【タイトル】特別編『響けユーフォニアム』~アンサンブル・コンテスト~
【日時】9月22日(金)20:45〜 (レイト ショー)
【鑑賞館】川崎チネチッタ
【原作】武田綾乃
(宝島社文庫『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』)
【監督】石原立也
【シリーズ構成】花田十輝
【キャラクターデザイン】池田晶子
【シリーズ演出】山田尚子
【美術監督】篠原睦雄
【色彩設計】竹田明代
【楽器設定】髙橋博行
【撮影監督】髙尾一也
【音響監督】鶴岡陽太
【音楽】松田彬人
【アニメーション制作】京都アニメーション
【製作】『響け!』製作委員会
【キャスト】黄前久美子、黒沢ともよ、
加藤葉月、朝井彩加、川島緑輝、豊田萌絵、
高坂麗奈、安済知佳
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
※ユーフォニアム(ユーフォニウム、ユーフォニューム)とは、
金管楽器の一種。一般的にB♭管で、幾重かに巻かれた円錐管と、通常4つのバルブ(弁)を持つ。音域はテナーやテナーバスのトロンボーンとほぼ同じであるが、それよりも幾分か柔らかく温かみのある音色を奏でる。
【粗筋】
通称アンコンことアンサンブルコンテストの京都府大会に出場するため、北宇治高校吹奏楽部が校内予選で代表チームを選ぶことになる。新しく部長になった黄前久美子は、部員たちの相談に乗りながら多忙な日々を送っていた。彼女は無事に予選を迎えられるよう奮闘するものの、さまざまな問題が待ち構えていた。
【キャスト】
(声の出演)、黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、大橋彩香、藤村鼓乃美、山岡ゆり、種崎敦美、東山奈央、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、杉浦しおり、櫻井孝宏
【スタッフ】
原作:武田綾乃
監督:石原立也
副監督:小川太一
脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:池田晶子
総作画監督:池田和美
楽器設定:高橋博行
楽器作画監督:太田稔
美術監督:篠原睦雄
3D美術:鵜ノ口穣二
色彩設計:竹田明代
撮影監督:高尾一也
3D監督:冨板紀宏
音響監督:鶴岡陽太
音楽:松田彬人
吹奏楽監修:大和田雅洋
【上映時間】58分
【感想】
二夜連続の映画レイトショー鑑賞となってしまいました。
京都アニメ(K.A.)事件の犠牲となったアニメーターが、この作品のキャラクターデザインを行ったことからも、今となってはこの作品が、K. A.の事実上の『遺作』となったと言っても過言でないと思います(次回作品制作・上映はかなり遅れるのでは?と危惧します)。
物語としては2019年の『劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜』で描かれた、2年生の久美子たちが全国を目指して練習を重ねた物語の続きが見れます。
ファン待望の4年越しの新作で、映画の『響け!ユーフォニアム』だけでなくテレビでも放送され、また音楽ソフト(DVD)にもなっています。
そもそもこのアニメ映画に関心が向いたのは、今年9月からの「京都アニメ放火殺人事件」の裁判員裁判が始まったことを、テレビ放送で見たからで、この映画は今年8月4日からで、各地の映画館で上映されていることを知りました。
一方、毎年恒例の『全日本吹奏楽コンクール』の予選が7月下旬頃から全国各地で開始され、 10月下旬には全国大会が開かれました。
こうした中、この映画を出来るだけ早く見に行きたいという考えは持っていたのですが、他のスケジュールで忙しくて、見に行く時間が取れませんでした。そうしている内に、映画上映が終了に近くなり、訊いたところ各地の映画館では上映が終了し、今上映しているのはチネチッタだけだということが分かりました。しかもチネチッタでも最終日は昨日11月2日(木)だというのです。しかも夜遅くのレイトショーの模様。前回の「ラ・ボエーム」と同様、またまた万障繰り合わせて、取り急ぎ川崎まで足を運んだのでした。
座席数100人程でしょうか、約2/3は埋っていましたが、大半は30~40代と思しき男性客でした。
映画の内容は期待していたユーフォニアムのブラバン演奏は非常に少なくて、ほとんど断片的に練習風景として映像が撮られていました。内容はざっくり書けば、女子高校のブラバン部の部員たちが学校内のアンサンブル・コンテストに向けて、少人数編成のグループを結成し練習をするという、部活状況の音楽部版の映像で、中心人物は部長の黄前久美子です。ストーリは彼女を中心として廻り、如何に部員を取り纏めるかに腐心する彼女の様子とその人格者ともいえるキャラクターを描く作品でした。要するに人間関係の学生版、と言っても彼女たちの思考・言動は非常に大人びていて、サラリーマン処世術にも通ずるものがあるかも知れない。結局、60分ほどの内容には、ユーフォニウム演奏はホントに少ない断片のみ、他のブラバン楽器も同様でした。タイトルから想起される、音楽演奏がバリバリ立体大音響で聴ける映画ではなく、全く異なった観点の作品でした。連作なので、第一回から観ているファンにとっては当たり前のことかも知れませんが。又その映像も先端のアニメ映画が例えばディズニーに見られ様な、もっと自然なキャラクターの動きからは程遠い、ぎこちなさが残る戯画に近い動きだったのにも少し以外感が有りました。というのも日本の漫画やアニメは世界有数のレヴェルにあり、輸出商品としても稼ぎドコロという事を聞いて何となく頭に残っていたので。
今回の様なアニメ映画では、国内の関係者の好評は得られても、これを輸出したとしても世界的なヒットにはなりにくいのではと思いました。
それにしても日本国内にはブラスバンド活動をする生徒・学生は多く、ウィンドオーケストラも幾つも活躍しているのですから、上映時間をもう少し伸ばして、演奏風景ももっと多く取り入れた作品を次回は期待します。次回と言っても、事件から心理的にも、物理的にも完全にはもとに戻っていない状況でしょうから、次回の予定時期を気にせず、じっくりと体制を整え直し、裁判も早く決着をつけて、さらに良い作品、ブラバン関係の生徒にも勇気とやる気を一層喚起する様な作品を是非作って欲しいものです。
今日は3連休の初日、関東地方は広く青空が広がり、「小春日和り」どころか、「小夏日和り」かと思う様な、強い太陽光線を感じるいい天気になりました。しかも今日は文化の日、文化の一翼を担う音楽、何年か前の文化の日には音楽だけでなく美術鑑賞もしましたが、今日は、かなり大型の音楽会が有ります。ミューザ川崎での「コンセルトヘボー管弦楽団来日演奏会」の初日です。従って今日も川崎詣でになります。