HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ドキュメンタリー映画『ヘップバーン』公開初日鑑賞

 この映画は、将に世紀の「シンデレラ・ガール」の生涯物語です。バレエ「シンデレラ」と重なって見えます。

【日時】2022.5.6.(金)18:50~
【上映館】ル・シネマ(渋谷)
【監督】ヘレナ・コーン
【キャスト】

オードリー・ヘップバーン、

ショーン・ヘップバーン・ファーラー(長男)、

エマ・キャサリン・ヘプバーン・ファーラー(孫)、

クレア・ワイト・ケラー(ジバンシィ元ディレクター)/ター・ボクダノヴィッチ(アカデミー監督賞ノミネート)/チャード・ドレイファス(オスカー俳優)

【振付】ウェイン・マクレガー

【バレエ】アレッサンドロ・フェリ、フランチェスカ・ヘイワード、キーラ・ムーア

【制作年】2020年イギリス
【Official Site より】

Introduction

愛をもらうより、与えることを選んだ

永遠の妖精と呼ばれ、美の概念を変えた革新的な存在でスターとしての名声を得たオードリー。世界中から「愛された」彼女は一方、実生活では愛に恵まれなかった。しかし、「人生の最後に、自分ことを好きになれた」と語る彼女の本当の人生とはー。

今解き明かされるオードリーの生き方は、あなただけの幸せを見つけてくれる。                        

オードリー・ヘプバーンは「ローマの休日」で主演女優として大抜擢、初の主演作で24歳にしてアカデミー賞主演女優賞を受賞し、世界で最も称賛を浴びる偉大なミューズとなった。一世代に一人と言われた圧倒的な美貌、そしてハリウッド黄金期の伝説的スターと称されたオードリー。そして、彼女の独自の流儀やライフスタイルは今も人々にインスピレーションを与え続けている。そんなオードリー・ヘプバーンは、本当はどういった人物だったのだろうか?。

オードリーが旅立って30年が過ぎ去ろうとしている今、名声に隠された本当の姿を描く、初のドキュメンタリー映画、公開。

幼少期に経験した父親による裏切り、そして第二次世界大戦という過酷な環境で育ったオードリーは過去のトラウマと一生涯向き合うことになり、私生活にも影を落とすこととなった。輝かしい映画女優として活躍する一方、幾度の離婚を繰り返して愛に破れていくが、子供達への深い愛情を注いでいく。

そして後年、ユニセフ国際親善大使として彼女は世界中の子供達のために、自身の名声を捧げ、この活動に生涯を捧げた。恐怖や憎しみに溢れる世界で愛の重要性のために立ち上がったオードリー。この信念こそが私たちの中に永遠に彼女が生き続けている証であり、貴重なアーカイブ映像や近親者たちのプライベートに迫るインタビューとともに、極めて特別なひとりの女性の人生が鮮やかにスクリーンによみがえるー。ライフスタイルは今も人々にインスピレーションを与え続けている。そんなオードリー・ヘプバーンは、本当はどういった人物だったのだろうか?

【感想】

 恐らく試写会を見た人が多くいるのでしょう。WEBには様々な感想が溢れています。昨日の朝日夕刊でも論評されていました。重複は避けて、感じたことを二、三だけ。

 幼い時からバレエが大好きで、将来はバレリーナになりたいと思っていたオードリー。それが父親の突然の失踪と戦争で歯車が狂い始めます。バレエ『シンデレラ』の母親が急死し、後妻が来てから境遇が「灰かぶり姫」と化するシンデレラに重なって見えます。後に大女優になってから、父親の大捜索をした結果、父親の所在が明らかになり二人は再会したのでした。映画では、父親はオードリーに会えても嬉しくないと言ったとしていましたが、その言葉とは裏腹にその時の写真を見れば、本心でないことは明らかです。オードリーの何とリラックスした嬉しそうな表情をしているのでしょう。他では見られない顔。父親も一見渋い顔ですが、満更でない表情で手をオードリの手に掛けています。これは二人の密かな和解と考えたい。

オードリーと父親の再会

 また特筆べきはやはり「ユニセフ親善大使」としての活動でしょう。晩年これ程積極的に、大規模に世界の子供のために活躍した女優は、寡聞にして知りません。どれ程多くの子供たちに良い影響を与えたか計り知れません。

 三つ目は、この映画の流れの背景として常に、オードリの愛した「バレエ」に対する憧憬が滲んでいたことです。バレエ界のマリア・カラス、アレッサンドロ・フェリ他二人のダンサーの踊る姿を、墨絵の様に画面に映し、かなえられなかった夢を一生抱き続けたオードリー、どれ程慰めになった事でしょう。夢はかなえられなくとも憧憬を抱き続けることは、どんな分野でも心の糧となることでしょう。