今日火曜日(2020.1.28.)ドミンゴを聴いてきました(19:00~@有楽町、国際フォーラムホールA)。裁判にまで発展したというスキャンダラスな話題で、いろいろ論議を呼びましたが、結局コンサートは中止になりませんでした。今回は以下の理由から、聴きに行くことにしました。①チケットをかなり以前から買っていたこと。②ルネ・フレミングの代わりに、サイオア・エルナンデスが歌う。エルナンデスは、今年9月のスカラ座来日公演でタイトルロールを歌う予定になっており、その下見としたい。③裁判所の判決が出るまでは、”疑わしきは罰せず”で被告人の利益に、が司法の原則。ドミンゴは、すでに、社会的制裁をかなり受けているとも考えられ、年も年だし、これが最後の来日公演になるかも知れない。
さて、会場の東京国際フォーラムは、駅前にあるし、中心街にあって、いろいろ便利だし、他のホールと、較べて立地は断トツだと思うのですが、ホール自体は残念ながら、クラシック音楽には、必ずしも向いているとは言い難い。もともと、大きな会議や総会、大会会場を想定して建てられたもので、ついでに音楽会も出来るようになっているのです。駅からのアクセスはいいのですが、中に入ってからホールまでのアクセスが悪いのです。エレベーターを何回も乗り継いだり、広くない階段を上り下りしたりと。演奏会が終わってから、狭いエレベーターに人が殺到して危険すら感じます。毎年ゴールデンウィークに開催されるラ・フォルジュルネは、国際フォーラムで殆どの催しが行われますが、あれは、一種のお祭りですから。
プログラムは①グノー作曲『ファウスト』より、”ワルツ” (オーケストラ)②トマ作曲『ハムレット』より”酒は悲しみを忘れさせる”(ドミンゴ)③ジヨルダーノ作曲『アンドレア・シェニエ』より”亡くなった母を”(エルナンデス)など以下の通り。
ドミンゴとエルナンデスの歌は、ソロ、デュエットとも、「愛憎」に関するものばかりでした。さすがは、一時代を画した大テノール歌手、完璧以上の表現力も発揮してみせました。エルナンデスは初めて聴きましたが、歌は上等なビロードの様な滑らかな感触で、音程も安定、高い音も楽々出していた。でもやや小じんまりしていたかな?ドミンゴの時は結構歓声が大きくてブラボーの声も飛びましたが、エルナンデスの時は、静かな拍手が響きました。前半5曲、後半8曲歌い、歌の合間にオーケストラが都合5曲演奏しました。
アンコールは、ヴェラストケスの歌など3曲、森麻季さんも和服姿で登場3人で『ふるさと』を歌って、お終いとなりました。行く前は、今回はキャンセルが出来るので客席はどうかな?と、気になっていたのですが、開演時までには会場は8割方埋まったのではないかと思われる位観客が入っていた。ドミンゴもアンコールでは、随分嬉しそうでした。