HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

仏映画『テノール』鑑賞


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【日時】2023.6.24.18:25〜

【鑑賞館】有楽町ヒューマントラスト

【作品】『テノール!人生はハーモニー』

【監督】

【出演】

【上映の模様】

パリ、オペラ座(ガルニエ宮)の近くの寿司屋で配達を手伝っているフリーターの主人公アントワーヌ、移民の兄弟たちと家を離れて、パリに来ています。兄は私設ボクシング試合で勝って掛け金を稼いでいます。弟のアントワーヌを経理の学校に通わせ面倒を見ている家族思いの長男なのです。ところがひょんなこと(出前鮨をオペラ座の中に配達した事)でクラシックの歌を練習する様になる。もともとラップ音楽が得意でいい声をしていたのです。

アントワーヌの歌声に稀に見る才能を見出した教師マリーは、オペラ座内の自分の歌のクラスに入れて特訓しようとするのでした。

このマリーという教師のオペラ歌手を育てるという熱意には感服しますが、裏返せば、フランスにおける輝けるオペラ歌手の出現が、暫くないことへの焦りみたいなものも感じます。映画には有名なロベルト・アラーニャもゲスト出演していて、空席のオペラ座でアントワーヌに歌を歌ってみせますが、アラーニャも年を重ねる毎にやはり衰えは隠せません。

歌ってみせるアラーニャ

 素晴らしい後継者がいないのでしょう。焦りもあるでしょう。是非ともパリ、オペラ座(実際はバスティーユの方かな?)に花形スター歌手の出現を期待している空気が映画を通して感じられました。

 もう一つ感心したのは教師マリーの熱心さです。人生を掛けてオペラ座を教室としている歌の指導者は、ある程度以上の裕福な家庭の子女相手ですが、貧しい移民の子であってもアントワーヌの様なとびぬけた才能があれば、それを発掘しようとする気構えには恐れを感じる程でした。

 物語自体はハッピーエンドで後味の良いものです。まだ上映中なので観てみるのも参考となるでしょう。