HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『自然と人のダイアローグ展』詳報at国立西洋美術館Ⅰの③


Ⅰ.空を流れる時間

Ⅰ.の③(「思い出」の風景画)

前回Ⅰ-② では、ブーダンを始め、モネなどが自然とアトリエの融合的発想から描いた作品を中心に見て来ました。今回はそうした印象派の画家達に色々な意味で影響を与えて来たジャン=バティスト・カミーユ・コローを中心として見て行きます。 コロー(1796年~1875年)は、現在のパリ7区のバック通りの裕福な織物商人の子として生まれました。学生時代はルーアン(ノルマンディ地方)及びポワシイー(パリ近郊)の寄宿学校で学び、画家になることを反対していた父親にしたがい、いったんは商人としての修業をしたものの画家へのあこがれは募る一方、1822年、26歳の時、ようやく父の許しを得て画家を志し、当時のアカデミックな風景画家アシール=エトナ・ミシャロン(1796年 - 1822年)やジャン=ヴィクトール・ベルタン(1767年 - 1842年)に師事しました。当時としては画家を志すには遅いスタートでしたが、78年の長い人生のうちにサロン出展も重ね、サロンの審査員にも選ばれ、晩年は大家として認められるようになりました。彼は人物画にも優れていて、次の二作品は非常に有名です。

   

  真珠の女    青い服の夫人

  (ルーブル美術館)  (同左) 

一方コローの風景画は、神話や歴史物語の背景としての風景ではなく、イタリアやフランス各地のありふれた風景を描いたものが多く、特に1回目のイタリア滞在の際に制作した風景習作には、その光の明るさ、大胆なタッチなどに近代性を見せるものが多いのです。春から夏に戸外で制作を開始し、それを秋から冬にかけてアトリエで仕上げるのがコローの風景画制作の基本でした。後半生には、画面全体が銀灰色の靄に包まれたような、独特の色調の風景画を描きました。こうした風景画は、明確な主題のある「歴史画」とも、現実の風景をそのまま再現した風景画とも異なるもので、現実の風景の写生を土台にしつつ、想像上の人物を配した叙情的風景画でした。コローは、こうした風景画のいくつかに『思い出』(souvenir)というタイトルを与えています。戸外制作とアトリエ、観察と冥想の間でコローが生み出した数多くの「思いで」の風景は、印象がはらむ主観が内在しています。そこに、「目と心」を用いた創造行為としての絵画芸術の根本が見られるのです。

   「ナポリの浜の思い出」

    「森の外れの騎手」

 上記何れの作品も遠映として海岸と思しき風景が描かれ、中心の人物は手をつないだ女(浮かれている様子)と馬に騎乗する騎手という、周囲の木々がうっそうとした森には実際有り得ない構図です。将に「思い出」をカンバスに落とし込んだものなのです。しかし全体としての風景画としては、素晴らしいバランスの取れた印象を与えているのです。

後期のモネもまた虚像と実像が水面で交差し、夢の中を漂うな小舟を描きました。

     「舟遊び」

 

 木漏れ日の下の幸福な「思いで」の風景は、以下のマネやリーパーマンの作品にも、また晩年のルノワールが描いた南仏の光の中にも見え出すことが出来るでしょう。

「ブラン氏の肖像」マネ

「ラーレンの通学路」リーパーマン

「オリーブの園」ルノワール

「風景の中の三人」ルノワール

 ところで、話しは飛びますが、最近のコロナ感染状況は、東京、大阪、横浜などの大都市では、現在でも新規感染者数は4桁、数千のオーダーを数えます。8月末の第7波のピークから徐々に減少傾向にあったものが、10月上旬にはグラフがミニマムに降り切らず、逆に増加曲線を描き始めています。これは第8波の予兆ではないかと警鐘を鳴らす専門家もいます。7波のオミクロン株の感染は、重症化のリスクがそれ以前の変異株より低いとは言え、感染力が強く全体の感染者数が大きくなればなる程、必然的に死者も増加することになります。実際7波の死者数は6波を越えている模様。これから冬に向けてインフルエンザの流行も懸念する向きもあり、早目の対策、特にワクチン接種が必要です。そういう事で、昨日、11月1日(月)にオミクロン株のワクチンを接種して来ました。これまで同様、注射は痛くないし副作用も大したことないと高をくくっていたら、それが夜になって発熱してしまった。風邪を引いて熱が出る時と同じ感覚が体に感じたので体温を測ったのです。そしたら7度台前半でしたが、熱が出ていました。頭も少し痛い気がしたので、鎮痛・解熱剤を服用しました。でも今日(11/2)、夜になってもまだ体に少し非正常な感覚が残っています。昨日、今日と無理はせず、いつもより睡眠は多く取って、口に合ったもの(要するに食べたいと思ったもの)を食べています。明日は祝日、文化の日で、みなとみらいホールでのコンサートのチケットがありますが、行けるかな?今日も早く寝ましょう。(ワクチンは年齢の別なく接種券があれば、要するに三回目の接種券でも四回目の接種券でも、希望すれば新しいオミクロン株のワクチンを打てるそうですから、早めの対応をした方が良いでしょう)