HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

『クラシック千夜一夜(宮城谷昌光著)』散読

 昨夜(2020.1.29.)夕食後、何気なく家の書棚を見たら「クラシック千夜一夜」という集英社新書が目にとまりました。自分が買った覚えは無い、見たこともない。家内に聴いても分からない。1999年発行と書いてあります。とにかく目を通してみようと思ってページをめくり、著者の前書きを見たら「はじめに」の処に“東洋で音楽の重要性に初めて気がついたのは孔子で”“その後墨子が音楽不要論を説き、音楽不要論は「非楽」と呼ぶ”といったことが書いてあった。
 ご存知の様に宮城谷さんは中国文学(小説)で直木賞も取ったことのある作家です。その人が“貧窮生活にはいり音楽は聴く気になれなくなったが、たった二曲(バッハの「シャコンヌ」と「音楽の捧げもの」)は残った。命の糧でした”と言っています。さらに“名曲と呼ばれるものにも、陰陽と吉凶とがあり、自分にとっては凶でも他人にとっては吉だろう、などと無責任なことはできない”旨のことを書いています。まさにその通りだと思いました。「音楽の捧げ物」は二十歳代からLP,CDで何回となく繰返し聴いていた記憶があります。今では「シャコンヌ」の方が好きですけれど。宮城谷さんの作品は「奇貨居くべし」を以前読んだ時大変面白く、今でもかなり記憶に残っています。呂不韋は秦が全国統一する前夜の時代、秦の宰相にまで上り詰めた政商で、始皇帝の実の父親説もあるくらいの人です。
 宮城谷さんは推薦出来るクラシック曲を、メンデルスゾーン、ベートーベンからフォーレ、ブラースムまで演奏聴き比べもまじえて紹介しているのですが、最後にミヨーを挙げていたのには少し驚きました。それは、ミヨーの曲を昨年10月に奏楽堂で、芸大教授の演奏するヴァイオリン曲で初めて聴いた時、すごくいい曲だなエネルギーのある作曲家だなと思っていたからです。宮城谷さんはミヨーの「プロヴァンス組曲」を挙げています。今度聴いてみたいと思います。