HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

4Kデジタル・リマスター版映画『去年マリエンバートで』鑑賞

 所謂フランスのヌベルバーグ映画の旗手の一人、アラン・レネ監督が1961年に制作した映画で、同年ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞した作品です。

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 若い頃友人の誘いで、この映画を見に行ったことがあるのですが、何がなんだかさっぱり分からない、不思議な映画の感じがしただけでした。どういう訳かあれから何十年も経っても、頭の片隅に生き続けていたのです。あれは一体何だったんだろうと時々頭をもたげ、機会があればまた見たいなと思っていました(ビデオを借りて見るという気にはならなかった)。それが昨年かな?昨今のデジタル技術によりノイズが除去されたりして綺麗になった(勿論白黒のままですが)リマスター版が出来、しかも(あの4Kテレビと同じ)4K映像で再上映されるということを耳にし、これは是非観に行かなくてはなるまいと思ったのでした。宣伝ちらしによると“伝説の名作がシャネルによって完全修復”とあります。映画の主演女優デリフィーヌ・セイリグがココ・シャネルの衣装をまとっていることは知っていましたが、「シャネルによって完全修復」とは、修復の資金をシャネルが出したということでしょうか?シャネルの服はエレガントでいいですね。パリコレの写真など見ても他のブランドより好きですね。特に上下別れたタイプがいい。もちろん私は男ですから着てみたいとは思わないですが。 話はそれますが、「ココ・シャネル」の生涯(パリで成功するまで)を描いた映画を見たことがあります。大変良かった、興味深く観ました。お針子さんから始め、帽子、衣服の制作へと発展したのですね。センスが抜群。
 さて「去年マリエンバートで」のストーリーについては添付のチラシを参考にして頂ければと思うのですが、その内容に関してはこれまで幾多の人が様々に論評していますので、ここで屋上屋を架すことは止めます。

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ただ、一つ感じたことは、「人間には論理や日常性では、語りきれない複雑な精神性が蔭の様に付きまとい、人を非日常的な世界に引きずり込む力が作用する時が、人生に幽玄で美的な感興をもたらす」ということです。兎に角映像が幻想的で美しい。

 

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間違いなく“幻想芸術”の系譜に連ねられる作品でしょう(参考、2020-01-26記事『幻想芸術の系譜』)。
 尚、ヌベルバーグ映画の旗手にはその他にフランソア・トリュフォー監督がいます。その作品の有名なものは多いですが、これまでに大体は観ました。ビデオレンタルもありましたが、映画館で見ることが多かった。やはり映画は大画面で、しかもいい音響で鑑賞するのが一番ですね。音楽が録音でなく音楽ホールで聴くのが一番であるのと同じ様に。