HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ミューザ夏祭/広上・日フィル『Bet6.&Bet5.』演奏会

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フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2023【完売】新日本フィルハーモニー交響楽団
〜広上淳一のザ・ベートーヴェン!〜

【日時】2023.8.6.(日) 16:00~
(14:30 開場/15:00-15:30プレコンサート 

【会場】ミューザ川崎シンフォニーホール
【管弦楽】日本フィルハーモニー管弦楽団
【指揮】広上淳一

※指揮者変更のお知らせ

 フェスタサマーミューザKAWASAKI 2023 の8月6日(日)新日本フィルハーモニー交響楽団 〜道義のザ・ベートーヴェン!〜 で出演を予定しておりました井上道義氏(指揮)は、結石性腎盂腎炎により当面の間治療が必要との医師の診断を受けたため、本公演を含む8月上旬までのすべての出演をやむを得ず降板することとなりました。

つきましては、本公演では指揮を広上淳一氏に変更して開催いたします。曲目の変更はございません。井上道義氏の出演を楽しみにお待ちいただいたお客様には、心よりお詫び申し上げます。

 

【演奏前トーク】広上淳一、聞き手:池田卓夫

 

【曲目】

①ベートーヴェン交響曲第6番 ヘ長調 「田園」 Op. 68


②ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 「運命」 Op. 67

 

【演奏の模様】

 売り切れ公演らしく、1階から3階まで観客席は、びっしり埋まっていました。事務局の人が出てきて、話し始めました。そのほとんどが、降板した井上さんのことでした。

井上さんは病気を患って退院したばかりなので、今回は広上さんに代役を依頼しました。

①ベートーヴェン『交響曲第6番<田園>』

 ベートーヴェンの交響曲の中では珍しく5楽章構成。後半はアタッカで次に進む楽章が続きます。

第1楽章「田舎に到着した時の愉快な感情の目覚め」

第2楽章「小川のほとりの情景」Andante/molt・mosso

第3楽章「田舎の人々の楽しい集い」Allegro

第4楽章「雷雨、嵐」Allegro

第5楽章「牧歌、嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」Allegret   

楽器編成は随分小型なものでした。二管編成弦楽五部6型Vn対向配置(6-6-6-4-2)(必要な箇所で管楽器とTimp.を増やしていた。)演奏前の広上さんんのトークでは、井上さんから謂われた指示を厳守して今日は演奏するとのことでした。井上さんの考えでは6番を小型で演奏し、次の5番でガツンと大きくやるとのことの様です。

またこの曲には作曲段階からベートーヴェン自身が名を付けたタイトルが記されていて、「標題音楽」の先駆的作品と見なされています。

こうして始まった広上・新日フィルの演奏は、結論的には小編成だったにも関わらず、随分聴いた分では小さくはなかく、特に前半では耳には十分な音量と気迫まで感じ取られました(Cb.が二梃だったにもかかわらず、低音弦の音がズッシリ感有り。勿論今回の座席がステージ横の近くの席だったからかも知れない)。3楽章くらいまでは、大型編成に遜色ない曲の受け止めが出来ました。ただ後半金管楽器等が加わる弦楽強奏の箇所になると、特に最終楽章からフィナーレにかけてややペラペラ感があったかも知れません。もし特記するとしたら1Vn.アンサンブルでは、ソロでなくともコンマスの演奏音がdominantで目立ち、その他木管の音が綺麗だったこと。Timp.が小型で追加された演奏開始当初はずっしりした先導感が弱かったことでしょうか。

 

《20分の休憩》 このトイレタイムの間、ステージでは、器楽増派の準備がなされていました。

 

②ベートーヴェン『交響曲第5番<運命>』

 楽器編成は三菅編成弦楽五部16型でPicc.持ち替えやCFag.やTrmb.三種等変更・増加された。全4楽章構成。

第1楽章Allegro con brio

第2楽章Andante con moto

第3楽章Allegro atacca

第4楽章Allegro-Prest

 もうこの名曲中の名曲は、広上さんにとっても新日フィルの団員の皆さんにとっても、これを力の限り演ぜずんば、何をや於いて演奏せん!といった雰囲気の大熱演でした。聴いていて最初から最後までその熱気が伝わって来ました。物凄い火の玉がステージ上で大爆発した様な錯覚まで覚える程。くしくもこの日8月6日は「広島に原爆が投下された日」です。火の玉は火の玉でも、音楽の情熱が爆発してそれを受け止める今日の我々の「運命」の幸運さには、感謝しか有りません。それと同時に78年前の同じ日に幾千幾万の方々が生き地獄に投げ込まれ、尊い命を奪われた過酷な「運命」に対して、あらためて心から哀悼の念と、何んとかならなかったものか?同じ民族の子孫である我々にも(まだ生まれていなかったとしても)いくばくかの責任があったのではなかろうか?と自責の念に駆られるのです。

 今日の「運命」の演奏は、大変力の籠った素晴らしいもので、演奏後近くの席からも何人もの「ブラボー!」「素晴らしい!」の歓声と大拍手が沸き起こっていました。