HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

マシュー・ボーン・バレエ映画『赤い靴』観賞

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 先日、NNTTバレエ団が『コッペリア』を無観客公演して配信したのを見たのですが、その直後の近日中に、別なバレエ団が『コッペリア』の公演をやるということを知り見に行こうと思っていた矢先、これも中止になってしまいました。これまでバレエを見に行くことは殆どなかったので、その面白さが分からなかったのでしたが、コッペリアの配信がとても興味深い面白いものだったので、何か無いかなと思って検索してみたら、丁度今バレエ物語『赤い靴』を上映している映画館があったのです。今回の『赤い靴』は、1948年のイギリス映画及びアンデルセン童話『赤い靴』をモチーフに、愛とバレエの狭間で苦しむ女性の葛藤を描いたバレエを舞台化したマシュー・ボーンが、さらに映像化したものです。映画版で撮影された2020年1月のサドラーズ・ウェルズ劇場(ロンドン)の公演は、1995年初演のマシュー・ボーンの代表作『白鳥の湖』で主役を演じた世界的ダンサーで俳優、振付家でもあるアダム・クーパーが、『シンデレラ』以来20年ぶりにマシュー・ボーン作品に舞い戻り、本作を象徴する重要人物といえるバレエ団のプロデューサー、ボリス・レルモントフ役を演じたことでも話題となったのです。そして見事ローレンス・オリヴィエ賞2冠に輝きました。

作品上映の概要は以下の通りです。

【日 時】2021.05.12.18:30~

【上映館】横浜ジャック&ベティ

【演出・振付】マシュー・ボーン

 【舞台・衣装】レズ・ブラザーストン

 【照 明】ポール・コンスタンブル

 【音 響】ポール・グルーサス

 【音 楽】バーナード・ハーマン

 【原 作】映画『赤い靴』(監督:マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー)

および、アンデルセンによる同名童話

 

【出 演】

〇ボリス・レルモントフ(バレエ団プロデューサー)役               アダム・クーパー

〇ヴィクトリア・ペイジ(新星バレリーナ) 役                 アシュリー・ショー

〇ジュリアン・クラスター(苦悩の若き作曲家) 役               ドミニク・ノース

〇イリナ・ボロンスカヤ(プリマドンナ) 役                   ミケラ・メアッツア

〇イヴァン・ボレスラウスキー(プリンシパル) 役               リアム・ムーア

〇グリシャ・リュボフ(バレエマスター) 役                  グレン・グラハム

 

【粗筋】

バレエ団を率いるレルモントフは、渋々参加したパーティーで才能豊かな少女ヴィッキー(ヴィクトリア・ペイジ)と出会う。彼女を主役に抜擢したバレエ「赤い靴」は各方面から絶賛された。しかしヴィッキーは作曲家クラスターと愛を育み始め、愛を否定するレルモントフは怒り狂う。両者の間で苦しむヴィッキーは、やがて童話の『赤い靴』の通りに悲劇的な道を辿っていく。

【画像】(公式H.P. 映画COM からお借りしました)

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【感想】ほとんど予備知識もなく映画館に行き、上映場面を見始めたら、最初のうち踊りの意味が分からず積年の疲れも出たのか、睡魔に襲われうつらうつらしてしまいました。ふっと気が付いても場面の意味合いは益々分からなくなって、最初の1/4位は暗中模索、登場人物をよく観察するうちに踊りで何を表現したいのか、次第に分かってきました。さすが本場(英国)一流のバレエ・ダンサーによる踊りは、その身のこなし、動き、スピード感といい高度なテクニックといい素晴らしいものがありました。主役ヴィッキー役の若いアシュリー・ショーは生き生きした演技を披露していますが、それよりもハッとする程踊りが上手いのは、プロデューサー役のアダム・クーパーです。さすが、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルを務めただけあって、超一流の身のこなしでした。若い頃、ロイヤル・バレエ・スクールで熊川哲也と同期だったそうです。勿論ヴィッキーの踊りも初々しく元気があって好感がもてました。恋人と一緒にバレエ団を飛び出し、二人は数か月後にはエーストエンドにある場末のギグシアターに就職したのですが、安っぽい踊りを売りにする舞台では、力も発揮できないし満足できない二人。意を決して、ヴィッキーは元のバレエ団に戻るべくプロデューサー、レルモントフに会うのですが、ここで二人は今回の元となった映画の劇中劇の如くパ・ドゥ・ドゥを踊るのです。そこに割り入った恋人クラスターとの踊りの最中クラスターはいなくなり、彼を探し求めるヴィッキーは突然列車にはねられてしまい、最後は恋人の腕の中で息を引き取るという童話と同様悲劇に終わるのでした。ストーリはそれ程の複雑なのもではないですが、踊り、音楽と非常にマッチしたスッキリした内容だと思いました。それにしても、上記のギグシアターはお笑い劇場だったのでしょうか?冒頭登場した二人のゲイとおぼしき二人の男性踊り手が、エジプト風の短いスカートや衣装をまとい、腕を上に掲げ、手を折り曲げて踊る(と言うより動かす)身の仕草が抱腹絶倒もので、一人で笑いを堪えて(映画館にはレイトショウに近い時間だったせいか、自分も含めてたった3人の観客しかいなかったので、小さい音を出しても劇場一杯に広がりそうだったので)クスクスしていました。

  結構楽しめたバレエ映画でした。