【日時】2023.6.28.(水)18:30~
【会場】東京文化会館
【演目】シェイクスピア『ロミオとジュリエット』全三幕
【公演日程】(東京)
2023年6月28日(水)18:30開演(17:30開場)
2023年6月29日(木)13:30開演(12:30開場)
2023年6月29日(木)18:30開演(17:30開場)
2023年6月30日(金)18:30開演(17:30開場)
2023年7月 1日(土)13:00開演(12:00開場)
2023年7月 1日(土)18:00開演(17:00開場)
2023年7月 2日(日)13:00開演(12:00開場)
【芸術監督】ケヴィン・オヘア
【振付】ケネス・マクミラン
【主な配役】初日
ロミオ:スティーブン・マックレー
<Profile>
1985年12月19日:34歳(2020年2月現在)、オーストラリア生まれ。7歳の頃にお姉さんの影響でタップダンスとバレエをはじめます。2003年(17歳)ローザンヌコンクールでスカラシップ賞を獲得し、英国ロイヤル・バレエ団付属のロイヤル・バレエ・スクールの留学権を獲得します。2004年にロイヤル・バレエ・スクールを卒業と同時に英国ロイヤル・バレエ団に入団。2005年:ファースト・アーティスト昇進。2006年ソリスト昇進。2008年ファースト・ソリスト昇進。2009年プリンシパルに昇進。2017年のケガで、2018年10月に1年ぶりに復帰。2019年10月にまた大きなケガを負う。2年のリハビリを経て、2021年秋ついに復帰。
ジュリエット:サラ・ラム
<Profile>
1980年ボストンで3人姉妹の次女として生まれる。まずタップダンスを始め、4歳・6歳でモダンダンスに取り組んだ。続いてボストン・バレエ・スクールでバレエを学び、ボストン・バレエ第100回記念公演にあたって『くるみ割り人形』のクララ役に抜擢。13歳でボストン・バレエ・スクールのタチアナ・レガートに師事し、後にボストン・バレエのセカンド・カンパニーに入団。1999年に国際バレエコンクール、2000年の第6回ニューヨーク国際バレエコンクール、2002年のアメリカ国際バレエコンクールでそれぞれ銀賞を獲得。1999年にコール・ド・バレエとしてボストン・バレエに入団した後、2001年にソリスト、2003年にプリンシパルに昇進。現在は英国のロイヤル・バレエ団のプリンシパル
【主催者言】
ケネス・マクミランの代表作のひとつ『ロミオとジュリエット』。多くのダンサーがタイトルロールを踊ることを夢見、1965年の初演以来世界中のバレエファンを虜にしてきたドラマティック・バレエの傑作だ。ダイナミックで美しいリフトや迫力ある決闘場面など、数多くの見どころが詰まった作品だが、多くの人を惹きつけてやまない理由のひとつをあえて挙げるなら、それは場面やステップが明確に決められているにもかかわらず、ダンサー一人ひとりに、それぞれの解釈で役を〈生きる〉自由があることだろう。私たち観客は、劇場に足を運ぶたび、一期一会の『ロミオとジュリエット』に出会うことになる。
英国ロイヤル・バレエ団を代表するプリンシパルが日替わりで出演する今回の日本公演は、まさにそれを実感することのできる豪華な配役だ。
アキレス腱再建という大手術を経て、2021/22シーズンの『ロミオとジュリエット』で奇跡の復活を果たしたスティーヴン・マックレーは、再びベテラン・プリンシパルのサラ・ラムと組み、同役に再挑戦。ストイックなリハビリを経て、身体的にも精神的にも大きく進化したマックレーと、年々静かに、確実に表現の深みを増していくラムによる至芸をしっかりと目に焼き付けたい。
【音楽】セルゲイ・プロコフィエフ
【管弦楽】東京シティフィルハーモニック管弦楽団
【指揮】クーン・ケッセルズ
【粗筋】
《第一幕》
第1場 市場
舞台は14世紀の北イタリアの都市、ヴェローナ。モンタギュー家、キャピュレット家という二つの名家に、それぞれロミオという息子とジュリエットという娘があった。
両家は血で血を洗う抗争を繰り返し、ついにヴェローナを治める大公は、次に流血沙汰を起こした者は町から追放する、と命じる。
明け方、モンタギューの息子、ロミオが美しいロザラインに愛の告白をしている。日が昇ると、市場は街の人々でいっぱいになり、そこには、不倶戴天の敵ともいうべきキャピュレット家とモンタギュー家の者たちもいる。怒りがぶつかり合い、争いが始まる。ヴェローナ侯が現われ、両家に対しこれ以上不仲が続くようだったら両者に罪を与えると警告し、場合によっては死刑にも処すると宣告する。ロミオと友人のベンヴォーリオとマキューシオは、キャピュレット家の親族の男、ティボルトとしぶしぶと和解を示す。
第2場 キャピュレット家のジュリエットの次の間
ジュリエットは、母親のキャピュレット夫人からはじめての舞踏服を授かる。そして翌日、フィアンセのパリス伯爵と初めて会うことになっていることを聞かされる。いよいよ彼女は、少女時代に別れを告げねばならない。
第3場 キャピュレット家の外
キャピュレット家の舞踏会につぎつぎと客人が訪れ、中にはロザラインの姿もある。彼女を追って、仮面をつけたロミオと友人たちも舞踏会に現われる。
第4場 舞踏会場
ジュリエットは客人らとパリスに紹介される。パリスと踊りながら、彼女とロミオは互いに見つめあい、一目で恋に落ちる。ロミオの素性を怪しむティボルトは対決しようとするが、もてなしの慣習に従おうとするジュリエットの父親に止められる。
第5場 ジュリエットのバルコニー
寝室のバルコニーに出てジュリエットはロミオのことを夢想している。そこへ彼が庭に現われ、ふたりは永遠の愛を誓い合う。(割愛)
《第二幕》
第1場 市場
広場はカーニバルで盛り上がっている。夢心地のロミオは周囲のお祭り騒ぎにも興味がない。ジュリエットの乳母が手紙を届けに来て、そこにはジュリエットから僧ローレンスの礼拝堂で会いたいと書いてある。
第2場 礼拝堂
修道院で僧ローレンスは若い恋人たちの結婚に立ち会う。
第3場 市場
カーニバルの真っ最中に、ロミオは広場へ戻ってくる。ティボルトが話しかけるが、ロミオは闘おうとはしない。怒ったマキューシオがティボルトと決闘し、彼の手でマキューシオは死をとげる。呆然として取り乱したロミオは、ティボルトに襲いかかり殺してしまう。
《第三幕》
第1場 寝室
ジュリエットの寝室で恋人たちは夜明けに目覚め、追放の身となったロミオはジュリエットのもとを、ヴェローナを去らねばならない。キャピュレット夫人がパリスを伴って入ってくるが、ジュリエットはパリスを拒絶する。
第2場 礼拝堂
ジュリエットが僧ローレンスに助けを求めると、ローレンスは仮死状態になれる眠り薬をジュリエットに与え、「ロミオがキャピュレット家の墓所でジュリエットとおちあえば、ふたりでそこから一緒に逃れられる」と説明する。
第3場 寝室 両親が戻ると、ジュリエットはパリスとの結婚を承諾する。パリスが両親と立ち去ると、ジュリエットは眠り薬を飲み、発見した家族と友人らはジュリエットが死んでしまったと思う。
第4場 キャピュレット家の地下納骨堂 僧ローレンスからの計画を明かす知らせを受け取っていなかったロミオは、ジュリエットが死んでしまったと思い込み、墓所へ駆けつける。そこでいたみ悲しんでいるパリスを見つけ殺してしまう。最期にジュリエットを抱きしめ、ロミオは短剣を心臓に突き刺す。ジュリエットが目覚め、息絶えたロミオを見とめる。深い悲しみに打ちひしがれ、ジュリエットも自ら命を絶つ。
【音楽(プロコフィエフ)】
《第一幕》
1前奏曲 2.ロメオ 3街の目覚め 4.朝の踊り 5.喧嘩 6.決闘 7.大公の宣言 8.間奏曲 9.キャピュレット家にて(舞踏会の準備) 10.少女ジュリエット 11.客人たちの入場 12.仮面 13.騎士たちの踊り 14.ジュリエットのヴァリアシオン 15.マキューシオ 16.マドリガル 17.ティボルトはロメオを見つける 18.ガヴォット 19.バルコニーの情景 20.ロメオのヴァリアシオン 21.愛の踊り
《第二幕》
22.フォーク・ダンス 23.ロメオとマキューシオ 24.五組の踊り 25.マンドリンを手にした踊り 26.乳母 27.乳母とロメオ 28.ローレンス僧庵でのロメオ 29.ローレンス僧庵でのジュリエット 30.民衆のお祭り騒ぎ 31.一段と民衆の祭り気分は盛り上がる 32.ティボルトとマキューシオの出会い 33.ティボルトとマキューシオの決闘 34マキューシオの死 35.ロメオはマキューシオの死の報復を誓う
36.第2幕の終曲
《第三幕》
37.導入曲 38.ロメオとジュリエット 39.ロメオとジュリエットの別れ 40.乳母
41.ジュリエットはパリスとの結婚を拒絶する 42.ジュリエットひとり 43.間奏曲 44.ローレンス僧庵 45.間奏曲 46.ジュリエットの寝室 47.ジュリエットひとり 48.朝の歌 49.百合の花を手にした娘たちの踊り 50.ジュリエットのベッドのそば 51.ジュリエットの葬式 52.ジュリエットの墓の前のロメオ
(51と52は第四幕とされる場合もあります、上記はオーケストラ全曲演奏版)
【上演の模様】
「ロミオとジュリエット」は子供から大人まで広く知られていて、バレエの他にオペラ、ミュージカル、演劇、映画等々様々な形で楽しまれています。それの物語には結構残酷な部分もありますが、一貫してその底流には「純真な愛」が流れているからでしょう。
会場の上野文化会館は、全席種売り切れの大人気で、当日券販売は無しでも、チケット売り場の前には、キャンセルチケット待ちの人達の行列が出来ていました。
ホール内には、30分以上前に入りましたが、ホワイエは、溢れんばかりの人びとで賑わっていました。やはり女性客が多いですが、子供連れはいつものバレエ公演より少ない様に見受けられました。
今日のタイトルロールの両プリンシパルは、ベテランらしく、堂々としてどんな場面でも冷静な感じを受けました。特にロミオ役スティーブン・マックレーは、キャプレット家の者と自分の配下の者が、市場で剣を抜いて渡り合っている時でも、腕を組んで静かに見ているだけの姿がたびたびあり、冷静と言うより何となく醒めている感じがしました。また今回の演出では、オペラや演劇やその他では、有名なジュリエットの部屋の窓下の愛を交わす二人の場面は見られませんでした。二人のプリンシパルの技術は、先に書いた通り文句なく高度なものでしたが、演目のせいなのか演出のせいなのかは分かりませんけれど、二人が踊るパ・ド・ドウでも、普通の型通り、二人で踊りその後各々一人で踊り、再度パ・ド・ドウ(二人の踊り)の場面は、見られなかった。そういう意味で、国内バレエ団の他の演目で、普通に見られる、度々観客の拍手がかかる場面は、少なかったと感じました(あくまで感じです。数えていた訳では有りません。) でも拍手が少なかった訳ではなく、最後のカーテンコールなど、観客の沸騰する拍手と歓声が、止めども無く続き、二人の主役プリンシパルは、何度も繰り返し繰り返し顔を出し、カーテンの左側で挨拶するないなや右サイドに移動してサイドの観客を見上げる様にして丁寧に挨拶していました。当然その度に拍手と歓声は、大きくなって、最後は、観客総立ちのフィナーレとなったのでした。