HUKKATS hyoro Roc

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ベルリンフィル配信・ブロム翁のシベリウス

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(ベルリンフィル) | Facebook さん 

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 ブロムシュテットがシベリウスとブラームスを指揮、特別な魔法にかけられたかのような音楽。ベルリン・フィルと指揮者ブロムシュテットは、温かく確固たる信頼関係で結ばれており、何年にもわたって忘れがたいコンサートを行って来ました。第2アドヴェント(待降節)を迎える今週末は、ブロムシュテット指揮によるブラームスの交響曲第3番とシベリウスの交響曲第4をお送りします。(ベルリン・フィル) 

 以上の演奏の内シベリウス『交響曲第4番』について記します。

 

【日時】2023.12.16.(土)深夜

【会場】ベルリンフィル・デジタルコンサート・ホール

【管弦楽】ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

【指揮】ヘルベルト・ブロムシュテット

【曲目】

①シベリウス/交響曲 第4番 イ短調 作品63

(曲について)

 フィンランドの作曲家ジャン・シベリウス(1865~1957)の《交響曲第4番》は、彼が人生上の困難を抱えた時期に取り組まれた大作。第1次世界大戦前夜の1911年4月3日に初演された。
当時のシベリウスを悩ませていたのは、天文学的な額に達した借金と咽喉腫瘍の疾病に伴う健康の悪化だった。幸いなことに、借金は友人カルペランの尽力もあって1910年頃を境に少しずつ減りはじめ、病気の方も手術で回復に転じてはいる。それでもシベリウスは手術後、好物の酒とタバコを一切断たなければならず、数年間に渡り苦しい禁欲生活を送ることになる。内省的な《第4番》は、そうした彼の心境を反映しているのだろう。しかし、この作品におけるシベリウスの潜在意識は「作曲家の個人的な苦悩」よりも、「悲劇的な宿命を帯びた人間存在」そのものに向けられているように見える。
《第4番》の表現主義的な曲調は、後期マーラーや初期シェーンベルクのそれを思わせる。とはいえシベリウスの場合、たとえ自己の内面世界を強烈にえぐり出すような主観的表現であっても、決して端正な筆致を失わない。逆に、ぎりぎりまで研ぎ澄まされたその厳しいフォルム(形式)は、無限の空間に向けて力強く広がる巨大な造形美を生み出しているのである。
交響曲は伝統的な4楽章制に基づく一方、各楽章は従来の図式を下敷きにしながらも独自の構成を示している。不気味なリディア旋法(「ハ─嬰ヘ」のように、増4度の音程が特徴)が曲全体の統一要素となっており、そのため部分的に調性感が希薄である。

【演奏の模様】

この4番の交響曲は、今年4月のパーヴォ・ヤルヴィ指揮N響の定期演奏会で聴きましたが、その何とも評しがたい響きの多さに、頭が整理付かず、次の様に記した覚えがあります。

❝①シベリウス/交響曲 第4番 イ短調 作品63

 さてこの曲は最初に演奏された曲なのですが、最後に記したのには理由があります。

実はこの曲は(録音も含めて)これまで聴いたことが無かった。初めて聴いた曲だったのです。一般にこの曲の演奏の特徴は付き詰めれば以下の<参考>に記したものの様なのですが、どうも自分にとっては聴後感があまり芳しくなかったのです。念のため言っておきますと、それはN響の演奏、ヤルヴィーの指揮指導に原因があるのでなくて、曲自体、シベリウスの作ったこの曲の構造自体がそうした気持ちを抱かせる原因ではないかと思ったのです。又今回の演奏会を聴きに来た大きな動機として、今年の10月にマケラ指揮オスロ・フィルが来日し、この4番も演奏するので、どんな曲なのかな?前もって聞いておこうと考えた次第です(録音を聴く前に生の印象を持ちたかったのです)。今回の指揮者はこの分野のスペシャリストとも言えるパーヴォ・ヤルヴィーさんですし、管弦楽は天下のN響ですし。それに昨年来シベリウスのシンフフォニーは(録音も含めて)結構聴くことが多く、シベリウス好きになりかけていた矢先なのでした。 一度聴いただけであれこれ言う資格は無いので、10月まで出来る限りシベリウスを聴いて、10月には天才の呼び声高いマケラが、どの様な4番を聞かせてくれるか、今から楽しみを大事にとっておこうと思ったのです。従ってノーコメントとなりました。❞

 この時受けた印象は、決して肯定的なものでは無かったので、その原因が、シベリウスの曲自体にあるのでは?とも考えたのです。従ってこのベルリンフィルの演奏が、どの様な響きをもたらしてくれるのか、」大変興味深く聴きました。

 以下演奏順に沿っての楽器群の演奏の模様の画像を列挙します。(動画でないので、音も動作も伝わってきません。動画の転載は著作権法違反の可能性大なので載せられません)
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 流石ブロム翁の引っ張るベルリンフィル、翁の動きは緩慢に見えますが、決して標を外しません。それに反応するこのオーケストラは、一人一人が熟練を極めた腕で答えるのですから、自ずからその反応結果は明らかでした。素晴らしいアンサンブルで、不気味な沈鬱な暗さを湛えた1楽章も、迷路の様な3章でも鉄琴の音が印象的な終楽章も晴れやかに演奏を締めるベルリンフィルでした。

 ところでこの配信映像は、11月のブロムシュテット来日公演中止のかなり前に演奏されたもので、来日予定だった二週間前には、ベルリンフィルとブロムシュテッド指揮でシュトラウスのメタモルフォーゼとベートーヴェンの英雄を演奏したらしいのですが、両脇をコンミストレスにエスコートされ、かなり弱り切っていたそうです。その後の回復情報はまだ入っていません。