HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

アカデミー賞映画『CODA愛の歌』鑑賞

 表記の映画は、2022年の第94回アカデミー賞作品賞に合わせ三冠に輝いた映画です。昨年の作品賞『ノマドランド』、一昨年の『パラサイト・半地下の家族』とは、かなり趣きの異なる作品です。才能を尊び伸ばし、謂わばアメリカン・ドリームを実現しょうとする基礎には、いかに家族の協力、地域社会の理解があるかを描き出しました。そこには、ハンディキャップを持った人々の、それをものともせず生き生きと生きる姿が重なって、より力強い、説得力のある映画となりました。

 また、音楽を命題とした作品としては、2012年の『アーティスト』以来の受賞だと思います。慶賀にたえません。


【鑑賞日時】2022.4.21.(木)18:00~

【上映館】横浜ブルク13

【公開日】2022年1月21日 (日本)
【監督】 シアン・ヘダー

【原作】エール!
【原作者】トーマス・ビデガン、 エリック・ラルティゴ、 ヴィクトリア・べドス

【概要】
『コーダ あいのうた』(CODA)は、2021年のアメリカ合衆国・フランス・カナダのカミング・オブ・エイジ(英語版)・コメディドラマ映画。監督・脚本はシアン・ヘダー。聴覚障害者の両親をもつ子供(コーダ)である10代の少女を描いており、主人公である彼女をエミリア・ジョーンズ、聴覚障害者の両親をマーリー・マトリンとトロイ・コッツァー、聴覚障害者の兄をダニエル・デュラント(英語版)が演じた。他にエウヘニオ・デルベス(英語版)とフェルディア・ウォルシュ=ピーロが出演している。
 
 【キャスト】

〇エミリア・ジョーンズ
ルビー・ロッシ役


〇トロイ・コッツァー
フランク・ロッシ役


〇エウジェニオ・ダーベス
バーナード・ヴィラロボス役


〇マーリー・マトリン
ジャッキー・ロッシ役


〇ダニエル・デュラント
レオ・ロッシ役


〇フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
マイルズ役


〇エイミー・フォーサイス
ガーティ役
〇モリー・ベス・トーマス
アウドラ役
〇ケヴィン・チャップマン
ブレイディー役
〇ロニー・ファーマー
アーサー役
〇コートランド・ジョーンズ
〇レベッカ・ギベル
ジョアン・バイルズ役

 

【使用曲目】

  • ♪デヴィッド・ボウイ「スターマン」
  • ♪ジョニ・ミッチェル「青春の光と影」
  • ♪ザ・クラッシュ「I Fought the Law」
  • ♪エタ・ジェイムス「Something's Got A Hold On Me」
  • ♪シャッグス「My Pal Foot Foot」
  • ♪マーヴィン・ゲイ「Let's Get It On」
  • ♪マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル「You're All I Need To Get By」
  • ♪アイズレー・ブラザーズ+「It's Your Thing」 他

 
 【感想】

何といってもアメリカ社会の底力、エネルギーを強く感じました。聾唖の両親のもとに生まれ育った健常者のルビー、彼女の才能を伸そうとする熱血高校教師、バーナード・ヴィラロボス(V先生)、最終的には、ルビーの夢を叶えることに理解を示し、協力する両親と兄。イレギュラーな応募者(遅刻したり楽譜を忘れたり、伴奏をV先生が買って出たり)に寛容なカーティス音楽院の入学審査員(勿論、応募者の才能を瞬間で感じたからでしょうけれど)。日本だったら間違いなく形式に則っていないことで、不合格は必至でしょう。こうした才能と自由を重んじる風潮は、何も音楽分野にかぎらず、広くアメリカ社会を支え、延ばす底力になっているに違い有りません。

 ビヴァ!!アメリカ!  

アメリカ賛歌の映画とも取れます。

 なお、受賞後の関係者の発言が、映画サイトに掲載されましたので、以下に引用しておきます。
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

オスカー作品賞受賞

 本作は耳の聞こえない家族の中で、ただ1人だけ耳が聞こえる娘ルビーを主人公にしたヒューマンドラマ。家族の“通訳”となり、家業と学業を両立するルビーが歌の才能を見出され、名門音楽大学への進学を目指す物語だ。 エミリア・ジョーンズがルビーを演じたほか、「愛は静けさの中に」でろう者として初めてアカデミー賞演技賞を受賞した マーリー・マトリンが母のジャッキー、本作でアカデミー賞助演男優賞を獲得した トロイ・コッツァーが父のフランクに扮している。

    制作会社の反対を押し切り、耳が聞こえない役柄には実際に耳が聞こえない俳優をキャスティングした本作。へダーは受賞後のバックステージでマトリンが涙を流していたことを振り返る。マトリンの「35年前自分は(ろう者の俳優として初めて)アカデミー賞を受賞した。けれどもこの長きにわたって私はこの業界で孤独だった。もう孤独じゃない」という言葉を紹介し、「とてもエモーショナルな夜でした。特にマーリーにとっては、非常に長い長い戦いで、ようやく勝ち得たものだったから」と語った。

 スティーヴン・スピルバーグからは「ここ5年で観た映画の中でもっとも好きな1本」と称賛されたことを回想。ほかにも映画監督のマイケル・ムーアやドゥニ・ヴィルヌーヴ、俳優のハビエル・バルデムの名前を挙げながら「私の映画作りのヒーローたちが、本作を観て感想を言ってくれているなんて、本当に信じられない状況です」と興奮気味に語った。最後は日本の観客に向けて「家族についてのストーリーです。私たちはそれぞれ皆違うけれども、想像している以上に、私たちには共通するものがある、というメッセージが広がればと思います。日本の皆さんが本作を愛してくださっていることをとてもうれしく思いますし、日本で公開し、観ていただけることがとてもうれしいです」とメッセージを送っている。