ベルリンフィルの有料配信を又見ています。今日は往年の名指揮者シリーズで既に鬼籍に入ったヤンソンスが指揮したシベリウスのシンフォニーを観ました。
【鑑賞日時】2023.4.16.(日)
【会場】ベルリンフィル・デジタルコンサートホール
【管弦楽】ベルリンフィル
【指揮】マリス・ヤンソンス
【曲目】シベリウス『交響曲第一番』
(シベリウスについて)
23歳のとき、シベリウスはベルリンのクサヴァー・シャルヴェンカの私立音楽院で教えていたアルベルト・ベッカーに弟子入りする。ウィーンでさらに勉強し、《クレルヴォ交響曲》を初演した後に結婚したアイノ・ヤルネフェルトと出会ったのは、このドイツの首都の地であった。その後、シベリウスはカヤヌスのオーケストラ・アカデミーやヴェゲリウスの音楽院で教鞭をとり、ウィーンやロチェスターからの教授要請を断り、その代わりにヴァイオリン協奏曲などの名作を書き上げた。
その成功にもかかわらず、作曲家は自信喪失に苦しみ、アルコール依存症に陥っていた。交響曲第7番を完成させた後、シベリウスはついに沈黙した。1929年に出版された「ヴァイオリンとピアノのための3つの小品」(作品116)を除いて、1957年9月20日に亡くなるまで彼が自作品を発表することがなかったのは、音楽史にとって大きな損失であったといえるだろう。
シベリウスはこの第1番と番号が付けられた交響曲を作曲する前に、民族叙事詩『カレワラ』に基づき、独唱と合唱を伴うカンタータ風の『クレルヴォ交響曲』(1891〜92年)を作曲していた。『クレルヴォ交響曲』から本作が作曲されるまでの間に声楽を伴わない標題付きの交響曲が計画されたが放棄されている。すでに交響詩の分野では『フィンランディア』を初め、『エン・サガ』、『トゥオネラの白鳥』を含む『4つの伝説曲』など代表作となる傑作を創作していたシベリウスが、連作交響詩という枠組みを超え、純粋器楽による標題つき交響曲を計画したが、それを放棄したという点は興味深い。さらに、本作に着手する(1898年4月)直前の1898年3月にシベリウスはベルリンでベルリオーズの幻想交響曲を聴き、大きな感銘を受けたことを記している。そしてシベリウスは滞在先のベルリンで早速交響曲の作曲に着手したのだった。
この頃のシベリウスは酒におぼれ浪費癖をおぼえ、自堕落な生活を送っていたのだが、この作品の作曲当初は酒も葉巻も控え作曲に集中した。しかしそれも長続きはせず、酒に酔ったあげく乱闘騒ぎまで起こしている。5月にはフィンランドへ帰り、国内各地を移動しながら作曲を進め、1899年の初めに完成させた。この年の初演の後、1900年に作品は改訂されている。
初演は1899年4月26日にヘルシンキにて作曲者指揮により行われ、1902年にブライトコプフ・ウント・ヘルテルから出版された。
(曲について)
シベリウスはこの第1番と番号が付けられた交響曲を作曲する前に、民族叙事詩『カレワラ』に基づき、独唱と合唱を伴うカンタータ風の『クレルヴォ交響曲』(1891〜92年)を作曲していた[1]。『クレルヴォ交響曲』から本作が作曲されるまでの間に声楽を伴わない標題付きの交響曲が計画されたが放棄されている[2]。すでに交響詩の分野では『フィンランディア』を初め、『エン・サガ』、『トゥオネラの白鳥』を含む『4つの伝説曲』など代表作となる傑作を創作していたシベリウスが[3]、連作交響詩という枠組みを超え、純粋器楽による標題つき交響曲を計画したが、それを放棄したという点は興味深い。さらに、本作に着手する(1898年4月)直前の1898年3月にシベリウスはベルリンでベルリオーズの幻想交響曲を聴き、大きな感銘を受けたことを記している[4]。そしてシベリウスは滞在先のベルリンで早速交響曲の作曲に着手したのだった。
この頃のシベリウスは酒におぼれ浪費癖をおぼえ、自堕落な生活を送っていたのだが、この作品の作曲当初は酒も葉巻も控え作曲に集中した。しかしそれも長続きはせず、酒に酔ったあげく乱闘騒ぎまで起こしている[4]。5月にはフィンランドへ帰り、国内各地を移動しながら作曲を進め、1899年の初めに完成させた。この年の初演の後、1900年に作品は改訂されている。
初演は1899年4月26日にヘルシンキにて作曲者指揮により行われ、1902年にブライトコプフ・ウント・ヘルテルから出版された。
楽器編成:フルート(ピッコロ持ち替え)2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、大太鼓、シンバル、トライアングル、ハープ、弦楽五部
【感想】
次の四楽章構成です。
Ⅰ.Andante ma non troppo-Allegro energico
Ⅱ. Andante (ma non troppo lento) - Un poco meno andante - Molto tranquillo
Ⅲ. Scherzo. Allegro - Trio. Lento (ma non troppo)
Ⅳ. Finale(Quasi una Fantasia). Andante - Allegro molto - Andante assai - Allegro molto come prima - Andante (ma non troppo)
これまでシベリウスの曲は、ヴァイオリン協奏曲、フィンランディア等を除けばほとんど聞いた事が有りませんでした。何かの機会に断片的に、交響曲であれば、一つの楽章だけとかアンコール演奏か何かで聴いた程度です。昨年何処の大学オーケストラだったか(あれは国立だったかな?いや武蔵野でした。)、シベリウスの交響曲演奏を聴いて大変感心したことが有りました。それ以来折を見ては録音等、聴くことにしていますが、何ぶんその他の分野にも興味があって(最近はオペラが多い)、たまにしか聞けません。今月末にはヤルヴィN響が交響曲2番を演奏するので聴きに行きます。
この曲自体は、1番の(要するに最初の)交響曲としては、他の作曲家に優るとも劣らない出来の曲だと思います。全体的オーケストレーションも、部分部分の調べの安定性も、随分と手練れた熟練工の作品と言った感じ。他の番の曲でもこの曲でも繰返し旋律が多いと思いました。旋律は全般的に素朴な自然なものが多く、雄大な北欧の自然を目の当たりにする様な純粋な気分が湧き上がって来ます。管楽器の活躍も目覚ましいですが、Timp.のダンダンダンという強打音が印象的。最終楽章の前半の弦楽アンサンブル、終盤の弦楽アンサンブルの素晴らしい響きを引き出しているヤンソンスとそれを可能にしたベルリンフィルは流石だと思いました。
尚、今年は話題のマケラが10月にオスロフィルを率いて来日、2番と5番を演奏するのですね。楽しみです。