HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

ピエールカルダン上映記念『天使の入江』を観ました。

今ルシネマで、ピエール・カルダンに関する『ライフ イズ カラフル!未来をデザインする男ピエールカルダン』という映画を上映中ですが、その公開記念特別上映として、別の時間帯に同館で上映されているジャンヌ・モロー主演の3Kデジタルリマスター版映画『La Baei des Anges(天使の入江)』が明日(10/29)最終日を迎える様なので、しかも夜19時の上映なので、平日だし観る人は少ないだろうと思い、渋谷に寄ることにしました。また急な思い付きだったので、上さんに電話したところ ”いいけれど、絶対コロナにはかからないでね!”  と、きつく釘をさされました。まーいつものことですが。

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 さて、映画館は案の定、観客が非常に少なかった。何故ジャンヌモローの映画を特別上映するかといいますと、彼女とカルダンは恋人同士で、一目惚れだったと謂われます。この映画は、『シェルブールの雨傘』などで有名なジャック・ドゥミ監督が手掛け、カルダンがモローのファッションを担当、まさに二人が恋に陥ったきっかけとなった作品なのです。カルダンは、モローの衣装のデザインを手掛け、彼女を愛することにより、創作活動にインスピレーションと元気を貰っていたのでしょう。

 ”天使の入江”というタイトルについて、若干説明しますと、ニースの海岸とそこで若い男(パリの銀行員ジャン)と知り合ったギャンブルに溺れているジャンヌ・モロー(バツイチのジャッキー)のことを象徴的に表しているのです。hukkatsブログの以前の記事にも確か書いたことがありましたが、ニースの海岸は、海を左手に見て海岸通りをカンヌ方向に進むと、緩やかな弧(カーブ)を描いており、通りの右側が車道、それに沿って海側に歩道と遠浅の砂浜(モローは映画の中で、砂浜に直かに寝ころんで、”背中が痛い”と言っており、「砂」と言うより「小粒砂利」の浜辺が弧に沿って続いているのです。夏には、ヴァカンスを楽しむ人々が日光浴や散策や飲食を思々に楽しんいます。車道の右側にはホテルやらマンションやらレストランやらオペラハウスなど多くの建物が所狭しと並んでいます。(ついでに建物の裏側はといいますと、そこには大きな街路樹の通りが有り、あらゆる食材、各種の商品が並ぶマーケットがあり、多くの買い物の客で賑わっています)その建物のの一画に映画の主たる場面である、ルーレットカジノがあるのです。

 物語の粗筋は比較的単純で、海岸でふとしたことでギャンブルに溺れているジャッキーと知り合ったパリの銀行員であるジャックは、ジャッキーに引きずり込まれる様にギャンブルにはまっていき、二人は大勝ちをして大金を得たりそれをすぐすってしまったり、再び挽回するも再度一文無しになってしまうという、典型的なギャンブル依存症の常態を表現しています。ジャッックにはまだ理性が残っており、ギャンブルを止めてパリに戻ろうとして、ジャッキーにも一緒に行こうと誘うのですが、ジャッキーは断わり再びとばく場に行ってしまうのです。最後、誘いに乗らないジャッキーを後にしてとばく場を去り、パリに向かうとするジャックを、一旦断ったものの意を決っして、ジャックの後を追うジャッキー、無事二人はパリに向かうという「愛がギャンブルに勝つ」といった目出度しめでたしの物語なのでした。

 映画はここで終わりですが、でもその後はどうなったかが気になりますね。あくまで想像なのですが、ホテルで激しく問い詰めるジャックにジャッキーが答えた「どうせまたギャンブルをやることになる」という言葉が、その後を暗示していると思う。この依存症は現代では、「病気」であることがはっきりしていて、入院治療それもかなり長期の治療をしない限り直らないのです。従って「愛」だけでもってそう簡単に克服できるものではないでしょう。

 それにしても、ジャンヌ・モローは退廃感みたいな独特の雰囲気をただよわせる女優ですね。兎に角演技も上手だし、すごい美人ではないけれど、一瞬の表情がものすごく美しく感じる時が多々あります。昔から非常に気になるフランス女優の一人で す。