昨日も今日も(予報によれば明日も?)天気はその前日の雪混じりの降水のあった日と比べたら一歩春に近づいた様ないい天気でした。いい陽気に誘われて表記の美術館を見てきました。とは言っても外出には「コロナ感染防止」という事が頭から離れない状態なので、何かすっきりしない部分は付いてまわります。それでも家に籠るストレスはある程度解消出来たと思います。
【展覧会名】アール・ヌーヴォー&アール・デコ『エミール・ガレとライバル』展
【開催文】
エミール・ガレは1889年と1900年に開催されたパリ万博で、グランプリを受賞しガラスを芸術の域に高めることに成功しました。
フランスではガレの後を追うように次々と高度な技術を持ったガラス作家が誕生しました。
繊細な絵付作品で「ガラスの印象派」と呼ばれたドーム兄弟。
歯科技工士から転身し、幻の技法パート・ド・ベールを極めたアルジー・ルソー。
ジュエリー作家から転身し大成功を収めたルネ・ラリック。
今展ではアール・ヌーヴォー、アール・デコ期に活躍したガレとそのライバルたちの作品約50点を展示いたします。
この機会にガラス芸術の魅力をご堪能下さい。
【会期】2021.10.29.~2022.2.27.
【会場】みらい美術館(横浜みなと未来)
※この美術館は新ビル建設ラッシュの横浜・みなと未来地区の横浜駅に割と近い新街区に建てられた医療関係のビルの中にありました。
最寄りの駅は、二種類の地下鉄路線の「高島町駅」もしくは「新高島駅」でそこから徒歩5~6分の所にありました。
【鑑賞日時】2022.2.12.(日)14:00~
【美術館案内】
みらい美術館は、ガラス工芸品収集家としても名高かった、みなとみらい学園創設者の鶴見輝彦氏の遺志を受け、2016年に設立されました。以来、ガレ、ドーム、ラリックなどのガラス芸術の真髄に触れるような展覧会を、年に2~3回の企画展として開催している。
【展示の様子】
主な展示作品は、エミール・ガレ及びそのライバルと目されていた、ルネ・ラリック、アルジールソー、ドーム兄弟たちのガラス工芸品です。
【作者紹介】
【展示の模様】
まず驚いたことは、その名もそれ程広くは知られていない小美術館が、世界に冠たる業績を残したガラス工芸作家のこれ程多くの傑作作品を所蔵していることでした。価値に換算したら恐らく億のオーダーになるでしょう。因みに次の香水瓶(非所蔵品)は最近のオークション(日本)で、90万円の値が付いたそうです。
上記作家の主な展示品を以下に掲載します。
①ガレ作品
②ドーム兄弟
③ラリック
④ルソー
全体的には、ガレの作品が多くまたドーム兄弟の作品が次いで多かった。
ドームの作品は手の込んだものでは、例えば上記バッタ文様とアイリスを立体的にガラスで制作、本体を再加熱したものに熱溶着して作っています。
逆にラリックの作品では、例えばピエールフォンなどは型を使ってプレスして制作しているのが金工に似ていて面白いと思いました。
ルソーの作品はランプが多く、幻想的な光の下で人は寝入るのか愛を語るのかあるいは占いをするのか怪しいほどの雰囲気を醸し出していました。
総じてガレの作品が一歩抜きんでいて、次のピッチャー等安定したフォルム、色彩の変化、微細な装飾等素晴らしいものがありました。
その他、マジョレルという作家の作品は鉄製の台座を制作その上にドームという作家が小判草形のランプを制作して付けたというジョイント作品が面白かった。
ねじれた曲線の具合が何とも言えぬ艶やかさが出ていてその上に見事に咲くのは光の花のカップルです。考え様によっては、二人の恋人がしっかりと抱接しているとも見えます。発想もデザイン性も素晴らしいと思いました。
なお、この美術館はさすが医療関係の学校付設だけあって、コロナ対策は、これまでに見たことない位しっかりとしていました。観客は非常に少なく最初から最後まで自分を入れて3人しかいなくて、密からは程遠いものでした。展示室にはクリニックに置いてある様な最新と思われる空気清浄機(最近は殺菌作用もついている様です。)があり、入場時はアルコール消毒、検温の他に紫外線照射装置で体を殺菌してから入室する徹底ぶり。世の中これぐらいのコロナ対策をしていれば、オミクロン株もこれ程の大流行には至らなかったのでは?と思ったりしました(勿論、退室後は手洗いうがいを念入りにしましたけれど)。