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日本テレマン協会『第297回定期演奏会』を聴く

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【日時】2023年4月20日(木)18:30~

【会場】東京文化会館 小ホール

【特別出演】

ウッラ・ブンディース(ゲストコンサートミストス)

<Profile>

Ulla Bundies

1959年、南アフリカのサマーセット・ウェスト生まれ。ドイツで育ち、ハノーヴァー音楽大学で学ぶ。現在、古楽演奏における重要なバロック・ヴァイオリン奏者の一人である。
 C.ショルンスハイム、A.シュタイアーなど数多くの音楽家と共演するとともに、1984年に設立されたハノーヴァーのバロック・アンサンブルMusica Alta Ripaではソリストとして長く活躍。このアンサンブルとは25枚以上のCDを収録しているが、なかでもJ.S.バッハの≪イ短調ヴァイオリン協奏曲≫がカンヌ国際レコード見本市において「ソロ協奏曲部門」レコード大賞Cannes Classical Awardを受賞した。創立20周年を迎えた2004年には9月に国立ハノーヴァー歌劇場で舞台作品を上演。
 また1987年設立の声楽アンサンブルCantus Cöllnともたびたび共演し、2003年にハルモニア・ムンディ・フランスから発売された録音はドイツ・レコード批評家賞を受賞している。翌2004年、ウィーンのレゾナンツェン古楽音楽祭ではソリストとして成功を収めた。
 他にも、1999年設立の古楽団体Saarbrücker Ensemble Parlandoではコンサートマスターとして、2002年設立の古楽器による四重奏団Hoffmeister Quartettや、名声ある室内楽団Les Adieuxでもメンバーとして長年活動している。
 演奏活動はヨーロッパ諸国、イスラエル、オーストラリア、中南米、アメリカ合衆国、中国、東南アジアに及び、数年前からはソリストとして日本でも定期的に演奏。
 2010年夏より、日本テレマン協会のミュージック・アドヴァイザーを務め、2012年春よりテレマン室内オーケストラ(コレギウム・ムジクム・テレマン)の首席客演コンサートマスターに就任。

【管弦楽】コレギウム・ムジクム・テレマン

【指揮】延原武春

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【曲目】

①テレマン『序曲ニ長調TWV55:D18』

②テレマン『ヴァイオリン協奏曲<蛙>TWV51:A4』

③テレマン『ヴァイオリン・ソナタニ長調TWV41:D1』

④テレマン『嬰ヘ短調TWV55:FIS1』

⑤テレマン『3つのトランペットとティンパニのための協奏曲ニ長調TWV54:D4』

⑤テレマン『3つのトランペットとティンパニのための協奏曲ニ長調TWV54:D4』

【テレマン協会について】

延原武春によって創設されたバロックからベートーヴェンまでを専門とする室内楽団です。「テレマン室内オーケストラ」と「テレマン室内合唱団」を有し、また「日本テレマン協会後援会」という支援団体がサポートをしています。
 設立は1963年。当時大阪音楽大学の学生だった延原武春が「バロック音楽の普及・啓蒙」と「楽しさ」をテーマに、新しい演奏会の可能性を追求すべく「テレマン・アンサンブル」を結成したのがその始まりです。「定期演奏会」のほか、聴衆とともに創るサロンコンサートである「マンスリーコンサート」、宗教音楽を教会の聖堂で奏でる「教会音楽シリーズ」などを軸とし、関西を中心に全国的な活動を展開。1977年「文化庁芸術祭優秀賞」、1986年「第17回サントリー音楽賞」を関西の団体としては初めて受賞しました。
 2008年にはベートーヴェンの交響曲全曲をクラシカル楽器にて公演。これが引き金となって延原は2009年ドイツ連邦共和国より功労勲章を受章しました。以後延原は日本フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団などを指揮し好評を博しました。
 2019年には創設当時からの演奏会プロデュース活動によるクラシック音楽普及に対する功績が認められ、ベストプロデュース賞を受賞しました。

【演奏の模様】

 小ホールの前には20分前に着きましたが、既に開場待ちの聴衆(数十人はいたでしょうか)が、並んで列を成していました。今日は自由席なのです。開場時間となり受付でいつもの検温、消毒をした後、係の人が何やら手渡して呉れました。何かなと思って見ると御菓子の様です。60周年記念と書いてある「瓦煎餅」でした。二枚入っています。裏には神戸の菓子本舗の名が書いてありました。この協会は活動を開始してから今年で60年目となるそうです。これまでたまにその名を耳にすることは有りましたが、関西が地盤で昭和38年からの古い歴史がある演奏団体だとは知りませんでした。先週「ベルリンフィル・デジタルコンサートホール」でテレマンのカンタータと四重奏曲を聴いて、自分がこれまで描いていたテレマン像とはだいぶかけ離れたイメージの曲だったので、しかも直近にテレマン協会の演奏会があるという事を何かで見て知っていたので当日券で聴くことにしました。(AM早くに個人的な用を足し、昼までのmatinee の時間帯は「ピアノリサイタル」を聴くことに)

 演奏の模様の詳細は、時間の関係で割愛しますが、今日のAllテレマン演奏を聴くと ❝やはりこれぞテレマン!❞ といった自分の抱いて来たイメージ通りの曲ばかりだったので、安心しました。創始者であり指揮者でもある延原さんのトークにもあった様に、テレマンは観客の喜ぶ姿が嬉しくて随分面白い曲も多く作曲してたそうです。今日の演奏曲では②テレマン『ヴァイオリン協奏曲<蛙>TWV51:A4』が将にそうした ユーモラスな曲で、蛙の鳴き声をヴァイオリンのソロ音でギコギコ鳴らすと本当にかえるの鳴き声そっくり、こんなヴァイオリンの音は聞いたことも有りませんでした。この様な音が出せるなんて、古楽器ならではの技かも知れません。それにもましてコンミスのブンディースさんの卓越した演奏技術が光っていました。その他の曲でも、彼女はエネルギッシュにズンズン前に進む演奏をして、アンサンブルを引っ張っていました。特に③のソナタの第4楽章は、リズミカルで非常に速いテンポの曲で、ガット弦をあれだけの猛スピードで正確に弾くには、相当な力と研ぎ澄まされた感覚が備わっていないと出来ないでしょう。彼女は現在までドイツの地方都市で活躍して来ているそうで、彼の国の古楽演奏の層の厚さと人材の多さには舌を巻きます。流石古楽の本場ですね。

 配布されたプログラムノートによれば、①の序曲での二本のトランペットとティンパニの組合せは、十字軍がトルコの軍楽隊から得た組合せで、それ以降この二つの楽器はアンサンブルではいつも隣り合わせのセットで配置されることになったこと、とか 延原さんの話では、テレマンは銅板に自分の曲の楽譜を印刻し、それで刷った楽譜を販売するなどの商才があったとか、いろいろ面白い情報も得られて有意義な演奏会でした。大阪は数十年前には仕事で定期的に出張し、梅田の「がんこ寿司本店」で食したり、うなぎの押し鮨を土産に買ったり、その他さすが食道楽の街、いろいろとその美味しさを堪能したことも有りました(確か しら魚のおどり喰いもその時の初体験だったかな?)が、現在は、ほとんど首都圏ばかりをたむろしている自分です。又こちらで演奏することがあれば聴きに行きたいと思っています。