今日は新暦(太陽暦)7月7日、24節気(冬至、立春、夏至etc.)の「小暑」です。確かに最近雨が降る日でも暑く、梅雨が明けたら本格的に暑くなりそうな気配を感じます。
そしてまた今日は誰でも知っている七夕の日です。天帝によって別居を命じられた織姫(織女星)と彦星(牽牛星)の夫婦が、天の川を渡って1年に1回逢瀬を許された中国由来の物語の日です。
『秋風の 吹きにし日より 久方の 天の河原に たたぬ日はなし(詠み人知らず、古今集)』
織姫が彦星を 待ちわびている様子がよく伝わってくる歌です。
織女星はこと座の一等星ベガのことで、彦星(牽牛星)はわし座の1等星アルタイルのこと。ベガとアルタイルとは、はくちょう座デブネと一緒に、夏の大三角形を形成しているので、晴れた夜空では見える筈なのですが、どうしたことか七夕の日はいつも梅雨空で、天の川は勿論のことこれらの星々はほとんど見えませんね。どうして?それに上記の歌に“秋風”とあるのは何故?
ご存知の方も多いと思いますが、正解は、「旧暦でないから」です。古来、東洋三国では、月の満ち欠けを基本とする旧暦(太陰暦)を使って生活していましたから、戦後の日本の様に、太陽暦(新暦)を採用したとなると、様々な狂いが出て来るのです。旧暦での七夕の日は、新暦でいうと、2020年は8月25日なのです。その日は、もう8月7日の立秋はとうに過ぎていますし、もう秋という訳です。(まだ残暑がきつい年もありますけれど。) 従って「七夕」という語は秋の季語になっているのです。旧暦の七夕の日だと夜空にそれらの星が見えることが珍しくないのです。
今年はコロナ感染の為、神奈川県平塚の新暦七夕祭りも、宮城県仙台の8月の七夕祭りもみな中止となってしまって、がっかりしておられる方も多いと思います。織姫、彦星の逢瀬と同じ様に、また一年後には祭りを見られますようにと、心の短冊に書いて拝みましょうか。