HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

フィンランド映画『🍂枯れ葉』鑑賞

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【タイトル】枯れ葉 (2023年/フィンランド・ドイツ/81分/1.85:1/DCP/ドルビー・デジタル5.1ch/)

【言語】フィンランド語/原題 KUOLLEET LEHDET 英題 FALLEN LEAVES

【配給】ユーロスペース 提供:ユーロスペース、キングレコード 

【後援】フィンランド大使館

【上映館(東京)】渋谷・ユーロスペース

【公開日】12月15日(金)

【鑑賞日時】2023.2. 

【監督・脚本】アキ・カウリスマキ

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〈Profile〉

1957年にオリマッティラで生まれる。タンペレ大学に進みメディア研究を専攻。作家志望だったが映画に惹かれ、タンペレ映画祭主催団体のメンバーとして活動、学生紙にも映画評を書く。卒業(当地の学士修了は3年間)後は兄ミカ・カウリスマキを手伝って自主映画製作に携わる。助監督や脚本のほか俳優もこなし、1981年には兄の作品『The Liar』で主役を演じた。自作品では労働者階級を描くことが多いが、みずからも郵便配達・皿洗い・煉瓦工・タブロイド紙記者などを経験している。

1983年、初の長編劇映画監督作『罪と罰』がフィンランド国内で評価される。1986年の『パラダイスの夕暮れ』が東京国際映画祭やカンヌ国際映画祭に出品され、国際的に注目される。1990年に『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』が世界中でヒットし、日本でも名が知られた。

2002年、『過去のない男』で第55回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、第75回アカデミー賞ではフィンランド代表として史上初の外国語映画賞候補となる。

2017年、『希望のかなた』が第67回ベルリン国際映画祭で上映され、銀熊賞 (監督賞)を受賞。同作を最後に映画監督の引退を宣言した。

2023年、監督引退を事実上撤回して監督した『枯れ葉』が第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、審査員賞を受賞した。


【出演】

○アルマ・ポウスティ

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<Profile>

1981年生まれ。2007年にヘルシンキ大学シアター・アカデミーで修士号を取得。以降、北欧諸国の多くの有名な舞台に立つほか映像作品にも出演し幅広い活動を続けてきた。2020年『TOVE/トーベ』(ザイダ・バリルート監督)で主演を演じ映画俳優としてブレーク、この役でフィンランドのアカデミー賞にあたるユッシ賞で主演女優賞を獲得する。TVドラマ「Helsinki Crimes」、「Blackwater」や2023年ヨーテボリ映画祭で主演女優賞を受賞した映画『4人の小さな大人たち』など数々の北欧の映画やTVドラマに出演。『枯れ葉』に続く出演作としてファレス・ファレス監督『A Day and a Half』(主演)、ピルヨ・ホンカサロ監督『Oreda』が控えている。

○ユッシ・ヴァタネン、

 

<Profile>

1978年生まれ。フィンランドで最も有名な俳優の一人。主演した2010年の『ラップランド・オデッセイ』(ドメ・カルコスキ監督)で一躍有名となり、同作品は2本の続編が作られた。以降、数多くの映画やTVで着実なキャリアを築いている。代表作にフィンランドで史上最高の興収を記録した『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』(2017年、アク・ロウヒミエス監督)、『Dark Corners』(2021年、リチャード・パリー監督)の‟Zaney“役、ユッシ賞最優秀男優賞にノミネートされた2020年の『フォレスト・ジャイアント』(ヴィレ・ヤンケリ監督)がある。その他の近作にカンヌシリーズのコンペに出品された犯罪ドラマ「Man in Room 301」(2019年)の主演、スリラー映画『The Man Who Died』(2022年)の主演などがある。

1978年生まれ。フィンランドで最も有名な俳優の一人。主演した2010年の『ラップランド・オデッセイ』(ドメ・カルコスキ監督)で一躍有名となり、同作品は2本の続編が作られた。以降、数多くの映画やTVで着実なキャリアを築いている。代表作にフィンランドで史上最高の興収を記録した『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』(2017年、アク・ロウヒミエス監督)、『Dark Corners』(2021年、リチャード・パリー監督)の‟Zaney“役、ユッシ賞最優秀男優賞にノミネートされた2020年の『フォレスト・ジャイアント』(ヴィレ・ヤンケリ監督)がある。

 

○ヤンネ・フーティアイネン、

 

○ヌップ・コイヴ

 

【案内文】

 突然の監督引退宣言から6年。
最高のラブストーリーとともに、アキ・カウリスマキが帰ってきた!

2017年、『希望のかなた』のプロモーション中に監督引退宣言をし、世界中のファンを悲嘆に暮れさせたアキ・カウリスマキ。それから6年、監督カウリスマキはあっけらかんと私たちの前に帰ってきた。可笑しみと切実さに満ちた、最高のラブストーリーを連れて。
新作『枯れ葉』の主人公は、孤独さを抱えながら生きる女と男。ヘルシンキの街で、アンサは理不尽な理由から仕事を失い、ホラッパは酒に溺れながらもどうにか工事現場で働いている。ある夜、ふたりはカラオケバーで出会い、互いの名前も知らないまま惹かれ合う。だが、不運な偶然と現実の過酷さが、彼らをささやかな幸福から遠ざける。果たしてふたりは、無事に再会を果たし想いを通じ合わせることができるのか? いくつもの回り道を経て、物語はカウリスマキ流の最高のハッピーエンドにたどりつく。

労働者3部作『パラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』に連なる新たな物語として発表された『枯れ葉』には、ギリギリの生活を送りながらも、生きる喜びと人間としての誇りを失わずにいる労働者たちの日常が描かれる。
抑制された画面の中に映るノスタルジックなヘルシンキの風景、バンド演奏からカラオケまで自由自在な音楽の使い方、随所に散りばめられたとぼけたユーモア。また劇中には、主人公たちが初めてのデートで見に行く映画として、盟友ジム・ジャームッシュの『デッド・ドント・ダイ』が大胆に引用され、ゴダールやブレッソンの名前も登場。画面から溢れでる映画愛に、誰もがにやりと笑ってしまうはず。一方で、登場人物たちの横ではつねにロシアによるウクライナ侵攻のニュースが流れ、いま、私たちが生きる悲痛な現実を映し出そうとする意志が感じられる。カウリスマキ映画のなかでもかつてないほどまっすぐな愛の物語となった本作は、戦争や暴力がはびこる世の中で、それでもたったひとつの愛を信じつづける恋人たちの姿を通して、今を生きる希望を与えてくれる。

互いの名前も、電話番号も知らないまま恋に落ち、運命に振り回されながら想いを成就させようとする恋人たちを演じるのは、カウリスマキ映画には初出演となる二人。『TOVE/トーベ』でムーミンの作者トーベ・ヤンソンを演じ大きな注目を集めたアルマ・ポウスティと、『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』で高い評価を得たユッシ・ヴァタネン。
アルマ・ポウスティは、職場での理不尽な扱いに抗い、恋人の悪癖をきっぱりと諌める強さを持った現代の女性像を演じ、新しいカウリスマキ映画のヒロイン像を提示。ユッシ・ヴァタネンは、酒浸りで周囲を心配させながらも、どこか憎めない男の役をユーモアを交えて演じている。それぞれの友人役として、ヤンネ・ヒューティアイネン(『街のあかり』『希望のかなた』)、ヌップ・コイヴ(『希望のかなた』)が出演、そしてカウリスマキ映画には欠かせない名優“犬”の登場も忘れてはいけない。

 

【感想】

 全然知らないで、『枯れ葉』というタイトルと、上記の二人の男女が、食事をしながら何か話し合っているポスターに惹かれて、見に行きました。しかし、想像していたのとは、大きくかけ離れた印象を受けたのです。

第一に物語の内容から「枯れ葉」というタイトルはすぐには結び付きませんでした。第二に物語の後半では「恋愛」のニュアンスが大きくなって来る割りには、男女間の溝がほとんど埋って行かないという点、むしろ遠ざかっていく気配さえあります。と言っても「悲恋」ではないし、運命に翻弄されるという程のことも無い、つまるところ、非常にニッチな「愛情」を表現したかったのかも知れません。でも自分として感心した点は、登場人物は何れも解雇による失業などによる貧困に直面しても、決して自暴自棄にはならず、生きる糧を得ようとする、その逞しさというか希望を失わない忍耐力と言うか魂の強靱さです。

謂わば『めげない』人間性です。それが最後には運命に翻弄されて、再度惹かれ合う男女の再会を交通事故によりはばまれてしまうのですが、病院に見舞いに行く辺りで、恥ずかしながら、居眠りをかいてしまった自分なのでした。従って最後の最後どの様な結末になったのか、全然記憶に無いので、自分はやはり瞬睡してしまったに違いない。ただこの映画の公式サイトを見ると、❝ハッピーエンド❞という言葉が出て来るので、多分事故にあった男性は命拾いをし、見舞いに行った女性と今度こそしっかりとした愛情で結ばれたのではなかろうかと推測するのみです(もう一度見に行く時間が取れそうないので)。

 それから特記しておかなければならないのは、上映の間流れる音楽が、非常に味があって場面場面にすこぶるフィットするものが多かったことです。それ等劇中曲は次の通りでした。

 

○「竹田の子守歌(演奏:篠原敏武)」

○「GET ON」作詞・作曲:レム・アールトネン、クリスター・ハッキネン、

アルバート・ヤルビネン演奏:THE HURRIGANES カラオケヴァージョン歌:トニ・バックマン

○「SYYSPIHLAJAN ALLA」(秋のナナカマドの木の下で)作曲:アルヴォ・コスキマー 作詞:ヴェイッコ・ヴィルマヨキ歌:ヤンネ・フーティアイネン

 

○「セレナーデ」(「白鳥の歌」D957/965a 第四曲)作曲:フランツ・シューベルト、作詞:ルートヴィヒ・レルシュタープ歌:ミカ・ニカンデルデル

○「マンボ・イタリアーノ」作曲・作詞:ボブ・メリル フィンランド語作詞:オラヴィ・リンナス演奏:オラヴィ・ヴィルタ

 

○「交響曲第6番ロ短調「悲愴」」作曲:ピョートル・チャイコフスキー
指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー演奏:レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

 

○「デッド・ドント・ダイ」作曲:ジム・ジャームッシュ、カーター・ローガン演奏:SQÜRL

 

○「ETKÖ USKALLA MUA RAKASTAA」(私を愛する勇気はあるの?)作曲:エリック・リンドストローム、作詞:Saukki 演奏:ヘレナ・シルタネン

その他五曲。但し彼の有名なシャンソンの『かれ葉』は入っていませんでした。

 これ等の曲の中でも「悲愴」は、映画の中で何回も流され、改めてその素晴らしさを認識しました。

 これ等の楽曲は、「枯れ葉公式ホームページ」で試聴できるので、又味わってみようと思います。