HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ホールギャラリー企画展・ミヤケマイ×華雪』鑑賞

12月下旬から、横浜にある県民ホールで、表記の展覧会が催されています。

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《ミヤケマイ×華雪》展

【会期】2021.12.20~2022.1.29

【会場】神奈川県民ホール・ギャラリー

【鑑賞日時】2022.1.18.(火)18:00~

 この展覧会は、造形作家ミヤケマイと書道作家華月による、音楽でいえば謂わば、ジョイントコンサートの様なものです。生演奏はありませんでしたが、造形と音と映像の組合せや、書製作に和楽器演奏を重ねた映像などが見れるという珍しい(ということは、かなりマイナーな)展覧会なので、観客はきっと少ないだろう(コロナ感染リスクは低い)と踏んで、見に行きました。

 会場は、年に何回かは音楽を聴きに行く、神奈川県民ホールです。12月には第九を聴きに行きました。音楽ホールの他に、美術展が開けるギャラリーもあるのです。横浜からだと、三通りのアクセス方法があって(勿論タクシーを使えば簡単ですが)①「京浜東北線」で関内駅下車、徒歩10~15分、②東急東横線直通「横浜高速鉄道みなとみらい線」で日本大通り駅下車、徒歩5、6分又は③横浜駅東口バスターミナルから市営バスで、大桟橋下車1~2分、今回は、時間が18:30に閉館になるというので、②で行きました。着いたのは丁度18時、会場は、県民ホールの地下にありました。案の定、観客は自分を含めて4人きりいませんでした。

【Profile】

◎ミヤケマイ Mai Miyake

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〈美術家〉

 日本の伝統的な美術や工芸の繊細さや奥深さに独自の視点を加え、 過去・現在・未来をシームレス、 物事の本質や表現の普遍性を問う作品を制作。媒体を問わない表現方法を用いて骨董・工芸・現代美術・デザイン、文芸など、既存の狭苦しい区分を飛び越え、 日本美術の文脈を独自の解釈と視点で伝統と革新の間を天衣無縫に往還。展覧会、ワークショップなど多数。「蝙蝠」(2017年)など4冊の作品集がある。京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)特任教授。

 

◎華雪 Kasetsu

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〈書家〉

 1975年、京都府生まれ。幼い頃に漢文学者・白川静の漢字字典に触れたことで漢字のなりたちや意味に興味を持ち、文字の成り立ちを綿密にリサーチし、現代の事象との交錯を漢字一文字として表現する作品づくりに取り組むほか、文字を使った表現の可能性を探ることを主題に、国内外でワークショップを開催。刊行物に『ATO跡』(between the books)、『書の棲処』(赤々舎)など。『コレクション 戦争×文学』(集英社)をはじめ書籍の題字なども多く手掛ける。

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地下鉄を降りて、会場に向かう途中、横浜ベイスターズの本拠地、横浜スタジアムがあります。もう薄暗くなりかかっていて、試合のない球場は、ひっそりとしていました。

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 道すがらのビル内に、ボルダリングの練習施設がありました。誰もいませんでしたが。

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会場の近くには、山下公園が、やはりひっそりと佇んでいました。

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「県民ホール」は、1975年に建てられたビルですが、綺麗に保たれています。

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【神奈川芸文財団芸術監督挨拶文】

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記載の都合上、ミヤケマイ展示はM、華月展示はKと付します。

[M1展示ブース]

ここでは、<天の配剤、Sometimes the Aplle Falls Far from the Tree>と題されたガラス、水、石から成る造形が見られます。2020年の作品。

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階段から地下二階に降りると『舟』の形状をした作品が置いてある[M2展示ブース]です。

<呉越同舟、The Things We Do Undersstand And Misunderstand>と題された木材等で作られた舟擬きが、如何にも水の上に模して床置きされ、近づいて舟に乗る様な位置だとかすかに子供たちの声(録音)が聞こえてきます。2021の作品。

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舟前方に取り付けられたディスプレーには青白い文字が浮かんでは消え消えては浮かびしている。

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次は、華月作の[K1展示ブース]で。<鳥、bird>と題された作品が見れます。

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次の[K2展示ブース]では、<木、tree>と題された様々な木の墨字が書かれた弊布を林の様にぶら下げています。

配布資料によれば、

❝今、コロナという得体の知れない存在と共存する時代に「木」、それから「森」を書くことで、改めて人にとっての「畏怖」とは何かを捉え直すきっかけとして、今回の作品群をつくってみたいと思った❞と華月さんはインタヴューに答えています。

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さらに進むと[K3展示ブース]で、ここの床には大きな長い紙に太く荒々しい字で墨した心の字の連なりがありました。2021の作品です。そのブースの壁際には大きなスクリーンがあり、観客が見守る中、華月が将に❝一❞を連続的に大書している映像が写されています。

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そしてその書家の近くで琵琶を演奏している人も写っていました。時々低い声でうなり声さえ聞こえます。

 

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以下は[K5、K6ブース]の<花 flower。雁皮紙に油煙墨と岩絵の具と膠を使用した作品

です。

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以下は[m3ブース]の<同じ月、Under the Same Moon>

 

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以下は[M5ブース]の<検眼鏡 Subjectiv Optmeter>

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 かなり急ぎ足の鑑賞だったせいもあるのか、理解に苦しむ点も多々あり、意味合が??

の作品もありましたが、それらの発想の斬新さとユニークさは、二人の作者の個性が相乗効果作用で倍化された効果が出ていると感じました。しかしその相乗効果がどの様な物かの明快な言葉による解明と、この二人の作品がどの様な関係にあるのかの言葉による解明がなされれば、観た人はさらに良く理解できるのではなかろうかと思いました。

 でも冒頭のチラシ図に記載がある❝ことばのかたち かたちのことば❞が象徴する様に、❝分からない所から始まり、わからないところに辿り着く その間に偽りの悟りを何度も繰り返し飽くことのなく日常は続いていく。(ミヤケマイ)❞とすれば、そうした理解は意味のないことになりますね。理解しようとせず、あくまで感性の受動に任すことにします。

 今日の入り口は二階(通常の音楽会入り口)から入って階下に降りて見たのですが、出口は一階の裏玄関から出ました。そしたら外に展示会の大きな看板が出ていました。二階の入り口付近にも看板があれば、山下公園を訪れる人たちの目にも留まって興味を持つ人が出るかも知れません。

 

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