バロック時代に全盛期を迎えた「ラメント(嘆きの歌)」は、黙想的な雰囲気と表情豊かな和声が特徴です。ベルリン・フィルのメンバーがピリオド楽器で演奏するアンサンブル「コンチェルト・メランテ」が今回のコンサートに選んだのはこのジャンルの作品。プログラムに並んだテレマンやバッハ一族による哀歌や葬送曲を、声楽のソリストらと共に演奏しました。
【鑑賞日時】2023.4.11.深夜
【会場】ベルリンフィル・デジタル・コンサートホール
【演奏】コンチェルト・メランテ
【出演】声楽ソリスト四名
〇アンナ=レナ・エルベルト(ソプラノ)
〇ダヴィド・エーラー(アルト)
〇ヨハネス・ガウビッツ(テノール)
〇ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(バス)
【曲目】
①ヨハン・セバスティアン・バッハ『カンタータ《主よ、深き淵より、われ汝を呼ぶ》BWV 131』
②ゲオルク・フィリップ・テレマン『四重奏曲ト長調 TWV 43:G10:アンダンテ
コンチェルト・メランテ ライマー・オルロフスキー(ヴァイオリン、指揮)
③ヨハン・クリストフ・バッハ
ラメント《ああ、私が頭に豊かな水を持っていれば》
コンチェルト・メランテ
ライマー・オルロフスキー(ヴァイオリン、指揮)
ダヴィド・エーラー(アルト)
④ヨハン・クリストフ・バッハ
ラメント《いかなればあなたの御怒りは、おお神よ》
コンチェルト・メランテ
ライマー・オルロフスキー(ヴァイオリン、指揮)
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(バス)
⑤ゲオルク・フィリップ・テレマン『四重奏曲ト長調 TWV 43:G10:ヴィヴァーチェ』
コンチェルト・メランテ
ライマー・オルロフスキー(ヴァイオリン、指揮)
⑥ゲオルク・フィリップ・テレマン『哀悼カンタータ《しかし汝ダニエルよ》TWV 4:17』
コンチェルト・メランテ
ライマー・オルロフスキー(ヴァイオリン、指揮)
アンナ=レナ・エルベルト(ソプラノ)
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(バス)
⑦ 作者不明
『アルトバッキッシェス・アルヒーフよりアリア《Nun ist alles überwunden》(アダム・ドレーゼによる)』
アンナ=レナ・エルベルト(ソプラノ)
ダヴィド・エーラー(アルト)
ヨハネス・ガウビッツ(テノール)
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(バス)
コンチェルト・メランテ
【感想】バッハの曲に比ベ今日のテレマンの曲は一層暗く、次のクリストフ・バッハの曲は初めて聴きましたが、バロックもバロック、ゆっくりとした悠長な単旋律が心に滲み込みます。マショーの響きに似たところもあり。
今回の曲は⑤を除けば哀歌や葬送歌の曲なので、深く沈んだ曲想になっていましたが(⑥はそれ程暗くない印象)、これらの作曲家もこの様な曲はごく一部なのでしょう。今週、上野の小ホールに日本の古楽器奏者によるテレマンの曲を聴きに行きますが、管楽器も加わっているので恐らく明るい曲でしょう。
《請う期待 と自分に言い 聞かせます》
それにしても古楽器は大きくて重たそうなものばかり、弦も太いし弾くにも吹くにも力が要りそう。昔の奏者はか弱でなく体格が良くて力持ちだったのでしょうね。