HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

第20回東京音楽コンクール 本選 《声楽部門》

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【指揮】園田隆一郎

 

 

【演奏者】

①16:00~

黒田祐貴(バリトン) KURODA Yuki, Baritone

〈Profile〉

1992年生まれ。東京藝術大学声楽科卒業、同大学院音楽研究科修士課程オぺラ専攻修了。公益財団法人青山財団奨学生。学部在籍中に安宅賞、卒業時に大賀典雄賞・松田トシ賞・アカンサス音楽賞・同声会賞受賞。第86回読売新人演奏会出演。宗次徳二特待奨学生。大学院在籍中に藝大フィルハーモニア管弦楽団合唱定期演奏会(藝大定期第379回・384回)や第66回藝大メサイアのソリストを務め、修了時に大学院アカンサス音楽賞受賞。武藤舞奨学金を受け渡伊、シエナのキジアーナ音楽院で声楽のディプロマを取得。第87回日本音楽コンクール声楽部門第2位、併せて岩谷賞(聴衆賞)受賞。藪西正道、直野資、勝部太、萩原潤、W.Matteuzziの各氏に師事。
2020年6月NISSAY OPERA 2020『セビリアの理髪師』のフィガロ役をオーディションで射止め出演が決まっていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を鑑み中止となった。

1,E.コルンゴルト :オペラ『死の都』より<私の憧れ、私の空想(ピエロの歌)>

2.G.マーラー:『子供の不思議な角笛』より<起床合図>

3.<美しいトランペットが鳴り響くところ>

 

②16:24~(予定)

前川健生(テノール) MAEKAWA Kensho, Tenor

〈Profile〉

愛知県一宮市出身。新城市(旧鳳来町)にて育つ。

愛知県立時習館高校普通科卒業。国立音楽大学声楽科卒業。東京学芸大学大学院音楽コース修了。二期会オペラ研修所第58期マスタークラス修了。修了時の成績により、東京二期会オペラ劇場「魔笛」(宮本亜門演出)のタミーノ役のアンダースタディに指名される。ハンス・ガボア国際ベルヴェデーレ声楽コンクール(オランダ アムステルダム)にて日本代表メンバーに選出、世界本選会に出場。日本音楽コンクール及び東京音楽コンクールで入選、多摩フレッシュ音楽コンサート第一位、飯塚新人コンクール第二位、イタリア声楽コンコルソテノール特賞、ソレイユ声楽コンクール第一位、日光国際音楽祭声楽コンクール大賞など受賞歴多数。
 1.G.ドニゼッティ:オペラ『ランメルモールのルチア』より「我が祖先の墓よ」

2.R.シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』より「厳しさに胸を装い」

3.G.ヴェルディ:オペラ『リゴレット』より「彼女がさらわれた!~ほほの涙が」

 

(休憩) 16:42~17:02(予定)

 

③17:02~(予定)

1.川越未晴(ソプラノ) KAWAKOSHI Miharu, Soprano

川越未晴(ソプラノ) Miharu Kawakoshi, soprano

〈Profile〉

愛知県出身。愛知県立芸術大学卒業、同大学院修了。卒業時の優秀な成績により第46回卒業演奏会に出演。イタリアにてMaurizio Carnelli氏と岡崎智恵子氏によるマスタークラスに参加、ディプロマ取得。二期会オペラ研修所第65期マスタークラス修了。修了時に優秀賞および奨励賞受賞。2018年岐阜国際音楽祭コンクール声楽部門第1位および優秀賞、文化人特別賞、岐阜市長賞受賞。

1.G.ドニゼッティ:オペラ『ランメルモールのルチア』より 狂乱の場「あの方の優しい声が、私の心に響いたわ!〜苦い涙をこぼしてください」

 

④17:25~(予定)

.池内響(バリトン) IKEUCHI Hibiki, Baritone

〈Profile〉

兵庫県姫路市出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。3年次に安宅賞、卒業時に同声会賞を受賞。東京藝術大学同声会新人演奏会に出演。同大学大学院修士課程音楽研究科声楽(オペラ)専攻修了。
第60回瀧廉太郎記念全国高等学校声楽コンクールにて3位。第60回全日本学生音楽コンクール高校の部大阪大会にて奨励賞受賞。第25回宝塚ベガ音楽コンクールにて1位、併せて会場審査員特別賞受賞。第50回日伊声楽コンコルソ入選。第24回ABC新人コンサート最優秀音楽賞受賞。イタリアにて、第56回ヴェルディの声国際コンクール入選、第1回リリカ・スル・テヴェレ国際コンクールにて最高位、第20回リヴィエラ・エトゥルスカコンクールにて1位、第5回G.B.ルビーニ国際コンクールにて1位、第9回サリーチェ・ドーロ国際コンクールにて3位、第10回サルヴァトーレ・リチートラ声楽コンクールにて1位受賞。
姫路市より第37回姫路市芸術文化奨励賞受賞。平成27年度には兵庫県芸術文化協会より坂井時忠音楽賞受賞。
第61回藝大メサイア、その他にベートーヴェン《第九》、フォーレ《レクイエム》、モーツァルト《ヴェスペレ》、等のソリストを務める。NHK・FN「リサイタル・ノヴァ」、ABC放送「フレッシュコンサート」、BSジャパン「エンター・ザ・ミュージック」、などテレビやラジオに出演。オペラでは、《ドン・ジョヴァンニ》にてタイトルロール、《秘密の結婚》ロビンソン伯爵、《セビリアの理髪師》フィガロ、《ラ・ボエーム》マルチェッロ、《スザンナの秘密》ジル伯爵、《カルメン》モラレス、《メリー・ウィドウ》ダニロ、等を演じる。日生劇場主催NISSAY OPERA2015《ドン・ジョヴァンニ》にてタイトルロール、2017《ラ・ボエーム》にてショナールで出演。2019年イタリアのオルテ市、マッサ・マリッティマ市にて《ラ・ボエーム》マルチェッロで出演。
これまでに故山村純平、水野賢司、吉田浩之、ジョルジョ・ロルミ、アルマンド・アリオスティーニの各氏に師事。

1.W.A.モーツァルト:オペラ『ドン・ジョヴァンニ』より「カタログの歌」

2.V.ベッリーニ:オペラ『清教徒』より「ああ!永遠に私は貴女を失った」

3.G.ヴェルディ:オペラ『ファルスタッフ』より「夢かまことか」

 

【感想】
今日は、年に2~3回あるかないかの大ポカをしてしもうた。馬鹿ですね、遅刻したのです。それが、地下鉄に乗って座っていたら寝てしまい、二駅乗り過ごしてしまった。元の駅に戻るのに10分位はかかったでしょう。

 上野に着いて、文化会館に駆け込んだのですが、開演から5分過ぎていました。モニターには、既に最初の人がステージに立ち歌っているのが、映っています。係の人が、次の演奏者の前にホールに入れますと数人の遅刻者に案内していました。という訳で最初のバリトンの黒田さんは、聴けませんでした。
モニターは、性能が良くなく映像はぼやけ、歌声は小さく聞こえる、それでも耳を澄ませて聞いていると、発声は素直で、安定性がある様に思いました。二曲目のマーラーは、トランペットの起床ラッパの箇所をトラッラ、トラッラと歌いますが、もっと大きく声を張り上げてもいいのではとも思ったのですが、何分直に聴いていないので、何ともいいません。黒田さんは、「鬼のパンツ」他を映像で流して多くのアクセスがあったそうです。僕も見ましたが、楽しそうな雰囲気で、既に演奏家として、スタートしている歌手ですから、今回のコンクールの結果如何にかかわらず、今後とも活躍されると思いました。

二番目の前川さんからホール内で聴きました。

 前川さんは、声には潤いを感じテノール高音部もしっかり出ていたし、長くのびる箇所も安定的に推移、もうこのままオペラ舞台に立てるのでは?と思ったほど。リゴレットの後半曲調が変わってオケのリズムにのって、リズミカルに歌う箇所もOKでしたが。最後の歌声はオケの轟音にややかき消された感じがあったのは残念でした。今後舞台経験を重ね、歌に輝きが出てくれば、いいテノール歌手になると思います。

《20分の休憩》の後は、今回のファイナリストの紅一点、川越さんです。

 やはり、女性歌手は、見た目が華やかですね。オペラ舞台には相応しい、欠くべからざる存在です。川越さんは、ドニゼッティの『-----ルチア』、多くの大歌手が歌ってきた名場面です。かなり以前ナタリー・デセイが歌ったのを聴いたことがあります(デセイと言えば、あれは何月だったかな?来日リサイタルがある様です)。難しいテクニックを要する場面の歌です。川越さんは、この難しいコロラテューラを駆使し、修飾音や跳躍音に溢れた曲を立派に歌い通しました。彼女も既に舞台で活躍している現役だそうですが、さらに精進され、日本でも数少ないコロラテューラ歌手になって欲しいものです。

 最後は池内さん。バリトンです。冒頭のモーツァルトの第一声から、存在感のある迫力十分の声が響きました。圧倒的存在感。息も長く続くし表情豊かなら表現(顔の表情も)。二曲目になると、モーツァルトの時とは、違って姿勢も歌い振りも、真面目というか真剣な様子で歌っている。歌は朗々と響きオケの大きな音に負けるどころか、オケを引っ張っている感がするほど。最後の曲も力を出し切って歌った感がしました。歌い終わってかなり疲労した様子でした。

 

総じてファイナリストの皆さん全員、レベルが相当高いと思いました。「東京音楽コンクール」のレベルが、年々高くなっていると思います。皆さんそれぞれ素晴らしい持ち味を有し、本番で大きなミスもなく、これは優劣付け難いでしょう。この記録を帰りの電車の中で書いていますが、もう審査結果は出ている頃です。如何なる結果が出ようとも、僅差での順位でしょうから、今後ともその結果いかんにかかわらず、みなさん益々精進されて、日本を代表するような歌手のみならず、世界の歌手を目指して頑張って下さい。期待大です。