HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『最後の花見』

 土曜日(2020.3.28.)は、古い仲間たちと花見を兼ねたハイキングの予定だったのですが、土日は雨模様の悪天候が予想され、さらに土日は外出禁止の要請が出るというニュースもあって、急遽都合をつけて抜け駆けで(他の人は都合が付かないとのこと)、前倒しで予定のコースを歩いて来ました。ルートは桜の山で有名な「弘法山(こうぼうやま)ハイキングコース」。小田急線秦野(はだの)駅から登山口までバスで行き(本来徒歩行なのですが時間の関係でバスに乗りました。従って秦野市内の名所名跡、いくつかの山頂は見られなかった)、乗客はまばらでした。(電車も早い時間なので乗客はほとんどいませんでした)

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まばらな乗客

 このハイキングコースはバス停近くの登山口から弘法山に直接登り、弘法山から吾妻山を目指すコースで、浅間山や権現山は経由しない弘法山に直行するルートです。

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 登山口からだらだら坂を上るとすぐに見事な富士山が目に入って来ました。
  兎に角素晴らしい姿。翌日から次週中頃までは天気が悪い予報なので暫くは富士山は見えないでしょう。

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登山口からの富士山

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 付近には畑があって、菜の花が綺麗、紫はブロッコリーの花でしょうか?土手には土筆も頭をもたげています。

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 桜の花は五六分咲きくらいかな、まだ見事とは言えません。(28日29日あたりが満開予報だったのですが、生憎雨の模様です)花を見に来ている人はまばら、これなら濃厚接触など全然問題にならない人口密度です。たまに登山客がすれ違いました。

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 暫く歩くと桜並木が見えて来ました。日当たりが良いのかこちらは七八部咲きかな?

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桜並木

 ここからやや急な坂道を上って行くとすぐ弘法山です。弘法山頂上近くに看板がありました。頂上と言っても二百数十メートルですけれど。

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 頂上には弘法大師を祀る本堂があります。

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本堂

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本堂内部

 弘法大師像の後ろの桜の絵が見事です。

 近くには鐘楼も古井戸もありました。こんなに高い所に井戸の水が出るとは、驚きですが、さらに高い山から流れくる水脈が有るのでしょうね。

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遠くには海も見えます。桜の枝が邪魔をしているのですが、その間に富士も見えます。

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市街地眺望遠くには海

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 弘法山で持参の早や弁当とし、少し景色を見てから吾妻山を目指しました。登山道はところどころ起伏もありますが、平坦で気持ち良い道も多い。道端では山吹の花や名も知れぬ小さな草花も結構目にします。

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山吹の花

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名も知れぬ花

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色とりどりの野花

 歩いて行くと新しい切り株が目に入って来ました。何かべったりついています。近づいて見ると根から上がって来る樹液が噴き出て着いたみたい。まるで血を流す様に。植物も動物と同じだなと考えさせられてしまいます。木も痛いのだろうか?

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ベトとした真赤な樹液

 少し行くと大きな看板がありました。何とクマに注意とのこと。この様な低い山にも出現するのですね。そう言えば時々すれ違うハイカーがチリチリンと鈴をつけている人が何人かいました。

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 登山道は高い大山を左手に見て歩きます。

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左手に見える大山、手前の木の実は何でしょう?

 ほぼ大山の稜線に平行に、弘法山から吾妻山に連なる低い連山が走っていて、その間に谷が盆地の様に広がりそこには田畑、民家も広がっています。空から見たら南方向の大きな力で、これらの山が押しつぶされて山と谷が出来ている様に見えると

推測されます。

 そもそも丹沢山系はその古い地史の時代に、伊豆半島が現在静岡付近で日本列島に衝突しているのと同様に、日本列島に南方から衝突しさらに北上して現在の位置まで、内陸奥深くまで遡上したというではないですか。地質学的な根拠からその様な解釈が主流なのです。成程それで左手に東西に平行して見えるのかな?等と考えながら歩いていると、山道の路傍で何か売店という程ではないですが、植物を広げて売っている地元の人がいました。

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見ると「のらぼう菜」と書いてあります。初めて聞く名なので何かと訊いたら「地場産の根菜で、ほうれん草とも菜の花とも違う独自の美味しさを持つ野菜」と言う答えが返って来ました。早速購入し帰ってすぐ料理してもらう事にしました。

 途中アップダウンの道も有り、特に下りには細心の注意をして歩きました。というのも、あれはもう20年も前になるでしょうか。同じコースを仲間10人位とハイキングに来たことがあるのです。今回はそれ以来二回目なのです。ところがその時、ふとしたタイミングでかなりの怪我をしてしまったのでした。それは下りの道のこと、足を延ばした途端滑って転んでしまったのです。地面の下が硬い粘土質で、その上にさらさらした小さな砂状の土が、粉をまぶした様な状態になっていて、すべってしまったのでした。普通に転べば何のことはなかったのでしょう。でも転んだ足で滑りを止めようとしたのか、やや足首をねじり気味でぐっと足を踏ん張ったのでした。そうしたらブツンと鈍い音がしたのです。強い痛みが足首に走りました。おやと思って立とうと思っても痛くて立てない。友人に両腕、肩を支えて貰って立ったものの足に力が入りません。後で医者に「くるぶしの腱の部分断裂」と言われました。片足は何でもないのですが兎に角歩けない。それから30分位友人の肩を借りてゆっくりゆっくり下山したのでした。下山しても電車には乗れないし、タクシーに乗るとしても横浜までは遠すぎるので、仕方なく上さんに電話して車で迎えに来て貰いました。そういうこともあって世話になった友人達には今でも感謝していますし、上さんには頭が上がらないのです。
 さて目指した吾妻山は弘法山より低い山で山頂には日本武尊に因んだ石碑が立っていました。

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吾妻山山頂碑

 途中、「迷い猫」を探す看板が木に括り付けてあるのを目にしました。山に一緒に連れて来て行方不明となったのでしょうか?それとも山麓の民家からいなくなって平地のみならず山の上も探し求めているのでしょうか?いずれにしても街中では時々見かけますが、山道で見たのは初めてです。

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また山道におそばの看板も見ました。山の中にある店ではなく下山する鶴巻温泉駅近くの蕎麦屋の様です。山にもいろいろと掲示物が増えているのでしょうかね?

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 先程説明した事故の事が頭にあったので、しかも今回は抜け駆けで一人歩きなので、絶対事故の無い様に十分時間をかけてゆっくりと慎重に、鶴巻温泉方向に山を下りたのでした。たいした標高を登ったのではないですが、結構汗をかいたので、有名な「弘法の里湯」でひと汗流して行こうと思って、天然温泉の看板目がけて行って見たら、臨時休業でした。

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係員に訊いてみたら「公の施設なので、政府の自粛要請に従っている」そうです。「隣の駅まで行けば、民間の天然温泉が営業している」ということなので、ハイキングに来て一駅電車に乗るのもいやだったので歩いて行くことにしました。 その前にそば屋で少し腹ごしらえ、暖かい山掛けそばにしました。山に来たのだし、山掛け蕎麦で元気回復!

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 目指す隣の駅は東海大前駅です。ここに東海大学が何年前だったでしょうか、引っ越してきたのですね。ですから比較的新しい街です。学生の街と言っても良いでしょうか。若い人を多く見かけました。(大学は春休みでは?部活で出てきている子たちでしょうね、きっと。バイト先は都内の様には多くないでしょうから)
 鶴巻温泉で紹介された「さざんか」は駅前から少し歩いた高台にありました。

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秦野天然温泉さざんか

 中に入ると閑散としていました。ロビーは客がやはり少なくがらがらです。

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「さざんか」ロビー

「ジェット噴流浴」「電気風呂」「サウナ」「露天風呂」その他の浴槽が備わっており、ナトリウム・カルシウム・塩化物温泉/アルカリ性・低張性温泉とのことです。ジェットバスで足・腰・足裏をマッサージしたら疲れで凝っていた足などの筋肉が嘘みたいに柔らぎ、露天風呂のかけ流し湯は流量が少なめですが、いい湯加減で風もなく外の少し冷たい空気がかえって心地良いいい感じでした。サウナは入りませんでした。(水風呂はあったのかな?)

 客足は鈍く、老人が三々五々、大学生と思しき若者のグル-プ三四人が入って来て、混雑とは程遠い状態、「これでは経営が大変だろうな」と思う程でした。脱衣場の脇に自動販売機があり、瓶入りの牛乳があったので湯上りに飲んだら随分濃厚で美味しかったですよ。
 帰りの電車も通勤帯は避けたので空いた電車で帰りました。「のらぼう菜」は帰宅して上さんに見せたら知っているとのこと、茹でて胡麻和えの明太子味にして呉れて、食べました。ほんの少し、えぐい感じがするが苦くなくさっぱりしていて、これまで食べたことの無い味でした。酒の肴にはおつな物でした。

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のらぼう菜の胡麻和え明太子味

今回の花見ルートはそれ程桜の木は多くなかったけれど、富士山を背景にした桜なぞこれまで見たことが無かったので、いい思い出になりました。こうした状態で見るのはこれが最後かな?