今日は二十四節気の一つ立秋です。歴書によれば ❝立秋は旧暦七月申(さる)の月の正節で、新暦八月七日ごろになります。この日から暦の上では秋に入りますが、実際には残暑が厳しく、まだまだ暑い最中です。しかし朝夕には何とはなしに秋の気配が感じられます ❞ とあります。実際毎日暑い日が続いています。❝暑さ寒さも彼岸まで❞と言われる秋彼岸(秋分の日)までは、あと46日間もありますから、ざっくり言ってその半分、即ちあと23日間くらい(二百十日の九月一日)までは強弱は有っても暑い日があるのではないかと思います。
そう言えば、昔教科書にも出ていました。
❝秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にそ 驚かれぬる❞
<古今集・藤原敏行>
又若くして夭折した唐時代の鬼才、李賀が秋の到来を歌った詩の一節には、
次の様にあります。
❝《秋来》『桐風驚心壮士苦 衰燈絡緯啼寒素 ・・・・』❞
(桐の葉に吹く風に秋の気配を感じ、心丈夫な筈の自分でも心が折れる。消え入るような灯のもと、虫が月明かりを浴びて鳴いている。・・・)
さらに北宋の司馬光には❝名月時至 清風自来(司馬君実「独楽園記」)❞という詩もあります。
今夜の立秋の月の明かりは、晴れれば「下弦の月」ですから、ドビュッシーの『月のひかり(Suite bergamasque “Clair de lune”)』でも聴きながら月を愛でていると、清風を感じられるかも知れません。