HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

オペラ『カルメン』

 

先週の日曜日(2019.10/27)ビゼーのオペラCarmenを観てきました(14:00~@さくらPLAZA in 戸塚)。主役のカルメン役はメゾソプラノの郷家暁子さん、それに、ドン・ホセは、テノールの村上敏明さん、ミカエラ役、ソプラノ長島由佳さん、エスカミーリョはミュージカルでもお馴染みの大山大輔さん、今回のオペラは、演奏会方式なので、ピアノ伴奏、巨瀬励起さんです。言語は日本語で上演されました。実は、8月にこのオペラのキャンペーン演奏が、同会場で行われ、配役もドン・ホセ以外は同じメンバーだったのを聴いたのです。その時は、原語演奏(イタリア語)だったので字幕付きでした。カルメンの、郷家さんの歌が上出来で、大山さんのエスカミーリョの歌が迫力があって、しかも司会進行役としても、優れた采配をしていたので、10月の本演奏会のチケットをその場で発売していたものをすぐ買ったのでした。日本語上演だということは、その後で分かったのです。最初から分かっていたら、買わなかったかも知れない。これまでオペラは、原語上演しか聴いたことなかったから。原語歌詞の意味もある程度調べることを常としていました。
日本語上演では作曲者の本意が伝わって来ない様な気がしていたのです。でもいいや、一度聴いておくのも、どんなものか分かるし、それに本演奏会には、一度聴きたかった村上さんも出演することだし、前回快調だった郷家さんの様子も見れるし、と思って、期待と不安が相い半ばして会場に臨んだわけです。演奏会を観、聴きした感想を以下に纏めますと
(1)郷家さんのカルメンは相変わらず、歌いぶりも演技もカルメンになりきっている高度なものであった。
(2)初めて聴いた村上さんは、声は個性的でいいものを持っているテノールでした。演技も手振り、身振りだけでなく表情もドン・ホセの(婚約者とカルメンの間を揺らぐ)切ない気持ちの表現に成功していた。
(3)ミカエラ役の長島さんは、声に張りがあり、高音も柔らかみが出て、前回より進歩したと思いました。今後の活躍が期待されます。
(4)エスカミーリョの大山さんは相変わらず、見映えのする演技と大きな声で聴衆を魅了しましたが、歌がやや不安定になる箇所があった様な気がします。弘法も筆の誤りかな?

(5)伴奏の巨瀬さんは、アリアの伴奏は非常に綺麗な音なのですが、冒頭の『ジャンジャンジャララ、ジャンジャンジャララ、ジャンジャンジャララッラ』
という前奏は、綺麗な音とは言えず響きも雑然としていて、いい感じとは言えなかった。これは前回も同じだったので、演奏が原因なのではなく、楽譜のせいかも知れません。誰が弾いてもそうなるのかな?
 尚、日本語上演に関しては、全く問題ないと結論しました。即ち、日本語の意味が時々分かるし、何を言っているかは、表情やその時の場面、場面で推定出来るからです。はっきり言うと、まるで外国語のセリフかな?と思うこともたびたびありました。席が隣りのご婦人も休憩に入った時曰く、’’わかりにくいねー、音を引っ張るから’’と。そうなんです。一つの音符に日本語をはめこんでいるため、日本語がながーく引き延ばされ、聞き手としては時々意味不明に陥ってしまうのです。でもno problem、一種の外国語だと思って聞けばいいのですから。何を喋っているかは言葉を補って充分わかるのだから。それに『演奏会方式オペラ』に対する不安も払拭されました。オケも舞台装置も演出も無くとも、歌手の情熱的で迫真の歌唱と演技をすれば、十分オペラを満喫出来るという良い見本の様な演奏会でした。