HUKKATS hyoro Roc

綺麗好き、食べること好き、映画好き、音楽好き、小さい生き物好き、街散策好き、買い物好き、スポーツテレビ観戦好き、女房好き、な(嫌いなものは多すぎて書けない)自分では若いと思いこんでいる(偏屈と言われる)おっさんの気ままなつぶやき

東京音楽コンクール『弦楽部門本選』拝聴

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〇弦楽部門本選

【日時】2023.8.29.(火)16:00〜

【会場】東京文化会館

【管弦楽】新日本フィルハーモニー交響楽団

【指揮】梅田俊明

【出演・曲目】
①平井美羽(ヴァイオリン) HIRAI Miu, Violin

P.I.チャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35』(16:00~予定)

 

②水野斗希(コントラバス) MIZUNO Toki, Double bass

G.ボッテジーニ『コントラバス協奏曲第2番 ロ短調』(16:41~ 予定)

 

(休憩) 16:58~17:18(予定)

 

17:18~(予定)

③栗林衣李(ヴィオラ) KURIBAYASHI Eri, Viola

W.ウォルトン『ヴィオラ協奏曲』(17:18~予定)

 

④水野琴音(ヴァイオリン) MIZUNO Kotone, Violin

P.I.チャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35』(17:54~予定)

 

【演奏の模様】

 マッタク我ながらお恥ずかしい、今日もコンクールの開演に遅刻してしまいました(昨年の時は、二回ともでした)。上野駅に着いた時は、開演時間16時を回っていた。その原因は、やはり食事でした。今日は何かと忙しくお昼も満足に食べれなかったので、上野駅に向かう電車に乗り換える処で下車し少し離れているお気に入りの中華料理店まで歩いて行って入ったのです(演奏終了後は急いで帰路につくので夕食を取る時間も無いので)。そこは時々入って食べる好物の料理があるのです。「キクラゲと豚肉の卵炒め」定食。 少し早い夕食、Goûterといったとこでしょうか。

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 この三種の材料の組合せが、中々絶妙なのです。勿論余り美味しくなかった別の料理店も過去にはありました。料理人の腕が分かる料理。上手な料理だと、先ず上等な炒め油が香ばしく鼻にきます。卵は固まっていなくフワッと柔らかくて、あたかも新雪が積もっている様。豚肉を口に入れると卵とのマッチングが良い味付けで、柔らかく、出来れば脂身も少し付いていた方がさらに美味しい。黒いキクラゲは、コリコリと口当たりがよく、その何とも表現しづらい微妙な味が、前二者を引き立てます。隠し味に青葱の細切りが僅かに入っているのも味にも見た目にもアクセントに。ご飯は米が美味しいので、何倍でもおかわりして食べたい位ですが、年と健康を考えて、少な目にします。  それでも料理がたっぷり皿に盛られて出て来るので、お腹一杯になるのでした。自分では、急いで食べたつもりだったのですが、結構時間がかかってしまった。

 文化会館のエントランスに着いたときには、開演後10分は経っていました。ホワイエはガラガラ誰もいません、半地下のモニターのあるソファーの処に案内され、最初の演奏者が終わった時に自席に入れますとのこと。昨年より遅刻者は少なく、二人だけでした。モニターでは、①平井美羽さんが、チャイコフスキーのコンチェルトを弾いている様子が映っていますが、映像が非常に良くない。スマホのカメラを向けると、少し明瞭に見えるのは、スマホが補正してくれるからでしょうか?

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 トップバッターの平井美羽さん

 

 写真を二三枚取って、ソファーに座り演奏を聴いていましたが、その音が普通のテレビよりも良くない。機械が古くなったからでしょうか?音楽ホールなのだからもう少しましな機械を設置してくれたらいいのになどと、勝手なことを考えたり、家に電話したりして待っていました。家の上さんには、❝音楽と食べ物とどっちが大事なの?❞と言われてしまいました。それは音楽を聴きに行こうとしていたのだから言うまでもないことですが、その時ふとHUKKATSの自己紹介の所に書いてあることを思い出しました。「食べること好き」を2番目に書き、「音楽好き」は4番目なのですね。そうか自分で好きなことを思いついた順番だと、食べることの方が先なのか、でもそれは上さんには言えません。だって「女房好き」は10番目にランクしているのですから。

 さて平井さんの演奏が終わってホール内の自席に収まり、次は②水野斗希さんです。コントラバス(Cb.)演奏と書いてある。あの大きな楽器で協奏曲を弾くなんて信じられない。協奏曲があること自体知りませんでした。時間になって登壇したのは背の高いスマートな若者でCb.を軽々と抱えて出て来ました。楽器の性格上低い音域中心の旋律でしたが、時にはチェロの様な高音も出して弾いていました。一番感心したのは、非常に速いパッセッジを左手で楽器の上から下の方まで何十cmも移動させて太い弦を押さえ、右手はしなやかに力強いボウイングでクリアな音を出していた事。実際に弾く人は見た目では分からない、腕と手と体の力、支えが必要なのだろうな等と思いながら聴いていました。

 その後は《20分の休憩》です。

満員の会場の観客がホールの外の通路に出るまで、大混雑で時間がかかりました。トイレもホワイエも多くの人また人。随分人気のあるコンクールです。

 

後半最初は

③栗林衣李さんのヴィオラ演奏です。

 大きなヴァイオリンといった感じの楽器で、重い低音からかなりの高音まで自在に操って繰り出す演奏は、相当な熟練を要する技と見ました。演奏後挨拶もそこそこに袖に戻る栗林さん。指揮者の梅田さんが、呼び止めて起立した楽団員全員と一緒に挨拶させようと呼び止めても、気が付かずそそくさと舞台を去る彼女に、客席からは笑い声も。 すこしせっかちなのでしょうか演奏にもテンポでその感じが出たところがありました。

 次は last but not least.?いや、本選も今日で終わりですから最後の最後の演奏です。

④水野琴音さんのヴァイオリン演奏です。これまたチャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲』。①の平井さんと同じ曲です。

①を生で聞いていないので二人の比較は出来ないですが、水野さんの演奏は、その長身を生かした体全体を使って渾身の力で、技巧的にも見事な立派な演奏でした。会場からは大きな拍手と共に、あちこちからブラヴォーの掛け声が上がっていました。

 という訳で、全くとんまな観戦になってしまいましたが、一応若い人がコンクールで懸命に演奏する姿を見て、何にも代えられない日本の宝だといつもの様に思ったのでした。

尚、審査結果は19時以降に発表されて表彰式も行われた様ですが、それには出ず、すぐ帰宅の途につきました。

結果は以下の通りです。

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◉第21回東京音楽コンクール弦楽部門 本選結果

第1位
水野斗希(コントラバス) MIZUNO Toki, Double bass

第2位
水野琴音(ヴァイオリン) MIZUNO Kotone, Violin

第3位
栗林衣李(ヴィオラ) KURIBAYASHI Eri, Viola

入選
平井美羽(ヴァイオリン) HIRAI Miu, Violin

聴衆賞
水野琴音(ヴァイオリン) MIZUNO Kotone, Violin