【鑑賞作品】戦慄せしめよ
【鑑賞日時】2022.9.27(火)19:30 ~
【上映館】横浜ジャック&ベティ
【監督】豊田利晃
【参加】日野浩志郎(現代音楽家) 鼓童(太鼓芸能集団)
【終映日】2022年9/30(金)
【主催】文化庁/委託「文化芸術収益強化事業」
【概要】
見えない音に震える太鼓芸能集団 鼓童、初の主演映画誕生。日本という6,852もの島々で構成された不思議な島国から、 Isolationの時代も、島々を隔てる海も越えて、音楽や文化、それが生まれる土地々々の暮らしを、アーティストとともに旅をし、学び伝えるプロジェクト。
佐渡島を拠点に日本の伝統芸能を世界に発信し続け、今年創立40周年を迎えた太鼓芸能集団 『鼓童』の初の主演映画が完成した。
鼓童メンバーから届いたメールをきっかけに、goat, YPY, GEIST等のマルチな活動で知られる日野浩志郎が、延べ1ヶ月に及ぶ鼓童村での滞在制作で書き下ろした89分の楽曲群を、鬼才・豊田利晃が全編佐渡島で撮影、映像化した、震撼音楽映画 『戦慄せしめよ』。
2021年2月、映像配信のみでの発表後、ドイツ上映にて未だかつてない強烈な音楽体験で全土を震わせた本作の凱旋上映が決定。
【あらすじ・ストーリー】
佐渡島に流刑された世阿弥のような幽霊が道を歩いている。男は能面を被り、岸壁に立つと火のついた松明で空を叩く。
時空を超え、現代の岸壁で裸で太鼓を叩く鼓童の男。太鼓の音は燃え盛る炎のように高まり物語が始まる…
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≪横浜音祭り開催概要≫
日本最大級の音楽フェスティバルがこの秋、横浜を舞台に開幕!
3年に一度のオールジャンルの音楽フェスティバル「横浜音祭り2022」が、9月17日(土)に開幕します(会期:9月17日(土)~11月6日(日))。
国内外で活躍するトップアーティストによる公演、子どもたちがプロのミュージシャンに学ぶワークショップ、週末ごとに街なかで様々な音楽が楽しめる参加型ステージなど、横浜の街を舞台に約250のプログラムを展開。ディレクターには新井鷗子を迎え、「みらいに響け みんなの音楽」をスローガンとして、以下の4つのコンセプトを軸に開催します。
1 舞台は横浜の「街」そのもの。街じゅうが音楽空間
ショッピングセンターや公園、ストリートなど横浜の景観を活かしたオープンスペースでのライブ、横浜の街の魅力や歴史とともに音楽を楽しむコンサートなど、多彩なプログラムを展開します。
市民の皆様に身近なホールや公会堂で開催する「18区コンサート」では横浜ゆかりの実力派アーティストたちが出演します。そして、賑わいのあるオープンスペースで週末を中心に開催される観覧無料のストリートライブ「街に広がる音プロジェクト」など、横浜の街の魅力とそこに流れる音楽をお楽しみください。
2 あらゆる人に音楽の楽しみを。クリエイティブ・インクルージョン
国籍、人種、世代、性別や障害の有無を越えて、魅力あふれる音・音楽を、あらゆる人が参加し、体感できるプログラムを通して、感動を共有できる豊かな環境を目指します。
大人も子どもも、ピアノに初めて触れる人から経験者まで、音を奏でるというすばらしさを楽しめる「だれでもピアノ🄬 」の体験会・演奏会を実施します。また、身体的制約があり外出できない人の分身となるロボットOriHime🄬を活用した、コンサート会場での案内・イベントPR等を行うなど、だれでも横浜音祭り2022に参加できる環境を目指します。
3 音楽との出会いが、子どもたちを待っている。クリエイティブ・チルドレン
横浜の未来を担う子どもの感受性、創造性を育むという「クリエイティブ・チルドレン」のコンセプトのもと、学校へアーティストが出張して、子どもの個性や表現力を引き出す「音楽づくりワークショップ」 や、「横浜市消防音楽隊による中学校吹奏楽部ワークショップ&演奏会」を行います。
また、ワークショップの成果を発表できる場として、横浜音祭り2022のステージへの出演やプロとの共演の機会を創出します。
4 横浜“発”、横浜“初”。オリジナルコンテンツを世界に発信
世界的に活躍するトップアーティストによるクリエーション、横浜の音楽シーンを支えてきたライブハウスが連携する周遊型プログラム、ジャンルを横断したコラボレーションから生まれる新曲発表など、創造的なコンテンツを横浜から発信します。
オープニングプログラムでは、市内のライブハウスを共通チケットで周遊できる「横浜音祭りライブ・ホップ!」と、オープニングの特別公演としてKT Zepp Yokohamaで、田島貴男(Original Love)とさかいゆうの対バンが実現。
「横濱ジャズプロムナード」30年記念となる今年は、グラミー賞に選出されるなど世界から注目を集めるジャズ作曲家・挾間美帆が作曲した『ベイ・プロムナード』(仮)の世界初演を神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽監督の沼尻竜典が担います。そして、クロージング・プログラムでは、ショパン国際ピアノコンクールで52年ぶりに第2位入賞という快挙を成し遂げ、世界最高峰に立つ反田恭平がJapan National Orchestraと登場。フェスティバルを締めくくるとともに、横浜みなとみらいホールのリニューアルを彩ります。
【感想】
最初から最後まで、” リズム、リズム、 リズム、リズム ” 、” ダンダンダンダン、ダンダンダンダン ” の連続でした。ひたすら太鼓をたたく、はたく、殴りかかる。何せ和太鼓ですから、そう沢山の種類の音を出せる訳ではありません。それでも小太鼓には、幾つかの異なる種類がある様で、叩くとかなり異なった音を発出しました。それを複数の演奏者が、三種の小太鼓をたたき分け、多様な音とリズムのアンサンブルを奏でるのはフーガ的表現もあり面白かった。
又オーケストラの大太鼓より、もっともっと凄くでかい和太鼓の両面に奏者が立って、一人が力の限り延々とリズムを変えながら叩き(いわば旋律演奏者の如し)、もう一人は静かに調子を合わせて叩いている(いわば伴奏者でしょうか)ずっしりと響く音はオケの太鼓では感じられないものでした。それにしてもあんなに長時間力の限り叩き続けられるとは驚きです。余程、手・腕・肩・胸・腹・脚の筋肉が強いのでしょう。相当な年期を鍛えている感じでした。滝の音と太鼓の音がある種独特なアンサンブルとなっていました。
映画には色々な場面が撮影されていましたが、もう一つ紹介すると、
中規模の太鼓群を背景に奏者が色々なリズムで合奏する間、前面に二人の男女が立って声を張り上げる(独特な歌謡を歌うが如く叫んでいる)のです。日本の古代の原風景も斯くの如しと思われる程の素朴さと異様さを感じました。
今回の「横浜音祭り」の上記のコンセプトの中には、こうした異分野の音の協演も重要な要素となっており、普段体験できない音楽も射程内に収めているのが特徴の一つでしょう。