HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』鑑賞

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 表記の映画は、11/11~11/14の四日間、横浜赤レンガ館で開催された日本未配給作品などを上映する『横浜フランス映画祭』で上映された作品で、11/26よりロードショウになった作品です。

 11月の最終日、東横線での帰路中にたまたま映画情報をネットで見ていたら『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』というのがあって、「35年まえ、彼はなぜ忽然と姿を消したか?」と見出しがついていました。

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これは面白そう。もしやっていれば帰りに見て行こうかなと思って詳細を調べたら、12/3からの上映作品でした。上の方にスクロールして上映中作品を改めて見たら、上記の『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』があったのです。“ダ・ヴィンチ最後の傑作”と大きく書いてありました。以前見た『ダ・ヴィンチコード』を思い出し、面白そうだ見ていこう、と思って上映館を調べました。すると横浜に近い処は、「TOHOシネマズ川崎」と桜木町「Kino Cinema」の二箇所でした。でも川崎は帰りが遠くなるし、上映時間が19:25からで、一方Kinoの方は横浜からすぐなのでしかも18:30からとあるので、後者を選びました。上映館はみなとみらい地区の横浜寄りにあり、大きなビルの二階に数年前オープンした様です。

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Kino Cinema

 

 一階にはTSUTAYAとスターバックスが広くフロアーに広がり、結構多くの若者が椅子に座り、飲食しながら本を読んでいる人たちが、多く見かけられました。

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スターバックス

 ビルの周りは電飾の飾りつけが、もう盛りとばかり輝いていました。

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 そうこうしているうちに、すぐクリスマスがやって来ますね。

映画の概要は次の通りです。

 

【鑑賞日時】2021.11.30.(火)18:30~

【上映館】kino cinema 横浜みなとみらい

【監督】アントワーヌ・ヴィトキーヌ

<Profile>

1977年フランス出身。ドキュメンタリー映画監督かつジャーナリスト。
2001年以降、大手フランス放送局製作の23本のドキュメンタリー作品の監督を務め、そのほとんどが世界各国のテレビ局で放送される。特に有名な作品に『Qaddafi, Our Best Enemy(英題)』(2012年に最も海外に輸出されたフランスのドキュメンタリーとして受賞)がある。
他にも、11カ国語に翻訳された『ヒトラー『わが闘争』がたどった数奇な運命』(永田千奈訳/河出書房新社刊)など、3冊の書籍も執筆している。            

【出演】絵画トレイダー、オークショナー、美術館・博物館員他(ロバート・サイモン、ルーク・サイソン、マーティン・ケンプ、マシュー・ランドラス)

【音楽】ジュリアン・ドゥギン
【編集】イヴァン・ドゥムランドル
【編集】タニア・ゴールデンバーグ
【撮影監督】グザヴィエ・リバーマン

【物語】

 2017年、アート界に激震が走った!一枚の絵がオークションで、レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の傑作とされる「サルバトール・ムンディ」=通称「男性版モナ・リザ」として、史上最高額となる510億円で落札されたのだ。“購入者は誰なのか、これによって真のダ・ヴィンチ作品だと証明されたのか?” 世界中の人々の関心を集め、今なお謎が深まるばかりのこの名画にまつわる疑問を鋭く紐解いていくだけでなく、知られざるアート界のからくり、闇の金銭取引の実態をまでも生々しく暴いていく―。  すべてはニューヨークの美術商の“第六感”から始まった。ダ・ヴィンチには“消えた絵”があり、それには救世主が描かれているという説がある。名も無き競売会社のカタログに掲載された絵を見て、もしかしたらと閃いた美術商が13万円で落札したのだ。彼らはロンドンのナショナル・ギャラリーに接触、専門家の鑑定を得たギャラリーは、ダ・ヴィンチの作品として展示する。お墨付きをもらったこの絵に、あらゆる魑魅魍魎が群がった!  その意外な身元を明かすコレクター、手数料を騙し取る仲介者、利用されたハリウッドスター、巧妙なプレゼンでオークションを操作するマーケティングマン、国際政治での暗躍が噂されるある国の王子──。一方で、「ダ・ヴィンチの弟子による作品だ」と断言する権威も現れる。そして遂に、510億円の出所が明かされるが、それはルーブル美術館を巻き込んだ、新たな謎の始まりだった─。 ミステリー小説を遥かに超える、先の読めないスリリングな“事実”の波状攻撃に、常識も良識も爽快に破壊されるノンフィクションムービー!

 

【感想】

サスペンスかミステリーものかと期待していましたが、そうではなくて「ミステリ・ノンフィクション」でした。ノンフィクションと言っても“事実は小説より奇なり”と言う程のものではなかった。

 レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた幻のキリスト画「サルバトール・ムンディ」(救世主)が2017年11月15日、アメリカ・ニューヨークの競売で、4億5031万2500ドル(約508億円)で落札された。競売会社クリスティーズは「美術品のオークションで落札された史上最高額となった」と発表したのです。ここで幻のとあるのは、存在は知られていたが、長い間、行方不明とされていたからで、それが2011年にニューヨークで発見され、その後ロンドンのナショナル・ギャラリーに展示されて話題を呼んだのです。発見された時、所持者が購入した価格は13万円だったと謂われ、恐らく偽物だと思われ、その割には良く出来ている作品なのでその値が付いたのだと思われます。ジャンク債の様なものだったのでしょう。それがその後人手者(特に美術トレイダーやオークション関係者他)を渡り歩くうちに、ダ・ヴィンチの本物説が浮上し、他の作品との類似性があるとかダ・ヴィンチ作の特徴があるといった真贋の調査結果まで、なされるようになりました。National Gallery of London(NGL)に真贋調査を依頼した結果は白で。NGLは本作品を展示することにしたのです。この展示は大きな話題となり、クリティーズのオークションでは、1億ドルの予想価格を大きく超える4億ドルで落札されたというのですから、これはもう史上最高価格の絵画というばかりでなく、史上最大の謎の絵画と謂われるようになったのです。手数料等を含めれば500億円ですよ。これだけの落札者は誰か?何年も秘密にされていましたが、数年後アラブの王子だという事が分かりました。映画では王子は、アラブに大きな西洋美術館を建設するプランの目玉作品としたいとしていますが、美術館がいつ完成するかも明らかにされていないし、当の作品を王子が間違いなく所蔵している証拠写真も明らかにされていません。やはりここでも謎が多いのです。

 どうも映画を見終わってもすっきりしない気持ちが残りました。何となくうさん臭さは残ります。NGLは科学的調査結果を公表したのでしょうか?それが世界中の調査員達から支持されたのでしょうか?邪推かも知れませんが、大きな陰謀が隠蔽されているかもしれない。王子の資金ロンダリングだったりして。そうしたミステリー小説を誰か(ダ・ヴィンチコードの作家でも)書いてくれないかな?それを映画化した方がよりお面白ろくなる。なーんて、想ったのでした。

 映画を見た結果はさて置き、今回は非常に気持ち良いうれしいことがありました。

電話をかけて訊いたら横浜から映画館まで電車やバス、タクシーよりも歩いた方が手っ取り早いというのです。そこで運動を兼ねて徒歩でランドマークタワー方向に進んだのでした。ところが何か道を間違えたのか迷ってしまったのです、この界隈は5年前位までは結構空き地が多くて見通せたのですが、ここ1~2年は高層ビの建設ラッシュで、丁度渋谷駅周辺の再開発の様にどんどん高いビルが増えています。ビル街の中で思っていた道が違うことに気が付き、信号待ちをしていた青年に訊きました。そしたら聞いたことのない映画館だというのですが、大きなビルの二階にある映画館で、一階にスターバックコーヒー店が入っているらしいことを話すと、すぐスマホで地図を検索してくれました。最近はビル自体も見たように拡大、回転自在なアプリがあるそうです。自分のスマホには入っていませんが。そして分かったらしく、“その方面に歩いていくので、一緒に行きましょう”と言ってビル群の間を何か所も曲がり進み、その映画館の前まで連れて行ってくれたのです。途中、まわり道させては悪いと思って、もう大体分かったのでここまでいいです、と言ってももう少しだしそう急いでいないので大丈夫です、と言って呉れて、かなりの距離を誘導して呉れました。こんなに親切にされたのは久しぶりです。しかも若者に。もう何年振りかも知れない。恐らく会社の帰りで急いで家路についていたのだろうに、本当に恐縮するとともに、昨今の若者の中にはこうした人がいるのだと思うと、爽やかな気分になりました。日本の将来も捨てたものではありません。映画よりも大収穫でした。