HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

映画『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 』鑑賞

ジョニー・デップ最新作。フランス映画No.1大ヒット!第76回カンヌ国際映画祭オープニング作品

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【日時】2024.3.30.(土)16:40~

【鑑賞館】横浜ジャック&ベティ
【上映終了日】2024.4.12.(金)

【制作年・国】2023年/フランス,ベルギー,ロシア,サウジアラビア/116分/ロングライド/DCP

【脚本】マイウェン、テディ・ルシ=モデステ、ニコラ・リヴェッチ

【監督】マイウェン
【出演】マイウェン、ジョニー・デップ、バンジャマン・ラヴェルネ、

    ピエール・リシャール、メルヴィル・プポー、パスカル・グレゴリー

 

<主催者言>

歴史上 、最もスキャンダラスな愛。
18世紀のフランス・ヴェルサイユの宮廷を舞台に、ルイ15世の最後の公妾(公式の愛人)となった“デュ・バリー夫人”ことジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を描いた歴史エンタテイメント作。
 シャネルが本作のためにデザインした衣装を提供し、ヴェルサイユ宮殿にて大規模撮影され、贅を尽くしたフランス宮廷を見事に再現!

 フランス国王史上一の美男子にして問題児、“最愛王”の異名をもつルイ15世を、
ジョニー・デップが自身初の全編フランス語で挑み、さらに『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』でカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したマイウェンが監督と脚本を手がけ、自ら主人公のジャンヌ・デュ・バリー役を演じた。

<STORY>
貧しい家庭の私生児として生まれ、娼婦同然の生活を送っていたジャンヌ(マイウェン)は、類まれな美貌と知性で貴族の男たちを虜にし、社交界の階段を駆け上がっていく。ついにヴェルサイユ宮殿に足を踏み入れたジャンヌは、時の国王ルイ15世(ジョニー・デップ)と対面を果たす。二人は瞬く間に恋に落ち、彼女は生きる活力を失くしていた国王の希望の光となっていく。そして、国王の公式の愛人、公妾となったジャンヌ。しかし、労働階級の庶民が国王の愛人となるのはヴェルサイユ史上、前代未聞のタブー。さらに堅苦しいマナーやルールを平気で無視するジャンヌは、保守的な貴族たちから反感を買う一方で、宮廷に新しい風を吹き込んでいく。しかし、王太子妃のマリー・アントワネットが嫁いできたことで立場は弱まり、やがて運命は大きく変わっていく・・・。

 

【感想】

 この映画は、フランス革命直前のベルサイユ宮殿での王とその愛妾の物語です。フィクションではなく実話(歴史)です。国王は15世紀、愛妾の名は、ジャンヌ・デュ・バリー、俗に言われるデ・バリー夫人です。当時の愛称は単に操を王侯に捧げる商売婦だけでは、成り立たず、」高い教養も身に付けている必要が有りました。そうです、高級娼婦という呼び方もされました。そう音楽の世界ではその代表的例がヴェルディのオペラ「椿姫」。その主人公、ヴィオレッタは将にその世界に生きている女性でした。どうも日本語では、「・・・娼婦」と言うと「商売女」「売春婦」という悪いイメージが強くなるので「Courtesan(クルチザンヌ)」と言う人もおります。これは単にその呼称の問題で、本質は突いていません。所謂「売春婦」との違いは、高い教養や知識、身振舞い等を自らの意思または他人からの養成に依り、身に付けているという事です。そして相手の男性は貴族社会の高い地位を有する者が多く、単に金満家や大金持ち、大富豪と言うだけではクルチザンヌには、相手にされないのです。椿姫も若い地方での地主階級のアルフレッド等目に入らなかったでしょう、本物の愛が芽生えるまでは。今回の映画の主人公「ジャンヌ・デュ・バリー」も出身は貧しい庶民の子から次第にクルチザンヌの資質を身に着けていったのです。そしてフランス王、即ちルイ15世の目に留まり、宮殿に呼ばれるのでした。そして王の気持ちを掴むことに成功、並ぶ者のないほどの愛妾となったのでした。王はかっての夫と正式に結婚式を催して呉れて、デュ・バリー伯爵夫人という称号まで授与して呉れました。一つの城をあてがわれる程、王のほれ込みは大きいものでした。結局ルイ15世の晩年はその愛を独り占めした様に映画では扱われています。即ち王の死によってベルサイユ宮殿を去ることになるのでした。

 王は最期に及んで僧侶に告解をし、これまでの恥ずべき女性関係、乱れた生活をしたことに対し神の許しを請うのですが、その直後王の死の床にもう一度会いたいと急ぎ戻ったデュ・バリー夫人は王と最後の愛の言葉を確かめ合うのでした。告解の前には❝地獄に堕ちるのが怖いので悔い改める❞と語った王が、告解した後も本音では夫人への愛を口にして死んで行ったという事を、どのように整理して理解したらいいのか?そう簡単では無い問題を孕んでいると思いました。