HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『春の花音コンサート』at 大倉山記念館ホール

横浜市内の音楽案内サイトで宮下さんのギター演奏会が近くあると知って、主催者に電話したら、既に満席、チケット完売とのことでした。大倉山記念館ホールは80年以上の歴史を有する古いホールですので、何回か行ったことがあります。狭い小さなホールで100人位の収容人数でしょうか?

大倉山記念館ホール

さらに主催者が言うことには、電話での希望が多いので、追加公演を考えているので、また数日後電話して下さい、とのことでした。

再度電話したら、同じ日の夕方にもう一度追加の公演をすることになったとのことだったので申し込みました。

 このギタリストは知る人ぞ知るで、人気のギタリストなのですね。

【日時】2022.5.22.(日)17:00~

【会場】大倉山記念館ホール

【出演】宮下祥子

【Profile】

 7歳よりギターを始める。クラシカルギターコンクール優勝(東京)。キジアーナ音楽院夏期セミナーで最優秀ディプロマを得る。A・セゴビア国際ギターコンクール第2位。これまで世界32都市でリサイタルを行う。 井上ひさし氏の指名により新国立劇場における朗読劇「少年口伝隊一九四五」に初演より出演。6枚のCDをリリース、「レコード芸術」誌において“特選盤”、”優秀録音盤“に選ばれ好評を得る。北海道大学卒業。

【曲目】

①この道(山田耕筰、佐藤弘和編曲)

②さくらの主題による変奏曲(横尾幸弘)、

③みどりのそよ風(草川信)

④すみれの花咲くころ(F.デーレ)

  (③④は宮下さんへ編曲者壷井一歩氏から献呈された12曲の中のもの)

⑤アンダンテ・ラルゴ作品5-5(F.ソル)

⑥アルハンブラ宮殿の想い出(F.タレガ)

~ギターのための12の歌(武満徹編曲)より~

⑦イエスタデイ(J.レノン&P.マッカートニー)

⑧オーヴァー・ザ・レインボー(H.アーレン)

⑨花は咲く(菅野よう子、小関佳宏編曲)

 

【演奏の模様】

 追加公演の開始時間を勘違いしていて、16時からだとばかり思っていました。最寄りの駅に着いたのが、25分前頃、急いで駅からの傾斜のきつい坂道を走ったのですが、息が切れて、走っては歩き、歩いては走りの繰返しでした。ようやく10分前に館内の受付に着いたのですが、まだ受付け開始前だとのこと。エーと思って訊いたら、17時開演、16時半開場とのことで、「そこの待合室でお待ちになって結構です」と謂われた。昔の木造教室の様な木の長椅子に座って待つことに。すると受付とは反対側の奥の部屋から、弦楽の演奏の音が聴こえます。その部屋の扉は閉められているので、様子は分からないのですが、耳を澄ませて聴くとどうやら弦楽四重奏の様です。演奏会でなくきっと練習しているのでしょう、暫く長く演奏すると中断します。このメロディの感じはハイドン?ベートーヴェン?いや違う。シューベルト?ブラーム?いやそんな感じではない。誰の曲だろう?聴いた事のない曲でした。この記念館にはホールを取り囲むように集会室があって、音楽練習室としても貸し出している様です。

大倉山記念館内
集会室

 そうしている内に人が集まって来て中には外人の姿も。話している言葉はフランス語でした。今日の演奏者は、Profile を見ると、外国のコンクール歴や、海外での演奏の経歴も豊富の様なのでそれでかな?と思いました。

 時間になってホールに集まった観客で8割方席が埋まってきました。ステージは「花音コンサート」らしい綺麗な大きな花飾りが二基左右に添えてありました。

 

 演奏予定曲目はどれもが肩ひじ張らない、よく知っている曲も多く、最初の「このみち~は~、いつかきたみ~ち」の静かな弦の音が心地良くて、たちまち眠けが襲い掛かりました。②のさくらの曲など、まるでお琴と聞きまごう程、③では、心で、「みどりのそっよっか~ぁぜ」と歌っていました。奏者の宮下さんの演奏前トークでは、「どこかで聴いた事のある調べ、誰もが知っている調べが出てきますので、口ずさまれても結構ですよ。」と言っていた。

 こんな調子で、最後まで、半ばうとうとしながら、宮下さんが曲のあい間にトークすると目が覚め、また眠りかけるといった風に非常にリラックスした(だらけた)気持ちで聴くことが出来ました。アンケートにも「大変癒されました」との感想を書いて出しました。

 多くの曲の中で、⑤の作曲者フェルナンド・ソルの曲は、とてもギターの特徴が表現出来ている曲で注目しました。宮下さんのトークでは、ソルはスペインの作曲家で、ギタリストでしたがナポレオン支配の終わりと共にパリに移住し、多くの曲を書いた。ギターの曲もあれば、あのシンデレラの話にも作曲してバレエ化したそうです。(先日5月4日に新国劇で見た『シンデレラ』はプロコフィーエフ作曲のバレエでした)

また⑥のアルハンブラ・・・はやはり名曲ですね。アルハンブラ宮殿の夜陰に浮きあがる姿が瞼に浮かんできます。昔、夜の観光でアルバイシンの丘から見たアルハンブラ宮殿の何と幻想的だったことか!忘れ得ません。勿論建物内もそのなかのフェネラリフェ庭園もとても素晴らしいものでしたが。

 今日のギター演奏会は、とてもリラックスして聞けて、何も余計なことを考えることもなく、大きな音の演奏会を聴くのとは違った得難い瞬間をもつものだなという感想を抱きました。