優先する事にし、その後のアーカイブ配信で観ることにしました。