HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『ドールハウスの世界展』鑑賞

昨日の帰宅途中に横浜駅近くの美術館に立ち寄り、非常にレアーな作品の展示を見てきました。切っ掛けは最近家内が、同じ団地の知り合いの奥さんから、次の様な手造りの物を頂いたというのです。

いただき物

非常に小さくて(直径2~3cm)おもちゃというのかマスコットというのか、その呼称も知らなかったのです。それが何とその奥さんのお姑さん(多分80歳は越している元国鉄マンだそうです)が作っているというのですから驚きました。こんなかわいい小さい物をご老人が、自宅の机上でコツコツと制作している姿を想像するだけでもびっくりです。そしてその奥さんから家内が聴いた話では、実際、この様な趣味を持つ人達の作品は、もっともっと小さくて精巧な作品を作っていて、丁度今そうした作品を展示している展覧会が横浜で開催中なのだそうです。それが表記の展覧会でした。物好きな自分がまず家内より先に見て来ることにしました。見た詳細を以下に記します。

 世界のアンテ ィーク   魅 惑のミニチュア

ドールハウスの世界展~現代日本作家の超絶技巧

 

【名称】魅惑の『ドールハウス世界展』

【会期】2022.4.16(土)~2022.5.15.(日)

【会場】そごう美術館(横浜)

【鑑賞日時】2022.5.2.(月)18:30~20:00

【主催者挨拶文】この展覧会について(ABOUT THIS EXHIBITION) 

「ドールハウス」と聞いて何を思い浮かべますか?
人形の家、女の子のおもちゃ…。実はそれだけにとどまらないのです。日本語でぴったり当てはまる言葉がなく、「小さい家」が近い訳になりますが、外装だけでなくインテリアも含め、精巧な再現性を誇るミニチュア文化のひとつがドールハウスです。

記録に残っている最も古いドールハウスは、16世紀、ドイツの侯爵が愛娘のために作ったものといわれています。マイスターと呼ばれた高い技術者がドールハウスを制作し、やがて裕福な貴族階級や商人たちのステイタスシンボルとなりました。
18世紀の産業革命により、安価な材料で量産が可能になると一般の人々にも広まり、趣味として玩具として人気となっていきます。長い歴史を経て世界中で愛されてきたドールハウスは、美術工芸品としてだけではなく、当時の暮らしを伝える文化遺産としても大変価値の高いものといえます。
日本でドールハウスが一般的に知られるようになったのは1970年代頃で、歴史は浅いのですが、現代作家の技術は世界的にも大変評価が高く、豊富なバリエーションが特徴で、個性豊かなミニチュア作品が次々と誕生しています。本展では、日本ドールハウス協会の現代作家の代表作および新作、ノエカフェ・一色美世子コレクション、箱根ドールハウス美術館のアンティークコレクションなど約80件にて、ドールハウスの魅惑の世界を紹介します。

【展示の模様】

展示ブースは次の三つのブ-スに大きく分けられていていました。

(Ⅰ)第一章ビクトリア朝時代のドールハウス(産業革命がもたらした栄華と闇)

(Ⅱ)第二章世界のドールハウス

(Ⅲ)第三章現代のドールハウス

順に沿って観ていきました。

(Ⅰ)第一章ビクトリア朝時代のドールハウス(産業革命がもたらした栄華と闇)

ここでのポイントは、ドールハウスは、ドイツ⇛オランダ⇛イギリスと伝わり、当時(18~19世紀)の英国の産業革命の影響を受けて発展したという事です。

ブースを進むと小さな住宅の模型が並んでいました。

上の写真の様に、ヴィクトリア王朝時代の住宅の模型の中の部屋にライトを灯し、各部屋の調度品を一個一個手作りしたものを、部屋の中に配置して1/10~1/12の模型を作っています。例えばある屋敷の室内を窓から覗くと、次の様に調度品等が本物の様に並んでいるのが見えます。

つぎのヴィクトリアン様式の屋敷は、20世紀初頭に作られカタログ販売されていたそうです。

暖炉道具

         



 

 

ジョージ三世ハウス

ジョージ三世紋章

室内

台所

ヴィクトリア朝時代の蒸気ポンプ場

          

 

ミニチュア蒸気ポンプ場

イギリスにおける産業革命の技術的な側面をその機械のミニチュアを作りしかも実際に蒸気を発生させて動くのには驚きました。これもテクノロジーの一つかな?

 この時代の労働者階級の家のミニチュアもありました。

 

こうした作品は当時の生活様式を探る上でも貴重な資料です。

 

壁を両開きの展開図の様にして室内が一望できる作品(オープンルーム)もありました。室内には、日本の掛け軸や扇子が飾られトルコの敷物が敷かれメイドが子供にスイスの服を着せるといった当時の国際性豊かな家がモデルになっている様です。

この建物は三階建てですね。かなり裕福なブルジョアジーの家を模したのでしょう。

このオープンハウスはドイツにあったデンマーク人所有の家のミニチュアです。特別な壁紙と床が見が張られ、アールヌーボー調の時計、大きなランプシェード、メタル装飾の家具等珍しいものが多く見えます。

さらに展示場を進むと次のブースに入りました。

(Ⅱ)第二章世界のドールハウス

第一章で見た英国を中心としたドールハウスの波はその後世界に拡散していくことになりますが、ここでは例を少々記するのみにします。

            スペインのドールハウスです。

        

向かって右の一、二階内部

向かって左の一、二階内部

            

 

 

 

(Ⅲ)第三章現代のドールハウス

このブースでは、主に日本の作品、特に現代作家の出品が多く展示されていました。面白そうなものを記します。

 

 

京町屋の4店舗

 

又日本の各月にふさわしい物品を1月~12月まで並べたミニチュア展示もありました。

その他、飲み屋街や様々な飲食店をこと細かく再現して制作した作品も多く出品されていました。
 この展覧会は普段見れない、しかも匠の技術に近いものを集中して見られるいい機会なのですが、20時まで開館していることを電話で訊いていたので、18時頃入館して二時間も見れば、時間的には十分だろうとたかをくくっていたのでした。しかしそれでは時間が足りなくじっくり見ることは出来ませんでした。それ程多くの展示物があったのです。休日に半日くらいかけてじっくり見れば、随分と楽しめる展示会でしょう。4月12日まで開いている様ですが、他のスケジュールの関係で再び見に行くことは出来ません。その内機会が有れば、専門の美術館も(箱根に)ある様ですからその内行きたいですね。
 なお、館内はPicture OK なのですが、写真撮りには十分明るくないので、Flashを点けたら注意されました。No Flash とのことでした。