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綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『ラ・ボエーム』雑感

 昨日日曜日(6/13)の夜、N HK.Eテレで、プッチーニの『ラ・ボエーム』を放送していました。オペラそのものではなく、オペラの映画版です。詳細は次の通りです。


[Eテレ] 2021年06月13日 午後9:00 ~ 午後11:00 (120分)

①楽曲
『映画「ラ・ボエーム」監督ロバート・ドーンヘルム』

プッチーニ「ラ・ボエーム」の映画版、舞台は19世紀初頭のパリ。愛と青春、若き芸術家たちの群像劇。
(管弦楽)バイエルン放送交響楽団、
(指揮)ベルトラン・ド・ビリー、
(配役)
ミミ…(ソプラノ)アンナ・ネトレプコ、
ロドルフォ…(テノール)ロランド・ビリャゾン、
ムゼッタ…(ソプラノ)ニコル・キャベル、
マルチェルロ…(バリトン)ジョージ・フォン・バーゲン、
マルチェルロ(声)…(バリトン)ボアズ・ダニエル、
ショナール…(バリトン)アドリアン・エレート、
ショナール(声)…(バリトン)ステファーヌ・ドグー、
コルリーネ…(バス)ヴィターリ・コワリョフ、
ブノワ…(テノール)ティツィアーノ・ブラッチ、
アルチンドーロ…(テノール)イオアン・ホレンダー、
アルチンドーロ(声)…(テノール)ティツィアーノ・ブラッチ、
パルピニョール…(テノール)エルンスト・ディーター・ズットハイマー、
パルピニョール(声)…(テノール)ケヴィン・コナーズ、
(合唱)バイエルン放送合唱団
(1時間45分17秒)

 

②特別コンサート(1961年イタリア歌劇特別公演より~)
『歌劇「ラ・ボエーム」から「私の名はミミ」』
(管弦楽)NHK交響楽団、
(指揮)アルトゥーロ・バジーレ、
ミミ…(ソプラノ)レナータ・テバルディ
(4分50秒)

 

ネトレプコとビリャゾンのコンビは、2005年ザルツブルク音楽祭での『椿姫』以降続いているもので、二人の歌唱力は抜群ですが、この組合せにはいつもやや違和感が残ります。

物語はアンリ・ミュルジェールの小説・戯曲『ボヘミアン生活の情景』(1849年)からとられ、1896年に初演されました。  それにしても可愛そうな物語と涙を流す前に、その赤貧ぶりには、驚きを禁じえません。丁度この時期のパリでは、印象派の画家達が世に認められ始め、大いに活躍する時代で、モンマルトルやモンパルナスなどには、欧州各地から様々な芸術を志す若者たちが集まって来ました。

成功する者の陰には、多くの惨めな運命にさらされる人達もいたのでしょうね。      ミミは、本当に哀れなお針子ですが、一方では、この時期ココ・シャネルの様に成功の階段を駆け上るお針子も現れたのです。ココ・シャネルは11歳の頃に母親を亡くしたことにより一家離散を経験し、孤児院や修道院で育ちました。 決して幸福な生い立ちではありませんでしたが、この環境がのちのシャネルの人生を作り出しました。 厳格な規律の修道院の中で、シャネルは裁縫の技術と、白色や黒色の持つ美しさを学んだのです。前者は架空の登場人物、後者は実在の人物ですが、運命はかくも皮肉なものなのでしょうか。二人の運命の分かれ道は、どう考えてみても出会った恋人の力量に依るとしか思えません。映画のロドルフォは、何故瀕死のミミがノースリーブで二の腕がむき出しになっているのに、自分の上着一つかけてやれないのでしょう。ムゼッタ他の周りの者が、自分達の出来ることを精一杯やってやろうとしているのに。雪がコンコンと降る中会いに来たミミに、自分は何も出来ないから別れようと言うロドルフォ。これを見て、ついジャンバルジャンのことが、頭をよぎりました。まー犯罪に走るのは論外ですが、愛する者のために悪の道に走るケースも世には多いのでしょうね。

 ところで、日生劇場でオペラ『ラ・ボエーム』を上演していたことは、知っていましたが、日本語上演ということが若干気になったことと、他の事情もあって、今回はパスしました。

 NHKの放送は、映画の後のティバルディの『私の名前はミミ』に感動しました。